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2015.1~7




【北海道】八雲総合病院、相次ぐ不祥事 町議会、町に調査要請 「自浄能力ない」異例措置 15.6.30

( 2015.6.30 北海道新聞)

 【八雲】心臓血管内科医と看護師が麻薬取締法違反容疑で逮捕され、内科医の飲酒運転も発覚した渡島管内八雲町の町立八 雲総合病院(佐藤博院長、358床)をめぐって、町議会は29日、病院内の調査委員会設置に反対し、町自体による調査を求める要望書を作成し、町に提出す ることを決定した。病院側に対する不信感が町内に広がっていることを背景とした異例の措置。要望書は7月2日に提出される予定。

 調査委員会については6月中旬、病院側が有識者ら外部委員を含む形で設置し、不祥事の再発防止などに取り組む考えを示していた。しかし、「病院には自浄能力がない」との批判が根強く、町議会が29日、全員協議会を開き、出席した15議員が一致して要望書の提出を決めた。

  同病院は「良い医者が来れば、収益も上がる」と、医師確保に力を注いできた。総額44億円の病院本館棟耐震化改築工事が進む中、一般会計からの繰り出しが 常態化し、本年度は一般会計の1割に当たる12億円に達する。新たな医師住宅(28戸)の年間借り上げ料の町負担が当初見込みの4倍相当の年間3700万 円になることも明らかになったばかりで、民営化を求める意見も出始めている。

 一方、同病院は、道2次医療圏で北渡島檜山地区(渡島管内八雲町、同長万部町、檜山管内せたな町、同今金町)の地域センター病院だが、今回の相次ぐ不祥事で、今後の診療体制は不透明なままだ。

  同病院によると、心臓血管内科は医師の逮捕により、常勤医がゼロになってしまった。年間の通院患者数は800~900人で、その7割が70代以上。同医療 圏でカテーテル検査などに対応できるのは同病院だけだが、「代替の医師による週1回の診療で患者全員を診るのは困難。カテーテル検査は、函館に行ってもら うしかない」(八雲総合病院)状況だ。



市区町村の胃がん検診、内視鏡検査導入へ 来春にも 15.6.30

(2015.6.30 朝日新聞)
 市区町村が行う胃がん検診で、バリウムをのむ従来のX線検査に加え、新たに内視鏡検査が導入される見通しになった。厚生労働省の専門家検討会で29日、了承された。今後、対象年齢や受ける間隔を決め、指針を改定する。早ければ来春の検診から導入される。
 一部の自治体では独自の公的負担をして、鼻や口から内視鏡を入れる内視鏡検査をすでに実施しているが、指針が改定されれば広がるとみられる。

 検討会では国立がん研究センターが4月に公表した胃がん検診のガイドラインで内視鏡検査を「推奨」としたことなどから、最終的に検診に取り入れる科学的根拠があると判断された。

  これまでは、内視鏡検査に胃がん死亡率を減らす効果があるかどうか議論があった。しかし、13年に報告された韓国での胃がん検診の効果に関する20万人規 模の調査結果では、内視鏡検査で、57%の死亡率減少効果が認められたという。国内でも効果を確認する複数の研究結果が報告された。

 がんセンターのガイドラインでは内視鏡検査の対象年齢は50歳以上がのぞましく、受ける間隔は「2~3年とすることが可能」としている。

  現在は、厚労省の指針で、40歳以上の住民を対象にX線検査を年1回行っている。X線検査は引き続き推奨するが、対象年齢と受診間隔が内視鏡検査とはずれ が生じる。全国的に自治体が導入するには、検診を担当する内視鏡の専門医の確保や検査施設の整備のほか、財政的な負担への対応などの課題も残る。

 今後、こうした点の議論を続け、8月をめどに、具体的な手順などを定めた報告書をまとめるという。



【山梨】ひき逃げなどの容疑 県歯科医師会理事逮捕 15.6.30

(2015.6.30 読売新聞)
 韮崎署は28日、甲府市湯村、県歯科医師会理事で歯科医師の花形哲夫容疑者(58)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕した。

 発表によると、花形容疑者は同日午後0時15分頃、甲斐市中下条の県道で乗用車を運転中、信号待ちで停止していた乗用車に追突し、前の軽乗用車2台も巻き込む玉突き事故を起こした。追突された乗用車の男性(39)は頭に軽傷を負ったが、そのまま逃走した疑い。

 花形容疑者は調べに対し、「覚えていない」と供述しているという。

 花形容疑者の逮捕を受け、県歯科医師会は29日、県庁で記者会見を開き、井出公一会長が「多大な心配と迷惑をかけた」と陳謝した。花形容疑者はこ れまで同会の地域保健部理事や専務理事を歴任し、今月27日の総会で在宅ケアなど高齢者向けの歯科治療を担う地域包括部担当理事に選任されたばかりだっ た。同会では今後、本人から事情を聞き、対応を検討するという。




【北海道】子宮頸がんワクチン被害者連絡会 道支部が正式発足 15.6.30

(2015.6.30 毎日新聞)

 子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に原因不明の痛みを訴える女性が相次いでいる問題で、道内の被害者の家 族らでつくる「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会北海道支部」(佐藤美也子代表)が29日、正式に発足した。支部によると、メンバーは副作用を訴えた 10人の家族らで、自治体による救済支援制度の整備などを訴える方針。
 同ワクチンは2013年4月、小学6年~高校1年の女子児童・生徒を対象に定期接種が始まったが、摂取後に副作用を否定できない痛みなどの発症者が相次ぎ、国は同年6月から積極的な接種を中止した。道によると、道内の副作用報告は13年4月~今年5月末で36件。

  長女(17)が頭痛や吐き気などが続き、高校の理解を得られず登校できていないという札幌市の女性(49)は「高校生活を楽しみたかった娘の願いをかなえ られなかった」と涙ながらに訴えた。佐藤代表は「悩んでいる家族は声をあげて。国には接種を中止し、症状との因果関係を認めてもらいたい」と話している。 問い合わせは同連絡会(042・594・1337)。




誤注射でC型肝炎発症疑い 医師ら書類送検、福岡 15.6.30

(2015.6.30 協同通信)
 C型肝炎の患者に使った注射器で別の患者に注射してC型肝炎を発症させたとして、福岡県警捜査1課は30日、業務上過失傷害の疑いで「唐原内科クリニック」(同県吉富町)の男性医師(46)=同県豊前市=と女性准看護師(52)=大分県中津市=を書類送検した。
 書類送検容疑は2010年12月5日午前6時50分ごろ、入院していた豊前市の女性=当時(81)=に対し、C型肝炎の患者に使った注射器で栄養剤を注射し、C型肝炎を発症させた疑い。

 捜査1課によると、准看護師は注射器に書かれた患者の氏名を確認せず、医師は准看護師に確認を徹底させなかったとしている。医師は「注射器を確認するよう指導していた」と容疑を否認。女性はその後、別の原因で死亡した。

 医師の書類送検容疑には10年10月~12月、この女性の栄養状態を適切に管理せず、ウェルニッケ脳症を発症させた疑いも含まれている。




医師の講演料、ウェブ公開へ 15.5.27

(2015.5.27 朝日新聞 )

 製薬大手などでつくる日本製薬工業協会の多田正世会長は26日の定例会見で、協会の自主ルールで実施している医師らへの資金提供の公開方法について、一部見直す方針を明らかにした。講演料や原稿料などは、会社を訪問しないと個別の支払額を閲覧できない「来社方式」をとる会社が一部であったが、今年夏にも公開予定の2014年度分からウェブサイトでの公開に統一するという。閲覧できても印刷や保存ができない会社が多いことについては、「統一してやれというのは協会としてはできない」と述べ、これまで通り各社に対応を任せる考えを示した



診療報酬不正請求で鳥栖・歯科医の保険医登録取り消し 15.5.27

(佐賀新聞 2015.5.27 )
 厚生労働省九州厚生局は26日、診療報酬69万円を不正請求したとして、鳥栖市弥生が丘の「えさき歯科」の保険医療機関指定と、院長の江崎智康(えざきともひろ)歯科医(42)の保険医登録を取り消す処分をした。医院は3月末に廃止した。処分後、5年間は再登録できな い。
 九州厚生局によると、江崎歯科医は2013年8月から昨年7月までの間、レセプト(明細書)101枚、患者延べ42人分、68万 5918円の診療報酬を不正、不当請求した。福祉施設の利用者らへの訪問診療で、歯科衛生士だけを行かせて実際に治療していないのに架空請求したり、患者から自由診療の費用を受け取りながら保険診療したと装って診療報酬を二重に請求したりするなどしていた。

 昨年6月、九州厚生局と佐賀県がえさき歯科に個別指導を実施したところ、異なる福祉施設の数人の患者に対し、同じ時間に訪問診療したとするカルテや請求書が複数見つかった。8月から10 月にかけて計4回の監査を実施、江崎歯科医は「収入増のため、故意にやった」と不正を認めた。

 九州厚生局は、5年分をさかのぼって調査する予定で、不正請求の額と件数はさらに膨らむとみている。江崎歯科医が不正に受け取った額を返還する意思を示していることから、刑事告発は見送る方針。



医療保険改革法が成立 負担幅広い世代に求める 国保は都道府県に移管 15.5.27

( 共同通信社 2015.5.27 )
 医療保険制度改革の関連法は27日の参院本会議で、自民、公明両党と維新の党、次世代の党などの賛成多数で可決、成立 した。高齢化が進み、医療費が膨らむ中、制度を持続させるために幅広い世代の負担を見直す内容。本年度から所得の高い現役世代の保険料を増やし、2016 年度には入院時の食費を引き上げ、紹介状なしで大病院を受診した場合には追加負担を求める。

 赤字構造を抱える国民健康保険(国保)は、18年度に市町村から都道府県に運営を移管し、規模を大きくして財政基盤を安定させる。予防や健康づくりに積極的に取り組む自治体には新たに財政支援を強化し、医療の効率化を促す。

 大企業社員や公務員など所得の高い現役世代の保険料負担が増えるのは、75歳以上の医療費を支える支援金の計算方法を変更するためだ。本年度から所得に応じた「総報酬割」で算出する割合を広げ、17年度に全面的に導入する。

 総報酬割を全面導入すると、公費が浮く。この一部を財源にするなどして17年度以降は国保に毎年3400億円を投入する。国保の運営は都道府県に移るが、保険料徴収の実務などは住民に身近な市町村が引き続き担う。

 入院時の食費は原則1食当たり260円から、16年度に360円、18年度に460円に増額するものの、低所得者や難病患者の負担は据え置く。紹介状なしで大病院を受診した場合は、16年度から5千~1万円の追加負担を求める方針。

 保険診療と保険外の自由診療を併用する混合診療を拡大した「患者申出療養」を16年度に創設する。中小企業の従業員らが入る協会けんぽへの国庫補助率は当面の間16・4%を維持する。

 ※国民健康保険

  74歳以下の自営業や非正規雇用、無職の人らが加入する公的医療保険。市町村が運営しており、2013年3月末時点で3466万人が加入している。加入者 の平均年齢は50・4歳と、協会けんぽや健康保険組合、公務員らの共済組合より高く、1人当たりの医療費は31万6千円と、協会けんぽなどの2倍程度に膨 らんでいる。一方、加入者に所得の低い人が増え1人当たりの保険料額が低いため、赤字になりやすい構造を抱えている。運営する各市町村は年間3千億円余り の税金で赤字を穴埋めしている。




服薬歴未記載 ツルハ子会社、42万件に 調剤報酬1億7000万円返納へ 15.5.26

(毎日新聞社 2015.5.26)
 大手薬局チェーン「ツルハホールディングス(HD)」(札幌市)の子会社「くすりの福太郎」(千葉県鎌ケ谷 市)が展開する調剤薬局で、患者の薬剤服用歴(薬歴)を適切にコンピューター管理せずに薬を出していた問題で、ツルハHDは25日、不適切な請求が41万 7000件以上あったとの最終報告書を厚生労働省に提出した。調剤報酬として得た約1億7000万円は、患者や健康保険組合などに返納する。

  健康保険法などは薬歴について、患者ごとに電子システムに入力するなど「適切な管理」を求める一方、薬歴記載までの期限は明示していない。ツルハHDは遅 くとも調剤から1週間をめどに同社の「電子薬歴システム」に記載するよう指導していたが、最終報告書では、薬歴の記載が1カ月以上遅れた場合は自ら「不適 切」と判断。未記載分も含め、調剤報酬(1回につき通常410円)を返納することを決めた。

 ツルハHDは2月、福太郎が展開する関東地方 の調剤薬局で、薬歴の未記載が2013年3月現在、約17万件あったと発表した。最終報告書では未記載と1カ月以上の遅れを合わせると、同月現在で19万 2520件としている。さらに、厚労省の指導で直近1年間(14年2月~15年1月)も調査した結果、未記載3万9494件、1カ月以上の記載遅れ18万 5111件が新たに判明し、計41万7125件になった。

 原因についてツルハHDは、福太郎側に薬歴の重要性の認識が不足していたり、薬剤師の適正配置がないまま出店していたりするなど、適切な組織運営がなされていなかった点を挙げた。さらにHD側の指導監督も不十分だったとしている。

 一方、ツルハHDは25日、福太郎の小川久哉社長(56)が31日付で取締役に降格し、ツルハHD取締役兼専務執行役員を辞任する人事を発表した。ツルハHDの阿部光伸常務執行役員(61)が福太郎の社長に就任する。



41万件で1億7千万円 くすりの福太郎不適切請求 15.5.26

(共同通信社 2015.5.26)
 ドラッグストア大手のツルハホールディングス(HD)=札幌市=は25日、子会社の「くすりの福太郎」(千葉県鎌ケ谷 市)が患者の薬剤服用歴を記録しないまま、不適切に調剤報酬を請求した件数が、少なくとも約41万7千件に上ったと発表した。2月に問題が発覚し、調査し ていた。
 調査結果は厚生労働省に報告した。今後、計約1億7千万円を患者や健康保険組合に返還する。

 ツルハHDは福太郎の小川久哉(おがわ・ひさや)社長(56)を取締役に降格し、後任にHDの常務執行役員の阿部光伸(あべ・みつのぶ)氏(61)を充てる31日付の人事も発表。小川氏は兼任のHD取締役専務執行役員を辞任する。

 ツルハHDは「お客さまや株主に多大なご心配やご迷惑をお掛けした。深くおわびする」とのコメントを発表した。

 薬剤服用歴は患者に出した薬や併用薬の有無などを薬剤師が記録したもの。重複処方を防ぐためで、薬剤服用歴に基づいて患者に薬を出すと「薬剤服用歴管理指導料」が報酬として加算される。

  問題が発覚した当初は2013年2月末時点の件数を概算で約17万件と発表していたが、その後の調査で19万2520件に上った。また、昨年2月からこと し1月までの直近1年間では22万4605件あった。請求件数のうち、社内システムへの入力が1カ月以上遅れたものを「不適切請求」と判断したという。

薬漬け、処方されるまま 13種飲み副作用…86歳救急搬送 医師同士、情報共有せず  15.5.25

(朝日新聞 2015.5.25 )

 医師が処方した多くの薬を患者が飲み続けた結果、具合が悪くなって救急搬送される例が後を絶たない。薬の情報が、医師同士や薬剤師の間で 共有されず、重複したり、飲み合わせが悪くなったりするからだ。厚生労働省は患者が飲む薬を一元的に管理する「かかりつけ薬局」の普及を進めるが、課題も 多い。

 水戸協同病院(水戸市)の救急外来には、薬の副作用で体調を崩した患者が多く運ばれてくる。特にお年寄りが多い。

 同病院に今春まで勤めていた阿部智一医師らが、2013年末までの9カ月間に運ばれてきた85歳以上の高齢者381人を調べたところ、7%が薬の副作用が原因だったという。服薬していた高齢者の7割が5種類以上飲んでおり、最も多い人で22種類飲んでいた。

 めまいや嘔吐(おうと)などの症状で運び込まれてきた女性(86)は、13種類の薬を飲んでいた。そのうち、高血圧薬や利尿薬による副作用が原因とみられた。尿が出なくなったという男性(87)は、不整脈を防ぐ薬の副作用が原因とみられ、12種類の薬を飲んでいた。

 阿部医師は「多くの病気を抱える高齢者は複数の診療科にかかるため、薬が増えやすい。体全体の機能が衰えており、薬の影響が強く出る。体の状態に応じ、常に薬の種類や量を見直す必要がある」と話す。

 兵庫県の30代男性は片頭痛、糖尿病、痛風、高血圧、肥満などの治療で四つの医療機関に通っている。3月、もらった処方箋(せん)を近所の薬局に出したところ、計36種類の薬を渡された。

 精神安定剤、食欲抑制剤、睡眠剤、抗不安薬、痛風治療薬、胃薬……。「効き目がない」と医師が処方をやめたはずの食欲抑制剤が、別の医療機関の医師によって処方されていた。

 薬剤師は薬が多すぎると思ったが、「一度体重を測ってみませんか」と助言することしかできなかった。

 薬剤師は「お薬手帳」で、患者がどんな薬を飲んでいるか把握する。手帳の記録から、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばないことが多い。

 不要な薬の整理に取り組む薬剤師の福井繁雄さんは「医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえないこともある。患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い」と話す。

 在宅患者らの減薬に取り組んでいる、長尾クリニック(兵庫県尼崎市)の長尾和宏院長は「ほかの医師の処方に口を出しづらい。『処方を勝手に変えないで』と、別の病院の専門医から苦情が来ることも珍しくない。患者の薬をまとめて整理する主治医が必要だ」と話す。

  心臓病、糖尿病、認知症などを抱える、尼崎市の松田弘さん(82)は以前20種類の薬を飲んでいた。長尾さんが主治医となり、治療に必要な薬の優先度を見 極めた結果、今は12種類まで減らすことができた。介護する長男充弘さん(57)は「薬を減らしても状態は変わらずに落ち着いている」と話す。

 ■薬剤師が調整役、限界

 厚労省は、患者が不必要に多くの薬を飲む事態を引き起こす要因の一つが、医療機関の前に立ち並ぶ「門前薬局」にあるとみる。患者が複数の病院で診療を受け、それぞれの門前薬局を利用すると患者のすべての服薬状況を把握できない。

 問題を解決するため、厚労省は患者がなじみの薬剤師をもつ「かかりつけ薬局」の普及を進めている。薬剤師が患者の服薬情報を一元管理して不必要な薬を減らせるよう、厚労省は来年度の診療報酬改定に向けて検討を進めている。

 いくつも病気を抱える高齢者が複数の医療機関にかかって重複する薬が処方されても、かかりつけ薬局なら、重複をチェックできる。患者宅を訪ねて、薬の副作用や飲み残しがないかを確認する役割も求める。

 だが、地域医療機能推進機構顧問で、総合診療医の徳田安春さんは「医師と薬剤師が十分情報共有しない現状で、薬剤師だけに薬の調整役を担わせるには無理がある」と指摘する。

 医師が出す院外処方箋には通常病名は書かれておらず、薬剤師は薬から推測したり患者に聞いたりするしかない。情報がないのに薬剤師から医師に薬を減らすよう求めることは難しい。

 徳田さんは「医師同士が連絡を取り、必要なら処方の内容を変えるのが本来の姿。だが、薬を減らす訓練を受けていない医師が多く、教育が欠かせない」と話す。




薬漬け、処方されるまま 13種飲み副作用…86歳救急搬送 医師同士、情報共有せず 15.5.25

(朝日新聞 2015.5.25)

 医師が処方した多くの薬を患者が飲み続けた結果、具合が悪くなって救急搬送される例が後を絶たない。薬の情報が、医師同士や薬剤師の間で 共有されず、重複したり、飲み合わせが悪くなったりするからだ。厚生労働省は患者が飲む薬を一元的に管理する「かかりつけ薬局」の普及を進めるが、課題も 多い。

 水戸協同病院(水戸市)の救急外来には、薬の副作用で体調を崩した患者が多く運ばれてくる。特にお年寄りが多い。

 同病院に今春まで勤めていた阿部智一医師らが、2013年末までの9カ月間に運ばれてきた85歳以上の高齢者381人を調べたところ、7%が薬の副作用が原因だったという。服薬していた高齢者の7割が5種類以上飲んでおり、最も多い人で22種類飲んでいた。

 めまいや嘔吐(おうと)などの症状で運び込まれてきた女性(86)は、13種類の薬を飲んでいた。そのうち、高血圧薬や利尿薬による副作用が原因とみられた。尿が出なくなったという男性(87)は、不整脈を防ぐ薬の副作用が原因とみられ、12種類の薬を飲んでいた。

 阿部医師は「多くの病気を抱える高齢者は複数の診療科にかかるため、薬が増えやすい。体全体の機能が衰えており、薬の影響が強く出る。体の状態に応じ、常に薬の種類や量を見直す必要がある」と話す。

 兵庫県の30代男性は片頭痛、糖尿病、痛風、高血圧、肥満などの治療で四つの医療機関に通っている。3月、もらった処方箋(せん)を近所の薬局に出したところ、計36種類の薬を渡された。

 精神安定剤、食欲抑制剤、睡眠剤、抗不安薬、痛風治療薬、胃薬……。「効き目がない」と医師が処方をやめたはずの食欲抑制剤が、別の医療機関の医師によって処方されていた。

 薬剤師は薬が多すぎると思ったが、「一度体重を測ってみませんか」と助言することしかできなかった。

 薬剤師は「お薬手帳」で、患者がどんな薬を飲んでいるか把握する。手帳の記録から、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばないことが多い。

 不要な薬の整理に取り組む薬剤師の福井繁雄さんは「医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえないこともある。患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い」と話す。

 在宅患者らの減薬に取り組んでいる、長尾クリニック(兵庫県尼崎市)の長尾和宏院長は「ほかの医師の処方に口を出しづらい。『処方を勝手に変えないで』と、別の病院の専門医から苦情が来ることも珍しくない。患者の薬をまとめて整理する主治医が必要だ」と話す。

  心臓病、糖尿病、認知症などを抱える、尼崎市の松田弘さん(82)は以前20種類の薬を飲んでいた。長尾さんが主治医となり、治療に必要な薬の優先度を見 極めた結果、今は12種類まで減らすことができた。介護する長男充弘さん(57)は「薬を減らしても状態は変わらずに落ち着いている」と話す。

 ■薬剤師が調整役、限界

 厚労省は、患者が不必要に多くの薬を飲む事態を引き起こす要因の一つが、医療機関の前に立ち並ぶ「門前薬局」にあるとみる。患者が複数の病院で診療を受け、それぞれの門前薬局を利用すると患者のすべての服薬状況を把握できない。

 問題を解決するため、厚労省は患者がなじみの薬剤師をもつ「かかりつけ薬局」の普及を進めている。薬剤師が患者の服薬情報を一元管理して不必要な薬を減らせるよう、厚労省は来年度の診療報酬改定に向けて検討を進めている。

 いくつも病気を抱える高齢者が複数の医療機関にかかって重複する薬が処方されても、かかりつけ薬局なら、重複をチェックできる。患者宅を訪ねて、薬の副作用や飲み残しがないかを確認する役割も求める。

 だが、地域医療機能推進機構顧問で、総合診療医の徳田安春さんは「医師と薬剤師が十分情報共有しない現状で、薬剤師だけに薬の調整役を担わせるには無理がある」と指摘する。

 医師が出す院外処方箋には通常病名は書かれておらず、薬剤師は薬から推測したり患者に聞いたりするしかない。情報がないのに薬剤師から医師に薬を減らすよう求めることは難しい。

 徳田さんは「医師同士が連絡を取り、必要なら処方の内容を変えるのが本来の姿。だが、薬を減らす訓練を受けていない医師が多く、教育が欠かせない」と話す。




患者の3割寝たきり 慢性疲労症候群の調査で 重い症状、生活に支障も 15.5.18

(配信共同通信社 2015.5.18)

 激しい疲労や睡眠障害が長期間続く「慢性疲労症候群」(CFS)の患者約250人を厚生労働省が調査した結果、約3割 がほぼ寝たきり状態の重症であることが16日、分かった。病名から「怠けているだけではないのか」といった誤解を受けることも多い患者が、日常生活に支障 が出る深刻な症状に苦しんでいる実態が明らかになった。

 研究者によると、CFSの患者は全国に24万~38万人とされるが、明確な診断基準がなく、国も正確な患者数が分かっていない。難病医療法による医療費助成の対象外でもある。厚労省の委託で調査した聖マリアンナ医大難病治療研究セン ターの遊道和雄(ゆうどう・かずお)センター長は「病院を受診できないほどの厳しい状況にある患者の実態が把握できた意義は大きい。医療機関や行政は、支援の在り方を考える土台としてデータを役立ててほしい」としている。

 調査は昨年度に実施。医療機関でCFSと診断を受けた患者251人(男性56人、女性195人、平均41・8歳)に、同意を得た上で調査票を郵送し、電話や訪問による聞き取りも行った。

 その結果、30%が「身の回りのことができず、常に介助が必要で終日寝たきり」「身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で日中の50%以上が寝たきり」と答えた。仕事をしていない人は71%に上った。

  調査時点で半年以上継続している症状(複数回答)は、「肉体的精神的疲労」「疲労回復しない睡眠障害」が88%。「体温調節障害」(79%)や「広範な筋肉痛などの痛み」(78%)も目立った。発症に関与したと考えられる要因を聞いた結果、「感染症」「発熱」「過労・ストレス」などの回答があった。

  困っていることとしては「症状が耐え難い」「専門医がいない」のほか、「社会的孤立」「経済的問題」「病気への無理解」などが挙げられた。手足が不自由などの理由で障害が認められ、身体障害者手帳を持っている患者は14%、障害年金を受給している患者は34%で、十分な福祉サービスを受けているとは言えな い状況も浮き彫りになった。

 ※慢性疲労症候群(CFS)

 日々の暮らしが困難になるほどの疲労感に突然襲われ、微熱や頭 痛、筋肉痛、睡眠障害などが長期にわたって続く症状。詳しい発症要因は分かっておらず、明確な治療法も確立されていない。病名が病態を正確に表していないとの指摘から最近は、欧州やカナダで1950年代から使われてきた「筋痛性脳脊髄炎」(ME)と呼び、併記することもある。




「精神保健指定医」資格 11人、不正取得か 聖マリアンナ15.4.15

(毎日新聞社 52015.4.15)
 聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)の11人の医師が、精神障害のある患者を強制的に入院させるかどうかを 判断する「精神保健指定医」の資格を不正に取得していた疑いがあることが病院への取材で分かった。他にも別の3人の医師が同様の方法で資格の取得を申請中 だったことも判明。厚生労働省は15日に開く医道審議会の資格審査部会に諮った上で、資格の取り消しや停止の処分を検討する。

 厚労省によ ると、指定医は精神保健福祉法に基づき、患者本人の同意なく強制的に入院させる措置や、隔離や身体拘束などの行動制限が必要か判断できる医師の資格。資格 取得には一定期間の実務経験に加え、資格を持つ指導医のもとで自ら診察した入院患者8例以上のリポートを同省に提出する必要がある。2012年3月末で1 万3880人の指定医がいるという。

 しかし、病院によると、11人が提出したリポートには、同じ患者の症例を使った酷似した内容や、自分が担当していない症例を報告した内容が記載されている疑いがあるとされる。2月中旬、同省から「不適正な申請が行われている」との指摘を受け、発覚した。

 病院は調査を継続しているが、指摘を受けた医師については一般外来の初診からは外した。そのため神経精神科では今月から「外来診療および入院病床の確保・維持が極めて困難な状況となった」として診療体制を縮小しているという。

 病院側は「厚労省の(処分の)発表を待ちしかるべき対応を取っていきたい」としてい



薬物乱用 専門治療4割 精神科受診は過去最多 厚労省調査 15.4.15

(毎日新聞社 2015.4.15)
 薬物の乱用が原因で精神科の医療施設に入通院した患者が2014年に過去最多となる一方で、乱用につながる 依存症の専門治療プログラムを受けたことがある人がうち4割にとどまることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。危険ドラッグのまん延などで患者が急増 する中、プログラムの受講割合は過去の調査より低下し、精神科を受診した患者が依存症からの回復機会を十分得られていない実態が浮き彫りになった。

  調査は薬物乱用と精神疾患の関連を調べるため、精神科病床がある全国の医療施設を対象に1987年からほぼ隔年で実施。14年は1598施設を対象に、 9~10月に診察した薬物関連患者の原因薬物などを尋ね、回答があった1201施設(75・2%)1709症例のうちデータに欠損がない1579例を分析 した。

 調査結果によると、症例数、回答率とも過去最高となった。危険ドラッグの乱用で患者が増えたほか、有名歌手の薬物事件で医療施設側の関心が高まったことも影響したとみられる。

  精神科受診の原因となった薬物は▽覚醒剤42・2%(666例)▽危険ドラッグ23・7%(374例)▽処方薬(睡眠薬と抗不安薬)13・1%(207 例)▽シンナー5・7%(90例)の順。前回12年調査と順位は同じだが、危険ドラッグは、初めて調査対象となった前回に比べ症例が2・7倍になり、割合 も7・4ポイント増となった。原因薬物を1年以内に使った1019例に限ると、危険ドラッグ34・8%(355例)▽覚醒剤27・4%(279例)▽処方 薬16・9%(172例)の順となった。前回は1年以内の使用でも覚醒剤が危険ドラッグをわずかに上回ったが、今回は逆転し、危険ドラッグ乱用の急拡大が 裏付けられた。

 一方、医療施設や都道府県などの精神保健福祉センターで、「認知行動療法」と呼ばれ依存症からの回復に効果があるとされる 治療プログラムを受講した経験がある人は37・6%(593例)で、同じ設問があった08年調査(43・0%)を下回った。多くの患者が精神科を受診しな がら、依存症の専門治療を受けていないことになる。プログラムを提供する医療施設が全国で15カ所、精神保健福祉センターも11カ所しかないことが背景に あるとみられる。

 研究責任者の松本俊彦・国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長は「治療プログラムを提供する専門施設からの症例報告が多いため、4割を下回る受講率でさえ実態より高い可能性がある。プログラムは近年少しずつ広がっているが、危険ドラッグの乱用などによる患者の急増に追いついていない。再乱用防止のためにも治療体制の整備は喫緊の課題だ」と話している。




かぜ薬など市販薬の副作用、5年で15人死亡 15.04.08

(TBSニュース2015.04.08)
 かぜ薬など市販されている薬の副作用とみられる症状で、5年間に15人が死亡していることがわかりました。

 消費者庁によりますと、去年10月までのおよそ5年間で、市販されている薬の副作用とみられる発熱や肝臓障害、皮膚のただれなどの症状が出た人は 1225人で、うち15人が死亡していたということです。死亡した人が服用した薬で最も多かったのはかぜ薬で、次いで解熱鎮痛剤となっています。

 市販薬の副作用件数は3年前に厚労省が公表していますが、消費者庁としては、改めて消費者に注意を呼びかけたいとして、最新の状況を公表しました。



子宮頸がんワクチンの後遺症6人 沖縄県内、10年度からことし2月まで 15.3.24

(読琉球新報 2015.3.24)

 2010年度からことし2月までに沖縄県内で子宮頸(けい)がんワクチンを接種した人のうち、22人にけいれんなどの 副作用があり、そのうち6人には重い後遺症があることが分かった。23日の県議会文教厚生委員会(呉屋宏委員長)で、県健康長寿課の糸数公課長が新田宜明 氏(社民護憲)に答弁した。
 同課によると、重い後遺症がある6人は10~12年度に接種した当時13~15歳の中学生ら。腕のまひや歩行障害、全身の痛みなどの症状がある。後遺症のため通学が困難になった事例もあるという。

 国から県に副作用報告がされるようになった13年度以降の報告者数は11人。12年度以前に医療機関に副作用を報告していた人を把握するため、ことし2月に県が市町村に実施した調査で新たに11人が判明した。

 県は医師会と協力し、副作用判断に関する研修会をことし夏にも開くほか、市町村を通じて県民への周知を図る方針だ。




高難度腹腔鏡、死亡率5倍 半数以上が倫理委承認得ず 群馬大、全国平均の17倍 15.3.23

(共同通信社 2015.3.23)
 群馬大病院での腹腔(ふくくう)鏡を使った肝臓切除手術による患者死亡問題を受け、日本肝胆膵外科学会は23日、手術 実績の多い全国約200施設を対象に、腹腔鏡を使った肝臓切除手術の実績調査結果を公表。難易度の高い保険適用外の手術を受けた患者の1・45%が90日 以内に死亡し、保険適用の手術に比べ死亡率が約5倍高いことが分かった。高難度の腹腔鏡手術では、開腹手術を選んだ方が、死亡率が低くなる可能性がある。

 保険適用外の手術をしている施設のうち55%が倫理委員会の承認を受けていないことも判明、術式ごとに倫理審査を受けた上で慎重に実施の可否を判断するよう注意を呼び掛けた。

 群馬大病院では同手術の死亡率が8・60%で、全国平均の0・49%の17・6倍と極めて高く、同学会は学会が認定する訓練施設から群馬大病院を外すことを決めた。

 調査は学会が訓練施設と定めた212施設を対象に1月に報告を求め、207施設から回答を得た。学会理事長を務める千葉大の宮崎勝(みやざき・まさる)教授らが、2011~14年に実施した肝臓、膵臓(すいぞう)などの腹腔鏡手術の症例数や術式別の死亡率などを集計。

  その結果、腹腔鏡下の肝臓切除手術の死亡率は全体で0・49%だった。難易度の高い保険適用外の手術では1・45%で、保険適用の手術の0・27%と比べ 5・4倍高かった。特に難易度が高いとされる胆管切除を伴う肝臓切除手術では41人中4人が死亡し、死亡率が9・76%となった。腹腔鏡を使わない開腹手 術での死亡率は3~5%とされる。調査結果には群馬大病院の回答も含まれており、胆管切除を伴う肝臓切除手術の死亡率を引き上げた可能性がある。

 膵臓切除手術では、全体の死亡率は0・33%で、保険適用内外で、10・8倍の差があった。

 保険適用外手術をする際の倫理委員会による審査については、無回答を除く176施設中、97施設(55%)が実施していなかった。

 ※群馬大病院の患者死亡問題

  2010~14年に第2外科で腹腔(ふくくう)鏡を使った肝臓切除手術を受けた患者8人が、術後4カ月以内に死亡していたことが昨年11月に発覚。40代 の同一の医師が執刀し、病院は今月「8例すべてで過失があった」との検証結果を公表した。この医師が執刀した開腹手術でも過去5年間に10人が死亡し、う ち1人の診断書に虚偽の病名を記載していたことが判明した。厚生労働省は診療報酬の優遇のある特定機能病院の承認を取り消すかどうか審議会で検討してい る。




4論文のデータ改ざん 岐阜大、医師を停職処分 15.3.23

(共同通信社 2015.3.23)
 岐阜大は20日、医学部付属病院の40代の男性医師が発表した論文4本に画像データの改ざんを確認したと明らかにした。論文は既に取り下げられ、岐阜大は19日付で医師を停職6カ月の懲戒処分とした。

 岐阜大によると、医師は2002年7月~04年6月、細胞内の遺伝子の発現方法を解析するため、米国の大学に留学。04~10年に海外の科学誌に発表した研究成果を示す4本の論文で、遺伝子の動きを示す画像データ1枚を切り貼りし、計12枚の画像を改ざんしていた。

 岐阜大の調査の結果、研究成果の内容に影響はなかったという。論文の詳しい内容は明らかにしていない。

 医師は聞き取りに不正を認め「大量の実験を抱えており、成果を出さなければというプレッシャーもあった。作業を効率化したかった」との趣旨の説明をしている。

 12年8月、留学先から岐阜大の研究室に「論文の写真の取り扱い方がおかしい」と情報が寄せられ、調査していた。

 岐阜大の森脇久隆(もりわき・ひさたか)学長は「研究倫理に触れる不正を行ったことは誠に遺憾。各研究者に対して高い倫理性を求め、信頼回復に努める」とのコメントを出した。




高齢者が長期入院「療養病床」患者を削減の方針 15.3.23

(読売新聞 2015.3.23)
 団塊世代が全員75歳以上になる2025年に向け、在宅重視の医療体制づくりを進める厚生労働省は、寝たきりの高齢者らが長期に療養している「療養病床」の入院患者を減らす方針を固めた。

 入院患者の割合が全国最多の県を全国標準レベルに減らすなど、地域ごとに具体的な削減目標を設定する。

 厚労省のまとめでは、人口10万人当たりの療養病床の入院患者数(11年)が最も多いのは、高知県の614人で、山口、熊本、鹿児島県と続き、西日本で多い傾向がある。最も少ないのは長野県の122人で、高知県はその約5倍になる。

 入院患者の多い県は、療養病床の数自体が多い。病院が経営上の理由から、既存のベッドを入院患者で埋めようとしているとの指摘もある。多い県は1人当たりの医療費も高額化する傾向があり、厚労省は是正に乗り出すことを決めた。

 具体的には、2025年をめどとし、全国最多の高知県は、全国中央値に当たる鳥取県(人口10万人当たり213人)程度まで6割以上減らすことを目標とする。高知以外の都道府県も、全国最少の長野県との差を一定の割合で縮めるよう具体的な削減目標を割り当てられる。




食品の検査対象を縮小 放射性セシウム、4月から 15.3.23

(共同通信社 2015.3.23)

 政府は20日、東京電力福島第1原発事故を受け、東北や関東などの17都県が実施している放射性セシウム検査に関し、 対象食品の見直しを発表した。これまでの検査結果を踏まえ、ブロッコリーやウメ、茶などを原則として除外。4月以降、検査が必要な食品は20減り45品 目・類となる。
 牛肉や牛乳は餌などの飼育状況の影響を大きく受けるため、引き続き検査対象とした。牛肉は農家ごとに3カ月に1回程度の検査を実施しているが、飼養管理の適切な実施が確認されれば、12カ月に1回程度に減らせるようにした。

 厚生労働省は見直しの理由を「検査で放射性セシウムが検出されない食品が多くなっているため」と説明している。

 ジュンサイやカボス、キウイフルーツなども対象から外れる。検査対象外でも、自治体は必要に応じて自主的に検査を実施している。

 4月以降も検査対象とされるのは、昨年4月から今年2月までに国の基準値の2分の1を超えたことがある食品など。



造影剤誤使用で在宅起訴 女性医師、業過致死罪 15.3.10

(共同通信社 2015.3.10)

 国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)で昨年4月、造影剤の誤使用で女性患者(78)が死亡した医療事故で、東京地検は9日、業務上過失致死罪で、整形外科に勤務していた飯高世子(いいだか・としこ)医師(30)=新宿区=を在宅起訴した。
 起訴状によると、昨年4月16日、脊髄造影検査で、脊髄への投与が禁止されている「ウログラフイン」を、禁止を確認せずに使用し、死亡させたとしている。

 女性は投与後にけいれんを起こして意識を失い、同日夜に死亡した。

 地検によると、ウログラフインには「脊髄に投与すると重い副作用の可能性があり、使用してはならない」と明記されていた。



腹腔鏡、死亡全8例に過失 群馬大病院が最終報告 診断書にがんと虚偽記載も 15/3/4

(共同通信社 2015.3.4)
 群馬大病院(前橋市)は3日、腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた後に4カ月以内で死亡した患者8人について検証した結果「すべての事例で過失があった」とする最終報告を公表した。

 8例は2010~14年に第2外科の同じ医師が執刀。病院は3日、10年にこの医師が開腹手術して3日後に死亡した患者は当初診断したがんではなかったのに、診断書にがんとうその記載をしていたことも明らかにした。

 最終報告は、第2外科が難易度の高い腹腔鏡手術を10年に導入後、1年未満に患者4人が死亡したことを重視。「死亡例が続いた早期段階で、十分な検証と対応策が立てられるべきだった」と指摘した。

 新たな治療技術を推進する上で診療科の安全確保への配慮が足りず、執刀医らが他からの意見や批判を受けずに閉鎖的な体制を続けたと問題視。「統括すべき診療科長の責任は重大だ」とした。

  群馬大病院は昨年12月、第2外科が術前に必要な検査を十分せず、死亡例の原因もよく検討せずに手術を続けたことが問題だったなどとする中間報告を公表。 最終報告は個別事例を検証し、こうした問題点が「8例すべてで共通に認められた」と、手術と死亡の因果関係を初めて認めた。病院は遺族全員に補償する意向 を示した。

 8例の中には病状から手術が適さなかった例や臓器の縫合がうまくいかなかった例が複数あった。退院後に容体が悪化して受診したのに入院させず、死亡した人もいた。

 同病院では、同じ医師が執刀した開腹手術でも過去5年間に60~80代の男女10人が死亡したことが判明した。

 開腹手術の3日後に死亡した患者は胆管細胞がんと診断されたが、死亡の約10日後に病理検査の結果、がんではなく良性のできものと判明した。執刀医は遺族にすぐに説明せず、生命保険の診断書にがんと記載した。

 医師は「記憶がはっきりしない」と話しているという。病院は2日、診療科長と主治医に、診療などの医療行為を禁止する業務命令を出した。



日野原重明氏肝いりのホスピス、休止へ 定額制で経営難 15.3.4

(朝日新聞 2015.3.4)

 聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏の肝いりでできた日本初の完全独立型ホスピス「ピースハウス病院」(神奈川県中井町、21床)が、今月31日で休止することがわかった。日本での草分けとされるホスピスの休止に、関係者も衝撃を受けている。

 同病院は、他の診療科を持たず、がん患者らの心身の痛みを和らげる緩和ケアのみを行う「完全独立型」のホスピス。1993年、約6億円の寄付を受けるなどして開設された。

 関係者によると、同病院は厳しい経営状況が続いていたという。ホスピスは、入院料が定額制のため、手厚い医療行為をすると、利益が出ないこともあるという。関係者は「独立型は、一般病棟で利益を上げることができないので経営は厳しい」と明かす。

 家族ががんで、同病院の待機者リストに入っていた70代男性の元には、数日前、突然、業務を停止する、という趣旨の手紙が届いたという。「日野原先生を慕って申し込んだのに、突然すぎる」と戸惑う。

  病院のホスピス病棟長の経験もある「めぐみ在宅クリニック」の小澤竹俊院長(52)は「ピースハウスでは、海外から緩和ケアの専門家らを招き研修を開くな ど、質の向上に貢献してきた。そこで学んだホスピス医や看護師は今、全国に散り活躍している。今回の休止は残念だが、その伝統や文化を引き継いでいってほ しい」と話してい

る。

 朝日新聞は3日、ピースハウス病院を運営する「一般財団法人ライフ・プランニング・センター」(東京都港区)に取材を申し込んだが、同センター理事長の日野原氏は秘書を通じ、「多忙で応じられない」とコメントした。



ワクチン会社が「偽装活動」=子宮頸がん、製薬協に申し立て―市民団体 15/2/26

(時事通信 2015.2.26)

 医師や弁護士でつくる薬害オンブズパースン会議は26日、子宮頸(けい)がんワクチンを製造販売するMSDとグラクソ・スミスクライン(GSK)が、啓発団体を偽装したプロモーション活動を行ったとして、両社が加盟する日本製薬工業協会(製薬協)に対し、改善措置を取るよう申し立てた。
 問題となった団体は、子宮頸がんとワクチンの啓発を行う「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」(議長・野田起一郎元近畿大学長)。2008年に発足し、ワクチンの接種勧奨再開を求めて提言やセミナー実施などの活動をしている。
 申立書によると、専門家会議は2012~13年度にMSDから計4000万円、GSKと子会社から計3350万円の寄付を受領したほか、GSKの元部長が11年以降、同社在籍歴を公表せずに講演活動などをしていた。
 オンブズパースン会議は「利益相反の観点から極めて不適切だ。プロモーションの目的で提供された資金による活動でありながら、専門家会議の活動という形を取ることで、製薬協の規定が潜脱されている」と主張している。 



子宮頸がんワクチン推進めぐる寄付、市民団体が調査要求 15/2/26

(朝日新聞 2015.2.26)

 子宮頸(けい)がんワクチンを推奨する専門家団体への製薬会社の多額の寄付は業界団体のルールに違反するとして、市民団体「薬害オンブズパースン会議」は26日、日本製薬工業協会に調査と改善を求めた。製薬協は「会社に事情を聴き、対応を検討する」としている。

 公開情報などによると、ワクチンを製造・販売する製薬大手MSDとグラクソ・スミスクライン(GSK)などは2012~13年度に計7350万円を、産婦人科医らでつくる「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」(野田起一郎議長)に寄付した。

 同会議はワクチンと検診の普及をめざし、啓発活動をしている。オンブズパースンは「活動に賛同しての寄付としては適正額をはるかに上回る。ワクチン接種の推進運動を期待したものと考えられる」と指摘する。

 MSDやGSKは「子宮頸がんを予防しようという専門家会議の趣旨に賛同して寄付した」、野田議長は「会社の販売促進活動ではなく問題ない」という。



東大が教授を厳重注意 白血病薬臨床研究 15.2.16

(共同通信社 2015.2.16)

 製薬会社ノバルティスファーマ(東京)の社員が白血病治療薬の臨床研究に不適切に関わっていた問題で、東京大は13日、研究代表者で同大病院血液・腫瘍内科の黒川峰夫(くろかわ・みねお)教授を文書による厳重注意処分にしたと発表した。

 処分は5日付。黒川教授は「深く反省し、今後は信頼性と透明性を確保した臨床研究に努めたい」とするコメントを発表。給与10分の1を3カ月、自主返納するという。

 東大は、担当だった元講師=昨年末に依願退職=についても文書による厳重注意相当と判断し、本人に通知した。門脇孝(かどわき・たかし)病院長は「当時の体制に不備があった。再発防止策を徹底したい」とし、給与10分の1を1カ月自主返納することにした。

 問題になったのは、ノ社の白血病薬タシグナなどの副作用に関する「SIGN(サイン)」研究。血液・腫瘍内科に置かれた研究事務局から患者情報を含むアンケートがノ社社員に渡ったり、研究の企画段階からノ社が深く関与したりしていた。東大の調査委員会は14年6月の最終報告で「重大な過失があった」と指摘した。




胸腔鏡手術ミス認め和解 横須賀市、4千万円賠償 15.2.16

(共同通信社 2015.2.16)

 神奈川県横須賀市は13日、同市立うわまち病院で2013年に肺の胸腔(きょうくう)鏡手術を受けた同市の男性=当時(59)=が死亡したのは手術ミスが原因だったと認め、遺族に4370万円を支払うことで和解したと発表した。遺族が損害賠償を求め、提訴していた。

 市によると、男性は13年10月15日、胸に穴を開けて小型カメラを入れて行う胸腔鏡で、左肺の腫瘍の切除手術を受けた際、大量出血。同26日に多臓器不全で死亡した。

 手術は40代の女性医師が担当。出血は、腫瘍に癒着していた動脈をハサミ型の器具ではがそうとした際、誤って動脈を傷つけたためだった。

 遺族は14年5月、市と病院を運営する公益社団法人「地域医療振興協会」(東京)に約5千万円の損害賠償を求めて横浜地裁横須賀支部に提訴。今年1月13日、和解が成立した。和解金は市と協会が連帯して支払った。

 県警横須賀署は、業務上過失致死の疑いで任意で捜査している。



治験薬副作用の報告遅れ、米企業 厚労省が改善指示 15.2.14

(毎日新聞社 2015.2.14)

治験薬副作用:報告遅れ 米企業に業務改善指示 厚労省

 C型肝炎治療薬など国内で治験中の薬について国外での市販後に起きた副作用報告が遅れたとして、厚生労働省は13日、米製薬会社「ギリアド・サイエンシズ インク」に対して医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく業務改善指示を行った。再発防止策の提出や副作用報告体制の構築などを指示した。

 厚労省によると、報告が遅れたのはC型肝炎治療薬「ソホスブビル」、血液がん治療薬「イデラリシブ」などの3治験薬。同法は、治験中の患者の安全を守るため、国内外の治験や市販後に起きた副作用に関し、症状に応じて7日または15日以内に厚労相に報告するよう義務づけている。だが今回のケースでは3治験薬で計735例の副作用報告が最大約1年間遅れていた。

 同社は厚労省に対し、報告が遅れた理由について「市販後副作用の報告義務に対する認識が不足していた」と説明している。副作用の報告は既に終えた。報告には死亡例も含まれたが、厚労省は「原疾患が進行していたケースで、治験への影響はなかった」としている。

 同社は抗インフルエンザ薬「タミフル」を開発した会社として知られ、国内で実施した治験は今回の3剤のみ。国内の管理人に委託し、2013年3月から進めている。



子宮頸がんワクチン接種調査、学校生活影響の有無も 名古屋市に被害者の会が要望 15.2.14

(毎日新聞社 2015.2.14)

子宮頸がんワクチン:接種調査、学校生活影響の有無も 名古屋市に被害者の会が要望 /愛知

 子宮頸(けい)がんを予防するワクチンの接種を受けた女性の一部が体のしびれや痛みを訴えている問題で、副作用を訴える団体が13日、名古屋市の岩城正光副市長と面会し、市内で接種した可能性のある女性約7万人を対象に、市が2015年度に実施予定の追跡調査で、学校生活への影響の有無も調べるよう要望した。

 面会したのは、全国子宮頸がん被害者連絡会愛知支部代表の谷口鈴加さん(39)=名古屋市北区=らで、谷口さんの高校2年の長女(16)は、中学時代に子宮頸がんワクチンの接種を受け後、全身が激しく痛み、記憶障害に悩まされるようになった。全日制の高校から通信制への転校を余儀なくされたといい、谷口さんは「他にも学校に通えなくなった人がいるのでは。調査してほしい」と訴える。

 市は、接種の有無を問わず、当時対象の年齢だった市内在住の全女性に調査する方針だ。谷口さんは「副作用を訴えても『精神的なものだ』と指摘されることが多かった。非接種者も調べて症状の有無を比較すれば、因果関係がはっきりするのでは」と期待した。

 岩城副市長は「被害が広がってからでは遅い」と話し、要望を参考に調査内容を練る考えを示した。



「左足切断、処置不十分」、800万円で和解 15.2.14

(毎日新聞社 2015.2.14)

県立病院医療訴訟:南魚沼男性と和解 /新潟

 県は10日、県立六日町病院で左足を手術後、感染症で切断したのは病院側の処置が不十分だったためとして損害賠償を求め提訴していた南魚沼市の70代男性との和解案に合意した、と発表した。和解金は800万円。今月の県議会で承認を求める。

 同病院によると、男性は2009年9月、自宅で作業中、はしごから転落し左膝下を骨折した。傷から細菌が侵入しており同病院で手術後、抗生物質を投与するなどの治療をしたが、広範囲の感染症により同年10月、県立小出病院で左膝下を切断した。

 男性は13年5月、病院側の感染防止処置が不十分だったとして新潟地裁長岡支部に3000万円の損害賠償を求め提訴した。同支部は昨年11月和解案を提示し、12月に男性側が同意していた。



群大病院、肝不全状態で再入院させず…翌日死亡 15.2.12

(読売新聞 2015.2.12)

 群馬大学病院第二外科(前橋市)で肝臓の腹腔ふくくう鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題で、うち1人の70代の患者が退院約1週間後に病状を悪化させて死亡していたことがわかった。

 退院時、肝臓の働きが悪い肝不全状態だったとみられる。その後、患者は体の異常を訴え、救急外来を受診しているが、病院側は緊急入院させず、翌日、死亡が確認された。手術後に続いた不適切な対応が患者の死亡につながった可能性がある。

 同科は2010年12月、肝臓の腹腔鏡手術を導入したが、関係者によると、最初の手術を受けたのがこの患者だった。手術から約3週間後、腹水がたまるなど肝不全とみられる症状があったが、正月を控えた年末でもあり、病院側は患者を退院させた。

 ところが、まもなく容体がさらに悪化し、翌11年の正月休み中に同病院の救急外来を受診。その際、手術を執刀した男性医師はおらず、当直医が対応。腹水がたまり、血液検査の数値もよくなかったが緊急入院させることはなく簡単な処置をして帰宅させた。翌朝、患者は自宅で重体に陥り、群馬大病院に救急搬送されたが、死亡が確認された。




輸液過量、長期投与影響か 女子医大事故、報告書全容 禁忌鎮静剤、男児死亡 15/2/12

(共同通信社 2015.2.12)

 東京女子医大病院で昨年2月、男児=当時(2)=が死亡した医療事故で「鎮静剤の副作用が直接の死因」とした第三者調査委員会の報告書の全容が10日、明らかになった。主治医が指示した手術後の輸液(水分)が過量だったため、気道のむくみが長引いて鎮静剤の長期投与に影響した可能性を指摘。早期にむくみが引き、人工呼吸器を抜管していれば「副作用の発生はなかったと推測される」とした。

 調査委に対し、主治医は「緻密な計算をしなかった」と説明した。

 報告書は、医師間の情報共有不足や、鎮静剤の禁忌使用に関する危機意識の乏しさなど事故の構図を指摘。禁忌薬を選択した判断は「疑義が残る」とし、投与を長期間続けた点にも「合理的な理由は見いだせない」としている。

 男児は昨年2月18日に首の良性腫瘍の手術を受け、集中治療室(ICU)に入った。人工呼吸器を装着、チューブを自分で抜いてしまわないよう鎮静剤プロポフォールを投与された。

 ICUで呼吸器を付けた子どもへの使用は添付文書で禁忌とされるが、報告書によると、ICUの実質的責任者の医師は翌19日までのつもりで投与を決定。19日に呼吸器を抜管できなかった場合の治療方針をICUの医師らと主治医らが共有していなかった。

 男児は首の腫れが引かず、約70時間投与され続け「プロポフォール注入症候群」と呼ばれる重い副作用で21日に死亡した。報告書は「むくみには、いくつかの要因が複合的に関与したと考えられるが、輸液量の決定プロセスは不適切だった」としている。

 報告書は、禁忌使用に関して家族への説明がなかった点や、副作用に対する危機意識が希薄で心電図の異常などへの対応が遅れた点、診療記録に適切な記載がなかったことなどを問題視した。



群馬)手術後、ミス重なり死亡 県が4300万円賠償へ 15.2.10

(朝日新聞 2015.2.10)

 県立心臓血管センター(前橋市亀泉町)は9日、2013年12月に不整脈治療の手術をした県内の60代女性が翌月死亡した医療事故があり、術後の対応ミスで合併症の発症を見落としたことが死亡の原因となったとする調査結果を記者会見して発表した。県は責任を認め、遺族に約4300万円を賠償するための議案を16日開会の県議会に提出する。

 大島茂院長らによると、女性は13年12月、カテーテルを心臓内部に挿入して不整脈の原因の心筋部分を高周波電流で焼く「カテーテルアブレーション治療」を受けたが、翌日早朝に心肺停止状態となり、心臓マッサージで心拍が戻ったものの、脳死状態と診断され、14年1月に死亡した。

 女性は手術終了から約7時間後の午後11時ごろに吐き気などを訴え、血圧も66に低下していた。看護師が吐き気止め薬を注射するなどした後、当直医と主治医に報告し、主治医が輸液と経過観察を指示したが、ともに診察はしなかった。翌日午前5時10分ごろ、夜勤の看護師が心電図モニターの電極パッドが外れ、心肺停止状態の女性を見つけた。心膜と心臓の間に体液がたまる心タンポナーデを発症したとみられる。

 第三者による医療事故調査委員会は、(1)重大な病状悪化を認識できず、的確な病状報告もなされず、当直医も診断を怠った(2)指示系統が外来当直医と病棟当直医に二分され、役割分担があいまいだった(3)電極パッドが外れているのに気づくのが遅れ、その後の対応も迅速さを欠いた、などと調査結果をまとめ、術後の連絡の不備や対応の遅れが死亡の原因と結論づけた。

 大島院長はセンター側の責任を認めて「今後は全スタッフに病状把握や連絡報告に関する再教育を徹底する」などと述べ、県病院局の長尾景茂局長らとともに陳謝した。




薬のカルテ17万件未記載 ツルハ傘下「くすりの福太郎」調剤薬局 13年内部調査時 15/02/10

(朝日新聞 2015.2.10)

 大手薬局チェーンのツルハホールディングス(HD=東証1部上場、本社・札幌市)の子会社が関東地方に展開する調剤薬局で、薬剤師が記録 することを求められている「薬のカルテ」と呼ばれる薬剤服用歴(薬歴)を記載せずに患者へ薬を出していたことがわかった。2013年3月の内部調査で未記 載は約17万件あった。根拠となる資料がないまま、一部で診療報酬を不適切に請求していた疑いがある。▼2面=「いちからわかる」、35面=利益優先で薬歴後回し

 ■診療報酬不適切請求の疑い

 薬歴を適切に管理すれば、薬を出すごとに410円の診療報酬が得られる。朝日新聞の指摘で事態を知ったツルハHDが今年1月に一部店舗を調べたところ、未記載の薬歴を確認したことから「返金や関係者の処分も含めて検討する」と話している。

  この子会社は「くすりの福太郎」(本社・千葉県鎌ケ谷市)。朝日新聞が入手した内部資料によると、福太郎本社は13年3月ごろ、厚生労働省の指導が入ると 想定し、薬歴の記載状況を報告するよう各店舗に指示した。その結果、同月時点で69店舗中48店舗で計17万2465件の未記載が判明。結局、厚労省の指 導はなく、薬歴を適切に管理する体質には改善されなかった。

 調剤薬局の薬剤師は、医師の処方箋(せん)に沿って調剤する際、患者ごとに薬 の効き具合や副作用などを薬歴に記録して保管しなければならない。同じ患者が再び来たらすぐに薬歴を確認しながら調剤し、問題があれば処方した医師に連絡 する。薬歴が未記載だと適切な調剤ができず、患者に健康被害が起きる可能性がある。

 福太郎では、薬を渡す時に薬剤師が患者の状況を紙にメ モし、後でパソコンで管理されている薬歴に詳しい情報を打ち込む手順になっていた。しかしパソコンに入力されないまま、メモが大量に放置されていた。福太 郎関係者は「薬剤師が足りず、薬歴を書く余裕がなかった」と話している。

 化粧品や一般医薬品を販売していたくすりの福太郎は1986年に 調剤薬局を始め、03年の38店から今年1月の87店に拡大。07年にツルハHDの傘下に入った。福太郎は朝日新聞の取材に対し「事態を非常に重く受け止 め、深く反省している」とコメントし、一部店舗を閉鎖して薬剤師を集約するなど、薬歴を書ける態勢を整えるという。

 ツルハHDからすでに報告を受けている厚労省保険局医療課は「より詳細な報告を待ちたい。薬歴未記載での指導例はあるが、これだけ大規模な未記載は初めてだ」としている。

 (沢伸也、風間直樹、丸山ひかり)

 ■存在意義揺るがす

  東京医科歯科大学の川渕孝一教授(医療経済学)の話 医師が処方した薬の副作用などを点検する調剤薬局の存在意義を揺るがす事態だ。患者の健康より営利を 優先させ、診療報酬に見合うサービスを提供していない恐れが高まった。他の薬局でも薬歴を放置している可能性がある。厚労省は薬局の診療報酬をゼロベース で見直すべきだ。

 ◆キーワード

 <薬剤服用歴(薬歴)> 薬剤師が患者ごとに作成する「薬のカルテ」。アレルギーなどの体 質や過去の副作用▽服薬中の体調の変化▽副作用が疑われる症状の有無▽併用薬▽残薬状況▽処方薬や服薬指導の内容――などを記録する。調剤するときに点検 し、健康被害を防ぐ。日本薬剤師会によれば、高脂血症治療薬を処方された患者が、別の医師に処方されていた薬と一緒に併用すると肝機能障害などの副作用が 起きる危険が高いことが薬歴からわかり、医師に連絡した事例があった。



医師から「治療拒否」同意書 がん社会はどこへ 第1部 迷える患者たち/1 2015/2/10

(毎日新聞社 2015.2.10)

がん社会はどこへ:第1部 迷える患者たち/1 医師から「治療拒否」同意書

 「ここにサインをしてもらえますか」

 2013年8月、奈良県内にある公立病院の乳腺外来の廊下。3週間前、この病院で乳がんを告知された玲子さん(68)=仮名=は、看護師からA4判の紙1枚を渡された。

 <今後乳がんに関する□□病院での治療につき自己意思でもって一切受けないことに同意をし、転移・病状の悪化時および緩和治療などの一切の当院での治療については今後受けられないことについても同意するものである>

 今後、病院が玲子さんの乳がんに関する一切の治療を行わないことを明記した同意書だった。文書の末尾に、男性主治医の名前と押印があった。

 3週間前、右乳首からの出血が3日間続き、玲子さんはこの病院の乳腺外科を受診した。診察後、すぐに超音波検査(エコー)を受けたが、主治医は画像を見たまま、「右だけでなく、左にもがんがあります」と淡々と告げた。「両側乳がんで、全摘出手術が必要」と診断されたが、全摘出の理由や詳しい治療方針など十分なインフォームドコンセントはなかった。

 ●方針反対の直後に

 1週間後の再診察。医師は組織検査の結果を告げると、すぐに手術の手続きを進めようとした。日取りもすでに決まっている。拙速な対応に不安を感じた玲子さんは、いったん退室。廊下で夫(68)に相談のメールを送ると、「手術はするな」と返信が届いた。夫と1時間ほどやり取りを続けたが結論は出ず、その日は手術の仮予約だけして帰宅した。

 玲子さんの手術をめぐり、夫や長女(42)、長男(38)、兄弟らが集まり家族会議を開いたが、夫だけが猛反対した。がんの告知後、夫は抗がん剤など従来のがん治療を否定する本を読んでいた。迷った玲子さんは、旧知の乳腺外科の開業医を訪ねた。セカンドオピニオンを受けるつもりではなく、ただ相談しようと思った。開業医はエコー検査後、すぐに手術はせず、経口剤によるホルモン治療で経過観察することを勧めた。

 年齢を考えれば手術は避けたいし、夫の気持ちにも添いたい。開業医の言葉が背中を押した。

 「手術を受けるのはやめようと思います」

 数日後、診察室で玲子さんは主治医に伝えた。夫の反対や、ほかの医師の診察を受けたことも話した。主治医は一瞬、驚いた様子だったが、パソコンに向き直ったまま「廊下で待つように」と言った。

 看護師から同意書を渡されたのは、その直後だった。玲子さんは戸惑いながらもサインに応じるしかなかった。「看護師からは何の説明もなかった。同意書を取られる理由も理解できないまま、気がつけばサインをしていました」

 ●病院に報告なく

 医師はなぜ同意書への署名を求めたのか。

 病院に取材を申し込むと、主治医は退職していた。

 「なぜこんな同意書を取ったのか。当然、患者さんには病院を選び、治療を受ける権利があります」。病院の広報担当者は困惑気味に話す。これまでこうした事例の報告はなかったといい、「主治医は実績のある医師だった。『手術をすれば治癒が見込めるのに、なぜしないのか』と思ったのでは。あるいは別の医師の診断結果を聞かされて腹を立てたのかもしれない。いずれにしても、気の毒なのは患者さんです」と話す。

 告知から約1年半。玲子さんは現在、相談した開業医の治療を月1回受けているが、今のところ進行の兆しはない。病のことは常に頭から離れないが、介護保険認定の審査委員を務めたり、趣味の水彩画や川柳を楽しんだりして過ごしている。

 ●納得できぬまま

 手術をしなかった自分の選択に後悔はしたくない。一日一日を懸命に生きるだけだ。ただ、主治医の対応には今も割り切れない思いを抱えている。「あのとき、私の目を見て丁寧に説明してもらえれば、夫の反対を振り切ってでも手術したかもしれません。医師には患者の気持ちを分かってほしい。寄り添ってもらいたいのです」

    ◇

 日本人が生涯でがんになる確率は、今や男性の60%、女性の45%に上る(2010年調査)。実に2人に1人ががんになる時代となった。新薬や治療法の研究が進み、国もさまざまな対策を講じているが、果たして「患者が主役」のがん医療は実現しているのか。患者がより良い治療を受けるために、今、必要なことを考える。

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 ◇インフォームドコンセント

 患者が納得して治療を受けるため、医師が患者に病状や治療法を十分に説明し、両者の話し合いを経て治療法を決めること。本来は、話し合ったうえでの合意(コンセント)に重きが置かれるが、日本では医師が一方的に治療法を説明するだけ、あるいは説明後、選択は患者に任せる場合が多いのが実情とされる。

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 ◇セカンドオピニオン

 患者が治療を受ける際、主治医以外の医師に意見を求めること。患者は、まず主治医に申し出て、検査結果などの情報を提供してもらう必要がある。日本では2000年代以降、セカンドオピニオン外来を開設する病院が増え、制度として広く知られるようになった。近年は患者の権利として浸透しつつあるが、主治医への遠慮から「言い出しにくい」という患者もまだ多い。




日歯連「迂回献金」内部から批判 責任者「問題ない」15.2.4

(朝日新聞 2015年2月4日09時59分)

(写真・図版日本歯科医師連盟が入る歯科医師会館。石井氏と西村氏の各後援会の事務所所在地でもあり、電話番号や代表者も同一だ)

日本歯科医師連盟(日歯連)をめぐり、法規制をすりぬけるような政治資金の操作疑惑が発覚した。会員の間には、11年前の「ヤミ献金事件」の記憶がまだ鮮明だ。「疑われるような会計処理はもうやめて」。批判も聞こえる。

 「いわゆる迂回(うかい)献金がなされるようではだめ」「『グレーゾーン』はやめましょう」――。今年1月23日、東京都千代田区の歯科医師会館。日歯連の臨時評議員会が開かれていた。組織を代表する石井みどり参院議員を支援する政治団体「石井みどり中央後援会」の資金処理について、出席した評議員が質問した。

 会議録などによると、日歯連の会計責任者は、「法的に問題はない」と述べた。ただ、2012年10月に石井氏を参院選に擁立すると決めたのを念頭に「(13年)7月に選挙という短期間で、金を移さねばならなかった」とも答えた。

 ログイン前の続き一方で、13年に同後援会に渡った計9500万円の使途を朝日新聞が尋ねたところ、日歯連は「資金はすべて後援活動を行うためのもので、選挙資金ではありません」と回答した。

 同後援会の13年の収支報告書によると、日付と使途がわかっている約9160万円のうち、98%が13年の1~8月に使われていた。複数の国会議員秘書は「通常は選挙の翌月まで、後払いの選挙運動の関係支出があるものだ」と話す。使途のうち高額なのは、「支援者名簿データ化」の約1300万円や、約30件の「印刷代」計約3400万円。支出先の一つの印刷会社は「選挙向けの資料類を印刷した」と話した。

 日歯連をめぐっては、04年に発覚した自民党・旧橋本派への1億円ヤミ献金事件などで、党への寄付に見せかけて特定政治家に金が渡る「迂回献金」疑惑が浮上。これをきっかけに政治資金規正法が05年に改正され、政治団体間の寄付に、年間5千万円の上限が設けられた経緯がある。

 今回の問題と「迂回」の構図は違うが、複数の日歯連関係者は「全く反省がない」と組織を批判する。今年1月の臨時評議員会でも「10年前に戻らないように、しっかりと会計処理をしてもらいたい」と警鐘を鳴らす発言があった。

 日本大学法学部の岩井奉信(ともあき)教授は「巨額の献金を抑えようと設けた上限規制には、ほとんど効果が無かった」と指摘。石井氏ら日歯連の組織内候補だった議員の選挙区である参院比例区について、「選挙で当選させるのに多額のお金がかかる実態も浮き彫りになった。ともに制度改正の検討が必要だろう」と話した。(中村信義、関根慎一)

     ◇

 〈日本歯科医師連盟〉 全国の歯科医で組織する、公益社団法人の日本歯科医師会(日歯)を母体とする政治団体。会員数は約5万3千人で、厚生労働省登録の歯科医師の半数が加入する。過去約60年にわたり、参議院選挙のほとんどで全国区や比例区に組織代表を擁立。2007年参院選では日歯常務理事だった石井氏を自民党から、10年参院選では歯科医師の西村氏を政権与党だった民主党から擁立した。13年には再び自民党から石井氏が出た。13年の政治資金収支報告書によると、会員からの会費収入は約10億円。

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