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What's new 2017.7~

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新三種混合(MMR)ワクチンを接種後:「健康被害、広く救済を」【栃木】 17.9.21

「健康被害、広く救済を」 医療費不支給の一部取り消し、接種女性の母親ら会見

(下野新聞 2017年9月21日 )
 1990年に当時1歳9カ月で新三種混合(MMR)ワクチンを接種後、けいれんなどの健康被害を訴えた宇都宮市の女性(29)に、県が接種との因果関係を認め、国による医療費などの不支給処分を一部取り消す裁決をした問題で、女性の母親(57)と代理人が20日、県庁記者クラブで記者会見した。裁決に一定の評価をしつつ「予防接種の健康被害は厳密な因果関係が証明できない場合も多く、疑わしい症状は広く救済すべきだ」と訴えた。

 裁決は14日付。高熱を伴う熱性けいれんとの因果関係を認め、女性が関連を訴えた知的障害とてんかんは認めなかった。

 会見には母親と、代理人でMMR被害児を救援する会の栗原敦(くりはらあつし)事務局長(64)、ワクチン問題に詳しいNPO法人「コンシューマネット・ジャパン」の古賀真子(こがまさこ)理事長(60)が臨んだ。

 母親は救済制度を知らず医療費などの支給申請まで接種後20年かかったが、代理人は「本来、医療機関や行政が救済制度の周知を徹底すべきで、副反応が起きない前提でワクチン行政が進んでいる」と批判した。

 当時のカルテが一部廃棄されるなど資料の収集が困難となったとし、母親は「もっと早くに申請していれば」と悔やんだ。一方で「ワクチン接種後に同じように苦しんでいる方がいれば、声を上げてほしい」と力を込めた。

市立甲府病院でまた医療ミス

(山梨日日新聞 2017年8月28日)
 市立甲府病院で2014年に副鼻腔炎の手術を受けた中央市の40代男性が目のくぼみにある血管を傷つけられ、視力低下などの後遺症が出る医療事故があったことが25日、市関係者への取材で分かった。病院側は手術中のミスを認め、男性に約1300万円の損害賠償金を支払った。同病院で今年明らかになった賠償金を支払う医療事故は、今回を含めて4件目。

 市関係者によると、男性は副鼻腔炎を患い、14年9月に鼻から内視鏡を入れてうみを抜き取り、ポリープを削り取る手術を受けた。手術翌日に右目の周りが腫れ、目のくぼみに血腫ができた。血腫は再手術で取り除いたが、約1週間後に視力低下や視野が狭まる症状が出た。通院して回復も見られたが、症状が残った。

 症状に関する男性の申し出を受け、同病院の事例検討会は副鼻腔炎の手術で鼻から内視鏡を抜く際、目のくぼみにある血管を傷つけたと判断。病院側はミスを認めて男性に謝罪した。

 男性は自営業で業務に支障が出たため、市は15年3月~17年6月に、事業補償なども含め損害賠償金として総額約1300万円を支払った。

 同病院では使用が禁止されている消毒液を使って男女2人の難聴を悪化させたとして、今年2月に850万円の賠償金を支払った。3月にも手首の腫瘤を取り除く治療を受けた女性に手のしびれなどの後遺症が出たとして、70万円の賠償金を支払い、女性と示談が成立している。

長寿の秘密、15年かけ追跡調査 京都・丹後で府立医大 17.8.14

(京都新聞 2017年8月14日)
 京都府立医科大は10日、長寿の人が多い京都府丹後地域の高齢者の健康診断やアンケートのデータを15年にわたって集め、平均寿命が国内で最も短いとされる青森県内の地域を対象とする同様の調査データと比較する疫学研究を始めると発表した。世界的にも珍しい試みで、AI(人工知能)の解析手法も駆使して長寿の秘訣(ひけつ)を探る。

 研究では今月以降、京丹後市と周辺市町の90歳以上を中心に65歳以上の高齢者千人を募集。2年ごとの健康診断やアンケートを通して血液や腸内細菌、遺伝子のデータ、普段の食事内容や生活習慣など約2千項目を調べる。同様の研究は、平均寿命が短い青森県弘前市岩木地区の住民を対象に弘前大が先行して実施しており、両者のビッグデータをスーパーコンピューターなどを使って比較分析する。

 京丹後市の昨年1月の100歳以上の人口は全国平均の約2・8倍。男性で長寿世界一とギネスブックに認定され、2013年に116歳で亡くなった木村次郎右衛門さんも暮らしていた同市は、国内で最高の長寿地域の一つとされる。

 研究代表者を務める循環器内科の的場聖明教授は「長寿の人は病院にあまりかからないので、長生きの秘訣を分析するためのデータは蓄積がなかった。健康長寿の社会を築くため、研究結果を広く発信していきたい」と話している。


薬剤耐性菌に感染3人死亡 北九州、入院中の80~90代 17.8.14

(共同通信社 2017年8月14日)
 北九州市の東筑病院は10日、80~90代の入院患者の男女4人が、多くの抗生物質が効かないカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)に感染し、このうち3人が死亡したと明らかにした。

 病院によると、4人は2016年10月以降に感染が確認され、今年7月に3人が肺炎で相次ぎ死亡した。残りの1人の容体は安定しているという。死亡した3人のうち80代の男性2人は同病院での院内感染の疑いがあるとしている。

 病院からの届け出を受け、北九州市保健所は4日に病院を立ち入り検査した。同病院は約190人が入院しており、市は「感染拡大防止を指導する」としている。

 CREの感染は全国で相次いで報告されており、今年に入っても7月30日時点で867件の届け出がある。人の手や手すりなどを介して感染し、健康な人には影響がないが、抗生物質を服用している人は注意が必要だという。


残業代求め116人提訴 東大寺の法人に6千万円 17.8.14

(共同通信社 2017年8月14日)
 奈良市の東大寺福祉療育病院を経営する社会福祉法人「東大寺福祉事業団」が長期間にわたり残業代を支払わず不当だとして、職員や退職者計116人が計約6千万円を求めて奈良地裁に集団提訴したことが10日、分かった。提訴は9日付。

 訴状によると、原告は事務職員や放射線技師、薬剤師などとして従事し、数年前から超過勤務が常態化。タイムカードに就業時間を記録した以降も残業したり、研修会に参加したりしており、2014年9月から16年9月までの未払いの残業代などを求めている。

 同法人の担当者は「訴状が届いていないので、コメントできない」とした。


「脳手術ミスで半身まひ」 東京女子医大を提訴へ 17.7.28

(共同通信社 2017年7月28日)
 東京都新宿区の東京女子医大病院で昨年、脳血管のバイパス手術を受けた男性(45)=練馬区=が医師のミスで脳に重い障害を負い左半身がまひしたとして、家族らが大学と担当医に計1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことが27日、家族への取材で分かった。

 訴状によると、男性は2015年11月にもやもや病と診断され、脳への血流を確保するため16年2月に東京女子医大病院で右動脈のバイパス手術を受けて退院した。同年4月に再入院し左動脈のバイパス手術を受けたところ、脳梗塞で一時意識不明になり、高次脳機能障害とまひが残った。

 病院側は家族に「最初の手術後は右側頭部の血管が脳への血流を担っていたが、2度目の手術をする際に頭の右側を下にしたため、血管が枕で圧迫されて一時的にふさがった可能性がある」と説明。男性側は、頭を器具で固定して血流を妨げないようにする注意義務を怠ったと主張する方針。

 東京女子医大は「患者の個人情報に関することなのでコメントは控える」としている。

 家族によると、男性は介助なしでは生活できず、施設を転々としながらリハビリを続けている。母親は取材に「最初の手術後は自宅で通常通り生活できていた。先生がもう少し気を配ってくれれば、こんなことにはならなかったのに」と話した。


【兵庫】医療事故:県立の3病院、4件 県が発表 17.7.24

(毎日新聞社 2017年7月24日) 
 県は21日、県立こども病院(神戸市中央区)で看護師がだっこしていた生後10カ月の男児を誤って落として頭を骨折させるなど、県立3病院で計4件の医療事故があったと発表した。

 県によると、男児は先天性の心疾患があり、泣き出すと心臓に負担がかかるため、看護師がだっこしていることが多かった。5月にこども病院の20代の女性看護師が男児をだっこしたまま、他の子どものほ乳びんを取りに行った。そこで、抱き直そうとした際に、男児がつかんでいた看護師のビニールエプロンの一部がちぎれ、バランスを崩して落下した。男児は頭頂部骨折など全治6カ月の重傷を負ったが、後遺症はないという。

 他は、尼崎総合医療センターで40歳代の男性に埋め込んだ点滴用の管から抗がん剤が漏れ、首が腫れた▽こども病院で生後すぐの男児から尿を排出させるため尿道に管を通した際、ぼうこうに達する前に管を膨らませて尿道を傷つけた▽がんセンター(明石市)で60歳代の男性の食道がんを放射線治療した際に、誤ってがんの一部を照射せず、切除手術をした――の3件。


検査報告書、患者に交付を 慈恵医大の肺がん疑い放置 17.7.21

(共同通信社 2017年7月21日)
 東京慈恵会医大病院で肺がんの疑いがあると指摘された男性=2月に72歳で死亡=の画像診断報告書が約1年間放置されていた問題で、病院は20日、画像診断などの検査報告書を速やかに患者に交付することや、見落とし回避に向けた人的な支援態勢強化などの改善策を盛り込んだ第三者委員会(委員長・前東京地裁所長の貝阿弥誠(かいあみ・まこと)弁護士)の答申書を公表した。

 答申書は、この男性以外にも過去に5人の患者に同様の事例があったことに言及。「診療情報が治療に生かされず患者の病状悪化を招くことは明らかな医療事故。確認不足という単純ミスを根絶してほしい」と指摘している。病院側は5人の事案の詳細については、プライバシー保護などを理由に明らかにしていない。

 男性は2015年10月に受けたコンピューター断層撮影(CT)検査の報告書で肺がんの疑いがあると指摘されたが、主治医らが確認せず、昨年10月に再入院した際のCT検査で肺がんと分かるまで放置された。既に治療が困難な状態で、病院は昨年12月に謝罪。今年2月に死亡した。

 第三者委の答申書は、画像診断などの報告書が患者に手渡されれば、患者側からも質問ができ、主治医との情報共有不全を防止する手段になると指摘。「主治医は内容について患者の誤解が生じないよう丁寧に説明すべきだ」と付け加えた。

 また(1)画像診断報告書の異常所見が主治医に見過ごされることがないようにするための人的な支援制度(2)主治医に注意喚起を促す電子システム上の工夫―も提言した。

 丸毛啓史(まるも・けいし)院長は「答申書を真摯(しんし)に受け止め、改善策の実行手順を具体的に検討中だ」としている。


内視鏡検査で直腸に穴 賠償命令 岡山地裁、病院側の過失認める 17.7.12

(山陽新聞 2017年7月12日)
 岡村一心堂病院(岡山市東区西大寺南)で大腸の内視鏡検査を受けた際、医師の過失で直腸に穴が開いたとして、同市の男性(68)が、病院を経営する社会医療法人(同所)に慰謝料など計約261万円の損害賠償を求めた訴訟で、岡山地裁は11日、病院側の過失を認め、約74万円の支払いを命じた。

 病院側は過失がないと主張していたが、善元貞彦裁判長は判決理由で「内視鏡の位置や状態を十分に確認しないまま操作をした医師の過失により、直腸に穴が生じた」と述べた。

 男性側は「病院側のミスが認められ、評価できる」、病院側は「判決内容は非常に不服。控訴する方針だ」とした。

 判決によると、2014年11月、検査で医師が内視鏡を反転させる操作を適当でない位置で行い、直腸に直径約1センチの穴が開いた。


内視鏡で見逃しやすい大腸がん、AIなら発見率98%…国立がんセンター 17.7.12

(読売新聞 2017年7月12日)
 大腸内視鏡検査で見逃しやすい早期がんやポリープを、人工知能(AI)を使って検査中に自動で見つけ、診断を補助するシステムを国立がん研究センターとNECが開発した。
 より精度を高め、2年後に臨床研究を始めたい考え。部位別で2番目に多い大腸がんによる死亡数を減らすことが期待されている。

 同センター中央病院の山田真善医師らは、早期がんや、がんになる可能性があるポリープが写った画像約5000枚を含む約14万枚の大腸内視鏡画像をAIに読み込ませ、先端技術の「ディープ・ラーニング(深層学習)」で病変の位置と大きさを推定できるようにした。別の約5000枚の画像を使って検証したところ、98%の確率で早期がんとポリープを見つけることができた。

 早期がんやポリープは、小さかったり、形状が平らだったりすると、慣れない医師は見逃しやすい。山田医師は「医師の技術格差による見逃しを防げるシステムで実用化して全国どこでも使えるようにしたい」と話している。


妻死亡「診療科連携で防げた」 夫が京大病院提訴 17.7.12

(京都新聞 2017年7月12日)
 京都大医学部付属病院(京都市左京区)で重い副作用がある薬の情報が共有されず、副作用で妻=当時(29)=が死亡したとして、中京区の夫(36)らが11日、京大や主治医を相手取り、1億8750万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴した。提訴後に会見した夫は「各診療科が連携していれば防げる事故だった」と胸中を語った。

 訴状によると、女性は、難病指定されている血液疾患「発作性夜間ヘモグロビン尿症」のため2011年から、京大病院血液内科で治療を受けていた。16年4月、妊娠に伴い血栓症予防のため「ソリリス」の投与を開始。同院で8月1日に長男を出産後も通院した。

 同月22日、薬剤投与後に急激な発熱に見舞われた。京大病院の産科に連絡したが、対応した助産師は「乳腺炎と考えられる」とし、自宅安静を指示。しかし容体が悪化し、同病院に搬送されたが、翌23日に髄膜炎菌敗血症で死亡した。

 ソリリスの添付文書には、重大な副作用に「髄膜炎菌感染症を誘発する」とし、海外の死亡例を踏まえ、発熱などの際は抗菌剤の投与を求めている。製薬会社によると、国内の死亡例は今回が初めてという。

 会見で夫は、同薬投与の際に患者側は血液内科や産科医に相談しており「副作用情報は得られたはず」と指摘。その上で「重い副作用のある薬には患者側にも勇気が必要だった。高度医療を期待して大学病院での治療を受けていたが、命に向き合う安全への認識が低い」と話した。

 京大病院は「病院システム全体の問題として再発防止策を検討している」とコメントした。


筋弛緩剤を1本紛失 長野・篠ノ井総合病院 17.7.12

(共同通信社 2017年7月12日)
 JA長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院(長野市)は11日、毒薬指定されている麻酔用の筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」の50ミリグラム入り瓶1本が薬品庫からなくなったと明らかにした。成人3人の致死量に相当するという。
 病院によると、5日午後8時ごろ、看護師が点検した際に1本足りないことが分かった。同日朝に確認した際は異常なかった。手術室や薬品庫がある「中央手術室」の入り口には防犯カメラがあり、入室にはカードキーが必要なことなどから誤廃棄の可能性が高いとしているが、盗難の恐れもあるとして、長野南署に相談している。

 今後、筋弛緩剤を薬品庫から持ち出した時間や職員の名前をその都度記録するよう改める。病院は「管理状況に問題があったのは明らか。より一層の安全管理に努めていく」としている。


睡眠剤で事故起こさせる 71歳准看護師殺人未遂疑い 17.7.12

(共同通信社 2017年7月12日)
 千葉県警は11日、老人ホームの同僚職員らに睡眠導入剤を混ぜたお茶を飲ませ、交通事故を起こさせて殺害しようとしたとして殺人未遂の疑いで、同県印西市、准看護師波田野愛子(はたの・あいこ)容疑者(71)を再逮捕した。

 県警は6月、別の同僚に睡眠導入剤を混入した飲み物を飲ませた傷害容疑で波田野容疑者を逮捕していた。老人ホームによると、4月以降、職員数人がめまいや眠気、足元のふらつきといった症状を訴えており、県警は混入を繰り返していた疑いもあるとみて調べる。

 再逮捕容疑は5月15日、当時勤務していた印西市瀬戸の老人ホーム事務室で、同僚の女性(69)とその夫の男性(71)が車で帰宅することを知りながら、2人に睡眠導入剤入りのお茶を飲ませ、同日夕、同県佐倉市で男性の乗用車と、建築業男性(56)のワンボックスカーが正面衝突する交通事故を起こさせて3人を殺害しようとした疑い。

 女性が肋骨(ろっこつ)を折る重傷、他の2人は全身打撲などの軽傷を負った。

 県警によると、波田野容疑者は睡眠導入剤の混入を認めている。県警は殺意について認否を明らかにしていないが「死亡事故を起こしても構わない」という未必の殺意があったとみて捜査する。

 老人ホームによると、波田野容疑者は2015年10月から勤務し、入居者の健康管理を担当していた。ホーム内の事務室で今年6月中旬、波田野容疑者が30代の同僚女性の飲み物に液体を混入する様子を他の職員が目撃したとして、施設側が警察に相談。県警が6月21日、この女性に対する傷害容疑で逮捕した。

 波田野容疑者も同種の薬を服用し、事務室内の自身の机に保管していたという。施設長の男性(44)は「職員間の仲が悪いなど、不審な点は全くなかった。本当に驚いている」と話した。


大阪大院元教授に猶予判決 共同研究汚職「強い非難」 17.7.11

(共同通信社 2017年7月11日)
 建物の耐震性に関する大阪大と企業との共同研究を巡る汚職事件で、収賄と背任の罪に問われた大阪大大学院工学研究科の元教授倉本洋(くらもと・ひろし)被告(57)=懲戒解雇=に大阪地裁は11日、懲役3年、執行猶予5年、追徴金約1280万円(求刑懲役4年、追徴金約1280万円)の判決を言い渡した。

 飯島健太郎(いいじま・けんたろう)裁判長は、自身が管理する口座に現金を振り込むよう指示して積極的に賄賂を受け、大学に支出させた経費を自分のために使っていたと指摘。「被告は建築耐震工学の第一人者で、国立大に対する社会の信頼も損なわれた。強い非難を免れない」と述べた。一方、大学に全額を弁済し、解雇され社会的制裁を受けたとして、執行猶予が相当と結論付けた。

 判決によると、2012~16年、共同研究を実施したゼネコンなど4社の社員から、研究結果の情報を提供した見返りに現金計約1280万円を受領。さらに3社が被告に経費として計約2320万円を支払ったことを隠し、大学に計約1570万円を支出させて損害を与えた。

 被告は公判で全ての起訴内容を認めており、弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。


治療ミスで脳梗塞と認定 7900万円支払い命令 17.7.10

(共同通信社 2017年7月10日)
 不整脈治療のミスが原因で脳梗塞になったとして、名古屋市の男性(70)が愛知県一宮市の私立病院「一宮西病院」に慰謝料など約1億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は7日、訴えを棄却した一審判決を覆してミスを認定し、病院を運営する社会医療法人に約7900万円の支払いを命じた。

 血管に通した細い管からの電流による刺激で不整脈を治すカテーテルアブレーションという方法で治療が行われた。心臓内に血栓があると施術できず、事前に実施した男性の超音波検査などの画像に映った影が、血栓かどうかが争点だった。

 一審判決は影が通常の心臓組織だった可能性があるとして男性側の請求を棄却したが、孝橋宏(こうはし・ひろし)裁判長は「血栓を否定できない」とする複数の専門家の意見書を採用。「注意義務を尽くさなかった」として、担当した男性医師の責任を認めた。

 判決などによると、男性は心臓の不調を訴えて2010年7月に同病院を受診。8月3日にカテーテルアブレーションを受けた直後に脳梗塞となり、まひや高次脳機能障害の後遺症を負った。孝橋裁判長は心臓の血栓が脳の血管を詰まらせた可能性を否定できないとした。

 男性の代理人弁護士は「請求額と賠償額に開きがあるが、治療ミスが認められた点は評価する」と話した。病院側は「コメントしない」とした。


骨折手術で死亡、和解成立 病院側が2400万支払い 17.7.10

(共同通信社 2017年7月10日)
 堺市の病院で2013年、骨折手術中に女性=当時(82)=が死亡したのは医療ミスが原因として、遺族が病院を運営する医療法人「方佑会(ほうゆうかい)」(同市)に約3300万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁(比嘉一美(ひが・かずみ)裁判長)であり、法人が解決金2400万円を支払うことで和解したことが7日、分かった。和解は3日付。

 訴状によると、女性は13年6月に自転車で転倒して左腕を骨折。8月に方佑会の植木(うえき)病院で全身麻酔による接合手術を受けた際、血圧と心拍数が急変して死亡した。遺族側は高齢者に対して麻酔薬が過量だった上、気管チューブを誤って挿入したため低酸素血症を起こし、麻酔薬投与から約25分で心停止に至ったと主張していた。

 病院側は、チューブ挿入は適切だったと反論したが、裁判所が選んだ専門医は、チューブが気管ではなく食道に挿入されたことが死因となった可能性を指摘した。

病理解剖報告、開示求め提訴 遺族、滋賀医大病院に 17.7.10

(京都新聞 2017年7月10日)
 2015年8月に死亡した大津市の女性=当時(26)=の夫(29)が、女性の病理解剖を行った滋賀医科大付属病院に対して解剖報告書の開示と慰謝料140万円を求め大津地裁に提訴した。7日に同地裁(溝口理佳裁判官)で初弁論があり、病院側は解剖の要点を遺族側に説明したので報告書を開示する義務はないと主張し、争う姿勢を示した。

 訴状によると、女性は15年7月15日に脳内出血を起こして同病院に救急搬送され、8月4日に死亡した。遺族は脳内出血の原因として感染性心内膜炎を疑い、女性が以前に体調不良で受診した別の病院で適切に診断されていれば死亡することはなかったとして、原因究明のため滋賀医科大病院に病理解剖を依頼した。同病院が報告書の開示を拒んだため原因の特定に至らず、別の病院との示談交渉が進展しないとしている。

 病理解剖は病死した患者の死因を詳しく調べるために行われ、治療の効果や影響の検討にも用いられる。患者側代理人として医療訴訟を数多く手がける原告側の谷直樹弁護士は「病理解剖の報告書を遺族に開示しないという例は聞いたことがない」としている。原告の男性は「妻がなぜ亡くなったのか、正確に知りたい。不開示は納得いかない」と話した。


新薬「ソリリス」副作用で妻死亡 夫が京大病院提訴へ 17.7.10

(京都新聞 2017年7月10日)
 京都大医学部付属病院(京都市左京区)で重い副作用がある薬の情報が共有されず、副作用で妻=当時(29)=が死亡したとして、中京区の夫(36)らが近く、京大や主治医を相手取り、1億8750万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴することが、9日分かった。原告によると、新薬「ソリリス」による死亡例は国内初という。

 訴状によると、女性は、難病指定されている血液疾患「発作性夜間ヘモグロビン尿症」のため、2011年から、京大病院血液内科で治療を受けていた。16年4月、妊娠に伴い血栓症予防のため新薬「ソリリス」の投与を開始。同病院で8月1日に長男を出産後も通院していた。

 同月22日、薬剤投与後に自宅で急激な発熱に見舞われた。京大病院の産科に連絡したが、対応した助産師は「乳腺炎と考えられる」とし、自宅安静を指示。しかし容体は悪化し、同病院に搬送されたが、翌23日に髄膜炎菌敗血症で死亡した。

 ソリリスの添付文書には、重大な副作用として「髄膜炎菌感染症を誘発する」と記載されており、海外の死亡例を踏まえ、発熱や頭痛の際は抗菌剤の投与を求めている。

 夫側は、京大病院産科は電子カルテなどから投与された薬品の情報を得ていたにもかかわらず、感染症治療が行われなかったとし、「発熱の初期段階で髄膜炎菌感染症を疑い、抗菌剤による治療をすべきだった」と主張している。

 京大病院の事故調査委員会の報告書では「合併症や高熱から助産師が対応できる範囲を超えている可能性があり、医師の診断が必要だった」とした上で、「発熱時は抗菌薬を投与する必要があることを院内の医療者に広く認識してもらう工夫が必要」と指摘した。

 京大側は、今年5月の京都地裁の調停で「患者が重大な副作用情報を医師に知らせるべきで、医師は他の医師に対してまで周知する義務はない」としていた。


ゾルピデム3万7000錠紛失の状況明らかに 山梨県立中央病院で昨年8月以降に 17.7.6

(日経ドラッグインフォメーション 2017/7/6)
 山梨県立中央病院(甲府市)は2017年7月5日、同院薬剤部にあった向精神薬のゾルピデム酒石酸塩(商品名マイスリー他)を、昨年の8月以降に約3万7000錠紛失したと発表した。

 紛失が発覚したきっかけは、7月2日日曜日に出勤した薬剤師が、調剤棚のゾルピデムの少なさに気付いたこと。同院薬剤部では、金曜日の夕刻に週末の業務で困らないように、必ず十分な量のゾルピデムを補充しておくようにしているが、大量に減っていたので不審に思ったようだ。同院は8割以上が院外処方で、病院薬剤部で調剤する処方箋は1日100枚ほどだという。

 7月3日月曜日に、院内のデータなどから、在庫や処方量、調剤量を改めて確認したところ、6月30日の金曜日からゾルピデムを約500錠紛失していたことが分かり、保健所に届け出た。麻薬及び向精神薬取締法は、向精神薬の錠剤について120錠以上が紛失や盗難などでなくなった場合、都道府県知事への届け出を義務付けている。

 また、同院がゾルピデムの購入量や処方量、調剤量について、さかのぼって調べたところ、昨年の8月以降に合計で約3万7000錠紛失していたことが分かり、7月5日に警察に被害届を提出した。同院によれば、ゾルピデム以外の薬剤は紛失していなかったという。

 なぜこうしたことが起きてしまったのか。薬剤部長の山本誠一氏は「平日の日中は薬剤師が多数いて、見知らぬ人が入って来られる状況ではない。土日や祝日は薬剤師が午前3人、午後2人で、夕方以降は1人勤務になる時間帯もあるが……。よく分からない」と困惑した様子で話す。

 この事態を受けて、同院は7月3日、調剤室のある薬剤部の出入り口に防犯カメラを2台設置。これまで出入り口にオートロックの機能はあり、夕方以降は施錠され、暗証番号で開ける仕組みにしていたが、対策を強化した。

 また、在庫の管理も改めた。同院では、薬剤の購入量や調剤量をチェックする薬剤の棚卸しは、年度末に1回のみだったが、ゾルピデムについては調剤する度に、患者名とその数量を記録。ゾルピデムを含む第三種向精神薬の38種類については、毎月、在庫の状況を記録していくという。

 山本氏は「今後、院内に委員会を立ち上げて再発防止に取り組んでいく」と話している。


豪雨、医療・介護施設の被害調査へ 厚労省が対策本部 17.7.6

(朝日新聞 2017年7月6日 )

 九州北部での豪雨を受けて厚生労働省は6日午前、災害対策本部を設置した。職員を現地に派遣して、医療機関や介護など社会福祉施設の被害状況の確認を進める。災害派遣医療チーム「DMAT(ディーマット)」も待機しており、要請があればすぐに出動できるという。

 塩崎恭久厚労相は設置後の会議で、「被害状況を徹底的に調べてほしい。避難所の医療、福祉、生活関係の面での対応も万全を期すことが大事だ」と強調した。福岡県東峰村で孤立した特別養護老人ホームが2カ所あるとの情報があり、1カ所では駐車場への土砂の流入があったが、いずれも人的被害はないことが確認できたという。同県朝倉市などで計約2千戸が断水しており、対応を急ぐという。


睡眠導入剤3万7千錠紛失 山梨県立中央病院 17.7.6

(共同通信社 2017年7月6日)

 山梨県立中央病院(甲府市)は5日、向精神薬に指定されている睡眠導入剤「ゾルピデム」約3万7千錠を紛失したと発表した。盗まれた可能性があり、甲府署に被害を届け出た。

 病院によると、2日朝に出勤した薬剤師が6月30日に補充した500錠がなくなっていることに気付いた。報告した県から指示を受け、調査したところ、昨年8月から購入量が激増し、処方量を大幅に上回っていた。普段は数量を照合しないため、異変に気付かなかったという。

 睡眠導入剤は薬剤部の棚に保管。休日や夜間など薬剤師が不在の時には、部屋を施錠している。県は立ち入り検査する方針で、薬の管理に問題がなかったか調べる。

 神宮寺禎巳(じんぐうじ・よしみ)院長は記者会見で「大変申し訳ない。防犯カメラの設置などで、万全の管理体制にしたい」と謝罪した。

 県立中央病院は6月、交通事故で搬送された60代の男性に血液型の異なる輸血をする医療ミスを起こしている。


輸血ミス:県立中央病院 交通事故の男性死亡 因果関係否定 /山梨 17.7.4

(毎日新聞社 2017年7月4日)
 先月23日に男性が死亡した交通事故で、治療に当たった県立中央病院(甲府市富士見1)が、男性の血液型とは異なる血液を輸血していたことが分かった。病院は1日夜、記者会見を開き、輸血ミスを認め謝罪した。男性は搬送後に死亡したが「死因は出血性ショックとみられる」と説明し、ミスと死亡との因果関係は否定した。
 病院や県警によると、男性は甲府市に住む会社員(当時67歳)。6月23日午前4時50分ごろ、南アルプス市で起きた事故で、病院の救命救急センターに搬送された。医師8人と看護師3人が治療に当たり、5680ミリリットルを輸血した。男性はO型だったが、うち840ミリリットルがB型だったという。男性は事故から約4時間後の午前9時前に死亡した。

 病院のマニュアルでは、輸血前に2人で血液型の確認をすることになっていた。会見で病院は「容体が極めて重かった。当日の混乱状態の中で、確認がおろそかになり、間違ったと考えられる」と述べた。

 神宮寺禎巳院長は「安全・安心を提供すべき基幹病院として、あってはならない医療事故を起こし、誠に申し訳ない」と謝罪した。6月26日に医療事故調査委員会を設置し、ミスを検証している。

 捜査関係者によると、病院は警察に対し、死因を出血性ショックと報告し、医療ミスがあったことも届け出ていたという。県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査している。

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