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タミフル:副作用、専門家が分析 重篤化誘因の恐れ11.12.30

(毎日新聞社 2011年12月30日)

 インフルエンザ治療薬のタミフルが、患者25万人に1人程度の割合で、服用後12時間以内に重い呼吸困難など容体の重篤化を引き起こしている可能性があるとの分析結果を、NPO法人・医薬ビジランスセンター(大阪市天王寺区)理事長の浜六郎医師らがまとめ、オランダの医学専門誌「薬のリスクと安全の国際誌」に発表した。

 浜医師らは厚生労働省の公表データに基づき、09年発生の新型インフルエンザで死亡した患者のうち、医師にかかった時点では重篤でなかった161人について分析した。

 タミフルを投与された患者は119人で、うち38人が12時間以内に重篤な状態に陥るか死亡した。別のインフルエンザ治療薬のリレンザを投与された患者は15人で、12時間以内に重篤化や死亡した人はいなかった。

 浜医師らは一方、製薬各社が同省に報告したデータなどから、同時期のタミフル使用者を約1000万人、リレンザ使用者を約700万人と推定。年齢などを考慮して統計的に分析すると、タミフル使用者はリレンザ使用者より死亡率が約1・9倍高く、使用後12時間以内に重篤化か死亡する率は約5・9倍との結果が出たという。

 厚労省医薬食品局安全対策課は「慎重に確認したい」と説明。タミフル輸入販売元の中外製薬は「精査している途中だ」と話している。



生活困窮者支援の戦略策定 特例解消12年度から厚労省 基礎年金50%は消費税 「社会保障と税」11.12.5

(共同通信社 2011年12月5日)
 社会保障と税の一体改革で厚生労働省がまとめた社会保障制度改革案が4日、明らかになった。見直しが求められている生活保護制度では、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しを総合的に行う「生活支援戦略」(仮称)を来年秋をめどに策定することを盛り込んだ。5日に開かれる厚労省の社会保障改革推進本部で正式決定する。

 年金制度では、本来より2・5%高い公的年金支給の「特例水準」を解消する措置を「来年度分から実施する」として、関連法案を2012年の通常国会に提出すると明記した。

 これまで「埋蔵金」などで確保されてきた基礎年金の国庫50%負担は、一体改革で税率が引き上げられる消費税の増収分で財源を確保するとした。

 医療が高額となるがん患者などの負担を軽減する「高額療養費制度」の拡充や後期高齢者医療制度の見直しなどは、12年の通常国会に向け、関係者と協議し、引き続き検討するとした。

 介護職員の給与水準の維持を目的とした、健康保険組合を持つ主に大企業の従業員の介護保険料引き上げについても、12年の通常国会法案提出に向け、引き続き検討するとしている。

 生活保護制度をめぐっては、受給者が205万人を超え過去最多となり、就労支援と連携した対策が求められていた。厚労省案では、生活困窮者の支援実施のために国の中期プランを策定し、生活自立支援サービスの体系化や民間非営利団体(NPO)の育成、多様な就労機会の創出などにも取り組むとしている。




働く世代も「支払い困難」 医療費、雇用環境厳しく 11.12.5

共同通信社 2011年12月5日
 病院でソーシャルワーカーに「医療費の支払いが難しい」と相談した外来・入院患者のうち、20~64歳の働ける世代が57%に上ったことが、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で3日、分かった。

 支払いが困難な理由を「働いているが低収入のため」とした人のうち67%は非正規労働者で、厳しい雇用環境の影響がうかがえる。民医連は「支払いへの不安が、病院での受診をためらうことにつながっている」と指摘している。

 調査は昨年4月から今年3月、民医連に加盟する各地の病院や診療所など189カ所で実施。医療費相談の際、ソーシャルワーカーが3029人から聞き取った内容をまとめた。

 相談した人を年代別に見ると20代が3%、30代が8%と若い世代でも支払いに困っている人がいることが分かった。困難となった理由(複数回答)で多かったのは「低収入」「支出の増加」「失業」など。月収は15万円未満が80%を占めた。

 運送会社に勤務するトラック運転手の30代男性のケースでは、収入の大半が生活費に消え、入院費の支払いが難しいとして相談があった。抗がん剤治療の費用に関しても不安を訴えたほか、男性の妻は手足にしびれがあるのに、医療費を気にして病院に受診していなかったという。

 3日、記者会見した民医連の藤末衛(ふじすえ・まもる)会長は「命に直結する医療にアクセスができない状態。国民皆保険にほころびが出ている」と話した。




生ポリオワクチン「危険」2割認識…不安抱え接種 神奈川の保護者調査 11.12.3

(毎日新聞社 2011年12月3日)
生ポリオワクチン:「危険」2割認識…不安抱え接種--神奈川の保護者調査

 定期予防接種の生ポリオワクチンについて、「危険」と考えている保護者が約2割いることが、通信制の星槎(せいさ)大の細田満和子客員教授(社会学)のアンケートで分かった。回答した約9割の保護者は生ワクチンを子どもに受けさせており、不安を抱えながら接種させている傾向が浮かんだ。

 調査は11月1日から3日間、神奈川県の幼稚園や保育園計3カ所に通う子どもを持つ保護者520人を対象に実施。260人が回答した。

 ワクチンの安全性について、「危険」と答えたのは生ワクチンが19%、不活化ワクチンが1%だった。「安全」は、生ワクチンが34%、不活化ワクチンが42%。接種させたいかとの質問には、「いいえ」が生ワクチンで14%、不活化ワクチンで2%。「分からない」はどちらのワクチンも65%に達した。

 世界保健機関(WHO)によると病原ウイルスを弱毒化した生ポリオワクチンは、100万人に約4人の割合で副作用のまひが発生。ウイルスを無毒化した不活化ワクチンは、副作用によるまひが起こる恐れはないとされている。同県は今月から海外の不活化ポリオワクチンを独自に輸入して予防接種を始める計画だ。

 細田さんは「国や専門家が責任を持ってこの問題に対処すべきだ」と話す。




兵庫・西脇市議会「医療守る条例」可決 県内初、市民に適正受診求め 11.12.3

(毎日新聞社 2011年12月3日)

 西脇市議会は2日開会の12月定例会で、議員提案された「地域医療を守る条例」案を全会一致で可決した。医師や看護師不足などの医療危機克服を目指す理念を定めた条例で、市民には「かかりつけ医」を持ち、安易な夜間診察などを控えるよう求めている。県によると、県内自治体で同様の条例制定は初。

 条文は全7条。市、医療機関、市民の3者が果たす責務を定め、一体となって地域医療を守る方針を掲げた。市、医療機関それぞれの取り組みを規定し、市民にも「医療関係者が限られた体制の中で役割を担っている」と理解を求め、適正な受診を促している。施行は来年4月1日。奈良県、宮崎県延岡市などが同様の条例を制定している。

 条例案提案メンバーで、審議してきた文教民生委の山上武司委員長は「市民の医療への期待は大きい。理念を具体化する取り組みを強化したい」と話した。

 西脇市では医師や市民らが市立西脇病院の医師不足などを懸念。地元医師会のメンバーらが「地域医療検討会」、母親らが「西脇小児医療を守る会」を作るなど、今回の条例を先取りする形の活動を進めている。

 今年3月、市議会に条例制定を陳情した地域医療検討会の主宰者、冨原均医師は「医師、看護師不足の危機は常にある。地域医療を守る正念場なので、条例の内容を市民へ丁寧に伝える活動が不可欠だ」と話した。

〔播磨・姫路版〕




北海道・石狩・違法手術事件 透析患者巡る競争、背景か/北海道 11.12.3

(毎日新聞社 2011年12月3日)

 ◇診療報酬引き下げで苦境

 石狩市の「はまなす医院」で医師免許のない臨床工学技士が人工透析患者に血管拡張手術をしたとされる医師法違反事件。診療報酬の引き下げが続く中、限られた患者を巡って病院間の激しい獲得競争が背景にあると指摘する声がある。同医院はより多くの患者をさばくため、無免許の技士に違法行為をさせていた可能性が指摘されている。

 ◇無免許は常態化?

 院長の工藤謙三容疑者(65)らが逮捕された4日後の1日、通行車両が多い道道沿いに建つ同医院を訪ねた。約15分置きにワゴン車が医院前に横付けされ、運転手が患者を降ろした。透析患者の送迎とみられる。患者らに事件を尋ねると「勘弁して」と言葉少なだった。

 医院の診療科目は人工透析と外科、内科、麻酔科の計4科。常勤医は院長1人で、非常勤の医師は5人。看護師や事務職員も含めて計約40人が勤務していた。

 透析用ベッドは26床ある。逮捕された臨床工学技士の金井敏美容疑者(60)は「透析部長」を名乗っていた。捜査関係者によると、毎年約50件の血管拡張手術のカルテに名前が記載されていた。道警は金井容疑者の手術が常態化していた可能性があるとみているが、工藤、金井両容疑者は「やっていない」などと否認している。道透析医会の大平整爾(せいじ)会長(70)は「血管拡張手術は危険を伴い非常に難しい。医師以外が行うのはとんでもない」と話す。

 ◇患者確保に躍起

 人工透析は週3回で1回約4時間行う。

 道透析医会によると、高齢化に伴い、10年末の道内患者は4年で約1700人増の1万4500人。一方で食事療法などの普及で増加率は鈍っている。

 道腎臓病患者連絡協議会(札幌市)によると、今後は患者が減少に転じる見通しだが、札幌市だけで人工透析を行う病院が約95ある。競争が激しく、同医院のように、送迎サービスなどで患者確保に努めているという。

 ◇病院の経営難も

 また、同協議会によると、人工透析の診療報酬は、国の医療費抑制のあおりで10年間下落。4時間以上5時間未満では、10年は1回2万2350円になり、08年より320円下がった。

 苣木(ちさき)芳三事務局長(64)は「設備投資しても回収が見込めず、患者数に対して医師や透析機器の数が少ない。病院スタッフはお盆も正月もなく働いている」と話す。

 札幌で人工透析を行う病院は「経営は楽ではない。安値の薬を使ったり、仕入れ先と価格交渉をしたりして工夫している」とこぼす。道警は、同医院が人手不足の中で、患者を手放さないために技士が手術を続けた可能性があるとみて捜査している。

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 ■ことば

 ◇血管拡張手術

 シャントPTA手術とも言う。人工透析患者の動脈と静脈を腕の部分で人工的につなぐ血管「シャント」にはこぶができやすく、内壁が狭まりやすい。この患者に対し、風船が付いたカテーテルを挿入して膨らませ、広げる。血流を滑らかにし、人工透析の効率を上げるために行うが、血管を傷つける危険性がある。多くの患者は定期的に拡張手術を受けている。




シンポジウム『みんなの医療基本法』11.10.22開催

シンポジウム『みんなの医療基本法』パンフレット 11.10.22開催

今か今かと誰もがその成立を待ち望んでいる『医療基本法』、その要綱案が市民団体「患者の権利法をつくる会」により作成され発表されます。
このシンポジウムは、同会が設立20周年を記念して開催されます。
“同会設立20年のあゆみと権利運動”についての基調報告のあと、
パネルディスッカッションが各ステークホルダー(各関係者)によって展開されます。

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 「患者の権利法をつくる会」創立20周年記念シンポジウ
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╋■╋   〜みんなの医療基本法〜    
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医療はわたしたちの健康を守り、自分らしい尊厳をもった暮らしや活動を支えてくれる大切なものです。
憲法の保障する幸福追求権、個人の尊厳、生存権は医療あってはじめて意味のあるものになります。その医療が、危うい状況にあると指摘されています。そこには、憲法の理念と医療をつなぐ基本法が欠けているという問題があるのではないでしょうか。
患者、医療者、医療業界、行政を含め、医療の担い手(ステークホルダー)である私たちみんなが,今こそ医療基本法の必要性について、議論し、法制化に向けて一歩を踏み出すべきです。

いっしょに医療基本法をつくりませんか。

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 ■基調報告/小林洋二
      (患者の権利法をつくる会事務局長・弁護士)

 ■パネルディスカッション
 (パネリスト)(五十音順)
 ・伊藤雅治(社団法人全国社会保険協会連合会理事長)
 ・加部一彦(愛育病院新生児科部長)
 ・小西洋之(参議院議員)
 ・桜井なおみ(NPO法人HOPEプロジェクト理事長)
 ・辻純一郎(昭和大学客員教授、医薬品企業法務研究会)
 (コーディネーター)
 ・鈴木利廣(弁護士・明治大学法科大学院教授)

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日程:10月22日(土)/2011年

開場:13:00
開演:13:30〜16:30
会場:明治大学駿河台キャンパス
    リバティタワー1011号教室
    (東京都千代田区神田駿河台1-1(代)03-3296-4545)

主催:患者の権利法をつくる会 
   TEL 092-641-2150  FAX 092-641-5707
   〒812-0054 福岡市東区馬出1丁目10番2号
      メディカルセンタービル九大病院前6階

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医療事故警察捜査事件:臓器売買、医療界の自浄作用で再発防止を 日本移植学会理事会が臓器売買に関し声明を発表 11.8.1

2011年8月1日 m3.com 医療維新

 日本移植学会は7月31日、東京都内で記者会見を行い、理事長の寺岡慧氏が、「腎臓売買に関する理事会声明」を発表した。6月下旬に、腎不全を患った医師が、親族間の生体腎移植を装い、金銭を支払って元暴力団組員から腎臓の提供を受け移植を行ったとされ、臓器移植法違反容疑で逮捕された事件を受けた対応だ。

 声明では、まず本事件を「誠に遺憾である」と指摘、事件の真相が解明され、厳正な対応が行われることを要望すると同時に、学会としても「倫理的かつ違法な移植の根絶」に向けて全力を尽くすとした(記事末尾に全文を記載)。

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(左から、倫理委員長の長谷川友紀氏、理事長の寺岡慧氏、広報委員の湯沢賢治氏)

 学会「再発の抑止力でありたい」

 広報委員の湯沢賢治氏は、今回の理事会声明の背景として、(1)医師がレシピエントである、(2)ドナーは20歳になったばかりで、外来受診後17日後には手術を受けるなど、対応に疑わしい点がある、(3)かつて臓器売買で事件を起こした施設と同施設での移植だった、(4)ドナーに、生体腎移植後に必要な健康管理が行われていなかった、という点を主な理由とし、「絶対に許せない事件で、大変遺憾」とした。

 学会は、再発の「抑止力」となるような活動を展開し、医療界内部の「自浄作用」により、同様の事件の発生を防ぐ考えだ。既に起こった犯罪や、制度をすり抜けて違法に移植を行おうとする確信犯については、国が法に基づく刑罰で抑止すべきとし、学会は「予防策としての抑止」に力を入れる。全体の99%は「真面目に移植医療を行っている善意の施設」であり、また肝移植などレシピエントの時間的余裕がないような移植もあるため、移植の要件を詳細に限定して示すことで本来の移植医療が萎縮しないよう、バランス感覚を持って慎重に検討していきたいという。

 倫理委員会でセカンドオピニオンを

 また、日本移植学会では、倫理委員長の長谷川友紀氏を中心に「倫理指針」の改訂を検討している。これは、当該事件の発生前より予定されていたもので、世界の移植医療の趨勢を踏まえた改訂という。

 長谷川氏は、改訂に当たってのポイントを4つ示した。(1)WHO(世界保健機関)や国際移植学会で近年よく議論されている「生体移植ドナーの保護」の考え方に対応する、(2)小児ドナーを保護する観点から、制限を設けることを検討する、(3)臨床研究を行う際、どのような問題があれば学会倫理委員会に相談したらよいかを示す、(4)現在は移植可能な親族を「血族6親等、姻族3親等」に位置づけているが、意思確認や親族関係の説明、非親族間での取り扱いについて疑念が生じた場合、倫理委員会に相談できることを明確に謳う――だ。

 すなわち、倫理指針の改訂により、「セカンドオピニオンを得る場としての倫理委員会」という位置づけをより強化し、「各施設が移植の可否を判断する際の補完機能」を果たしたいという。以後、倫理委員会での議論を継続、理事会を経て総会での承認を目指している。

 【日本移植学会理事会声明】(201年7月31日付:全文)

 臓器売買による臓器移植は法的にも倫理的にも決して許されないことであり、このたびの腎臓売買による腎臓移植が実施されたことはまことに遺憾であります。腎臓売買による腎臓移植は同一施設において2005年にも実施されており、報道によれば違法行為を隠蔽する目的で養子縁組を行い、また暴力団に仲介を依頼するなど、計画的かつ組織的であり、きわめて悪質な事件と言わざるをえません。

 臓器移植は臓器の提供を前提とする医療であり、臓器の提供には社会の理解と移植医療に対する信頼が不可欠であります。このたびの腎臓売買による腎臓移植は、移植医療に対する社会の信頼を失わせかねないものであり、きわめて深刻な事態であると認識しております。

 移植医療には高い倫理性が求められ、すべての移植医療に携わる者は、日本移植学会に所属するか否かにかかわらず、このことを強く自覚し、国内外を問わず非倫理的あるいは違法な移植、あるいはその疑いのある移植に絶対に関わらないことが求められます。またこのような移植の依頼に対しては、医師個人としてではなく組織として対応することが肝要です。

 このたびの臓器売買による腎臓移植の真相が解明され、厳正な対応がなされることを強く望みます。このことがこのような事件の再発の防止にとって不可欠と考えます。このような非倫理的かつ違法な移植の根絶に向けて、日本移植学会はあらゆる方策をもって全力を尽くす所存です。




医療事故警察捜査事件:04年にもOB再就職要求か 警部、医療過誤捜査中に 11.7.29

2011年7月29日 共同通信社

 警視庁の捜査資料漏えい事件で、地方公務員法違反容疑で逮捕された捜査1課警部の白鳥陽一(しろとり・よういち)容疑者(58)が、東京都目黒区の病院で発生した医療過誤事件を捜査していた2004年、当時の院長(76)に警視庁OBの再就職を持ち掛けていたことが28日、分かった。

 元院長は受け入れなかったが「捜査に手心を加えてもらえるかもしれないと思った」と振り返っており、警視庁は当時から白鳥容疑者が捜査側の立場を利用して医療機関にOBを送り込もうとした疑いがあるとみて、詳しい経緯を調べている。

 元院長によると、白鳥容疑者は事情聴取の際に「これから患者とのトラブルも増えるだろう。警察OBを雇うべきだ。そうしている病院はうまくいっている」と切り出し、「適切な先輩がいるが年俸600万円でどうか。それ以下はだめだ」などと迫ったという。

 この病院では01年5月、医師が腸閉塞(へいそく)の女性=当時(78)=に内視鏡検査をする際、腸閉塞患者に使用できない腸内洗浄剤を使用し、女性が死亡。警視庁が04年11月に投薬ミスがあったとして、業務上過失致死の疑いで医師と元看護師の計3人を書類送検した。元院長らもうその報告書を作成したなどとして、同12月に虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検されたが、起訴猶予処分になった。

 警視庁によると、白鳥容疑者は品川美容外科による医療過誤事件で捜査責任者を務めていた昨年3月、同外科に働き掛けてOBの中道宜昭(なかみち・のりあき)容疑者(53)ら2人を顧問として再就職させていた。



医療事故警察捜査事件:漏えい容疑警部、別の病院にもOB再就職要求か 11.7.28

2011年7月28日 読売新聞

 警視庁捜査1課の捜査資料漏えい事件で、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された同庁捜査1課警部・白鳥(しろとり)陽一容疑者(58)が2004年8月、当時、医療事故で捜査対象になっていた東京・目黒区内の病院の院長(当時)に事情聴取する際、同庁OBの再就職を持ちかけていた疑いがあることがわかった。

 病院側は断ったが、院長は「捜査に手心が加わるかもしれないと感じた」としており、同庁は当時の経緯についても詳しく調べる方針。

 この病院は、01年5月に大腸の内視鏡検査で死亡した女性患者(当時78歳)を巡って、同庁が捜査に乗り出し、白鳥容疑者らが事件を担当。事情聴取を受けた当時の院長(76)は、同容疑者から、「これからは病院も警察関係者を雇うべき」「いい先輩が1人いるから、年俸600万円でどうか。それ以下はダメだけど」などと言われたという。




医療事故警察捜査事件:警部、再就職要求か 医療過誤事件の捜査中 11.7.26

2011年7月26日 共同通信社

 警視庁の捜査資料漏えい事件で、地方公務員法違反容疑で逮捕された捜査1課警部白鳥陽一(しろとり・よういち)容疑者(58)が、品川美容外科の医療過誤事件を捜査中、同外科幹部に対して警視庁を退職後の再就職を暗に求めていたことが25日、捜査関係者などへの取材で分かった。

 また、年収1千万円で同外科に再就職する希望を周囲に漏らしていたとされ、警視庁は定年まで約2年となった白鳥容疑者が、医療過誤事件の捜査を指揮する立場を利用し、同外科への好待遇の再就職を画策した疑いもあるとみて調べている。

 捜査関係者などによると、白鳥容疑者は捜査1課で一貫して医療過誤事件などを担当してきた「業務上過失事件のエキスパート」で、医療界に顔が利くとされる。

 白鳥容疑者は、医療過誤事件の捜査開始後の昨年3月には同外科に働き掛け、警視庁が正式に再就職をあっせんしたOBの顧問2人を系列の眼科などに異動させ、元警部の中道宜昭(なかみち・のりあき)(53)と石原三八一(いしはら・みやかず)(61)の両容疑者を送り込んだ。

 さらに漏えい発覚直前の今年2月には、都内で同外科幹部と会食した際に「もう疲れた。残りの刑事人生も少ない」などと話し、暗に自身の退職後の同外科への再就職を要求したという。




医療事故警察捜査事件:「刑事の魂どこへ...」 捜査の"第一人者"逮捕 11.7.25

2011年7月25日 共同通信社

 「刑事の魂は、どこに行ったんだ」。品川美容外科の医療過誤事件に絡む捜査資料漏えい容疑で22日、警視庁捜査1課の警部白鳥陽一(しろとり・よういち)容疑者(58)ら3人が逮捕された。白鳥容疑者は数々の医療ミスや航空機事故などの捜査を手掛けた"業務上過失事件の第一人者"だ。本当に捜査対象に情報を流したのか-。ある捜査幹部は「信じられない...」と嘆いた。

 ▽自身も再就職?

 「あんなOBを雇ってると病院がつぶれるぞ」

 品川美容外科で脂肪吸引手術を受けた女性=当時(70)=の死亡から約1カ月後の2010年1月。病院関係者によると、白鳥容疑者は飲食店で同外科幹部にすごんだ。

 警視庁は既に業務上過失致死容疑で同外科を家宅捜索し、白鳥容疑者は捜査の責任者だった。捜査対象と酒席を共にすること自体、異例だ。

 当時、同外科には警視庁OB数人が再就職していたが、会食後間もなく、OB数人は系列の眼科に移るなどし、代わりに入ったのが後輩の中道宜昭(なかみち・のりあき)容疑者(53)と、石原三八一(いしはら・みやかず)容疑者(61)。

 「白鳥容疑者がねじ込んだ」。周囲はそう受け止めていた。

 今年3月。同外科に対する再捜索で捜査資料の流出が発覚。白鳥容疑者は直前の2月、病院幹部と食事した際「おれの刑事人生も残り少ない」と漏らしたと関係者は明かす。自身も同外科に再就職しようとしていた可能性がある。

 ▽陣中見舞い

 OBとの癒着で摘発された警察官は少なくない。奈良県警警部補らが01年、運送会社に再就職したOBへの情報漏えい容疑で書類送検。07年には、風俗店への家宅捜索に関する捜査資料を元上司に渡した疑いで愛知県警巡査長が逮捕された。いずれも先輩後輩のゆがんだ構図が浮かび上がる。

 ある警視庁OBは現役時代、葬儀会社に再就職した先輩から変死体の発見情報を教えるよう持ち掛けられ、見返りにビール券を渡されそうになった。「営業のため必要なのだろうが、絶対に手を染めないようにした」

 OBが「陣中見舞い」としてビール券などの"手土産"を持って古巣を訪れるのは日常茶飯事だ。「『事件はどうなってるんだ?』なんて聞かれたら、ある程度話さざるをえない」という。

 ▽おごり

 そもそもなぜ病院が警察OBを雇うのか。同外科関係者は「警察とのパイプ役がいれば医療事故の際にカルテの提出など捜査協力の段取りが付けやすい」とメリットを明かす。ある捜査員は「警察OBはクレーム対応で重宝される」と説明。治療費の支払い拒否や不当な金銭の要求に対し、警察OBの渉外担当は適材適所とみられている。

 「こいつらはスペシャリスト。任せておけば安心だ」。中道、石原両容疑者の再就職から約1カ月後。高級料亭で白鳥容疑者は同外科の職員を前に渉外担当となった両容疑者を指し言い放った。

 情報漏えい絡みの不祥事は従来、汚職事件を扱う捜査2課や暴力団を担当する組織犯罪対策課に多かった。殺人捜査が中心の捜査1課には無縁とみられてきたが、企業が対象となる業過事件は捜査の性質が違う。

 高い専門性が必要とされる捜査陣の中でも、白鳥容疑者の経験の豊富さは際立っていた。その結果、白鳥容疑者に意見できる人が周囲に少なくなったとみる警視庁幹部も。「これぐらいの資料を渡しても捜査に支障はないというおごりがあったのではないか」



医療事故警察捜査事件:品川美容外科事件の警部、執刀医の逮捕回避主張 11.7.25

2011年7月25日 読売新聞

 警視庁捜査1課の捜査資料漏えい事件で、品川美容外科側に捜査資料を流したとして地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された同庁捜査1課警部・白鳥陽一容疑者(58)が今年1月頃、同外科池袋院で起きた医療事故について、執刀医を逮捕せずに書類送検にとどめるよう、捜査本部内で主張していたことが捜査関係者への取材でわかった。

 白鳥容疑者は同外科側から複数回にわたって飲食接待を受けており、同庁で詳しい経緯を調べている。

 同外科池袋院では2009年12月、脂肪吸引手術を受けた前田京(みやこ)さん(当時70歳)が手術の2日後に死亡した。

 前田さんの内臓には傷があったことから、同庁は尾久署に捜査本部を設置し、手術の際に吸引管で内臓を傷つけたのが原因とみて、業務上過失致死容疑で捜査を進めていた。白鳥容疑者は当時、医療事故の捜査を担当する捜査1課特殊犯捜査3係長で、捜査現場を指揮する立場だった。

 捜査関係者によると、事故から約1年がたった今年1月頃、捜査本部では、執刀医の堀内康啓被告(38)を逮捕する方針が検討されていたが、白鳥容疑者は、脂肪吸引手術には技術的な指針がないことなどを挙げ、「手術中の過失は問えない」として、逮捕するのではなく、書類送検にとどめるべきだと主張したという。

 白鳥容疑者は当時、同外科に再就職していた同庁OBの元警部中道宜昭容疑者(53)から、東京都内の料亭のほか、千葉県野田市のすし店やスナックなどで繰り返し飲食接待を受けていた。同庁は、白鳥容疑者が接待の場などで同外科側の意向を聞き、執刀医の逮捕に慎重論を述べた可能性があるとみている。




医療事故警察捜査事件:家宅捜索情報も漏えいか 逮捕の警部、病院側OBに 書類、データ廃棄証言も 11.7.25

2011年7月25日 共同通信社

 捜査資料漏えい事件で、警視庁に地方公務員法違反容疑で逮捕された捜査1課警部白鳥陽一(しろとり・よういち)容疑者(58)が3月、自らが指揮した医療過誤事件に絡む品川美容外科(東京)への家宅捜索の情報を、OBの元警部で同外科顧問だった中道宜昭(なかみち・のりあき)(53)と石原三八一(いしはら・みやかず)(61)の両容疑者に漏らしていた疑いがあることが22日、捜査関係者への取材で分かった。

 家宅捜索の日程や対象となる同外科の関係先などを知った中道容疑者らが書類の廃棄やパソコンのデータ消去などを指示していたと証言する同外科関係者もおり、警視庁は組織的な証拠隠滅が行われた疑いもあるとみて捜査している。

 また、白鳥容疑者が医療過誤事件の捜査を始めた直後に、中道、石原両容疑者の再就職受け入れを同外科側に迫っていたことも判明。同外科は昨年3月、要求通りに2人を受け入れており、白鳥容疑者が捜査責任者の立場を利用し、圧力をかけるなどした疑いがあるため警視庁は再就職あっせんの経緯を調べている。

 捜査関係者などによると、白鳥容疑者は2009年12月、同外科で脂肪吸引手術を受けた女性=当時(70)=が死亡した業務上過失致死事件を受けて関係先を家宅捜索するなど捜査に着手した。

 今年3月9日には同外科への2回目の家宅捜索を行ったが、この再捜索の直前に白鳥容疑者が日程や対象施設などの情報を中道容疑者らに伝えた疑いがあるという。

 一方、白鳥容疑者に送り込まれるような格好で昨年3月から同外科の顧問になった中道容疑者らは「打ち合わせ」などと称して、同外科の経費で白鳥容疑者を都内の高級料亭などでたびたび飲食接待。白鳥容疑者は中道容疑者らの働き掛けを受けて捜査資料を漏えいした疑いが持たれている。



アクトス学術ニュース

・FDA アクトスの使用上注意に膀胱がんのリスクを追記 (11/06/17)
 http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/40942/Default.aspx
・アクトスでPMDAがコメント 患者の判断で服用中止さけるべき (11/06/13)
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/40919/Default.aspx
・フランス医薬品庁 アクトスの処方一時中止を命じる (11/06/10)
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/40916/Default.aspx
・高用量シンバスタチンでラベル改定  FDA (11/06/10)
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/40914/Default.aspx



アクトスの膀胱がんリスク問題でEMA 最終判断を7月に持ち越し 11.6.24

2011/06/24 ミクス

欧州医薬品庁(EMA)は23日(現地時間)、チアゾリジン系経口糖尿病治療薬・アクトス(一般名・ピオグリタゾン、武田薬品)服用による膀胱癌発生リスクの評価について、最終判断を7月に持ち越すとの声明を発表した。

アクトスについては6月9日、フランス保健製品衛生安全庁(Afssaps)が、国内でのレトロスペクティブ解析結果から服用患者での膀胱癌リクス上昇するとの判断から、同薬とメトフォホルミンの合剤の新規処方差し止めを通達。翌10日にはドイツの連邦医薬品医療機器庁(BfArM)も同様の通達を出した。EMAのヒト医薬品委員会(CHMP)は、これらを受けて20日からEU全域での今後のアクトス使用の影響について評価を行っていた。

声明では、CHMPはフランスの疫学データによればアクトス服用で僅かながら膀胱癌のリスクが上昇することを示しているとしたが、この分析には方法論的限界もあると指摘。現在入手可能な全てのデータを含めた流れでの総合的な検討が必要との見解を示した。

そのうえで糖尿病・内分泌科学諮問グループに対して、7月上旬にアクトスによる膀胱癌リスク上昇の是非とリスクの最小化対策を検討するよう要請。その検討結果を待って最終判断を行うとの方針を表明した。 なお、フランスの疫学データは、当局が国内の保健データベース(SNIIRAM)内の約150万人の糖尿病患者(40~79歳)のうち、06~09年のデータを用いて行った膀胱癌発症率比較のレトロスペクティブな疫学研究・CNAMTSの全体解析に基づくもの。

同研究によると、アクトス投与患者約16万人では、非投与患者約133万人に比べて、ハザード比1.22で膀胱癌の発症率が有意に高い結果が得られている(95%CI:1.05-1.43)。




アクトス 膀胱がんリスクを使用上の注意に追記 11.6.24

2011/06/24

厚労省・薬事食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は6月23日、ピオグリタゾン(製品名:アクトス、ソニアス配合錠、メタクト配合錠、武田薬品、6月24日薬価収載予定の後発品)について、当面の対応として、膀胱がんのリスクについて、添付文書の使用上の注意に追記すると発表した。フランスや米国で実施された疫学研究データなどに基づいて判断した。

添付文書の改訂案では、これまで関連記載のなかった“重要な基本的注意”に追記する。

「海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究において、本剤を投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加するおそれがあり、また、投与期間が長くなるとリスクが増える傾向が認められている」とした。

その上で、▽膀胱癌治療中の患者には投与を避けること。特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること▽投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与すること。また、投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状を認めた場合は、直ちに受診するよう患者に指導すること▽本剤投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合は、適切な治療を行うこと。また、投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと――の3項目を追記する。

また、“その他の注意”として、これまでにラット及びマウスへの経口投与で、膀胱腫瘍がみられたことが記載されていたが、海外での疫学研究データを追記。「海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究の中間解析で、全体解析では膀胱癌の発生リスクに有意差は認められなかったが(ハザード比1.2[95%信頼区間 0.9-1.5])、層別解析で本剤投与期間が2年以上で膀胱癌の発生リスクが有意に増加した(ハザード比1.4[95%信頼区間 1.03-2.0])。また、別の疫学研究で、本剤投与患者において、膀胱癌の発生リスクが有意に増加し(ハザード比1.22[95%信頼区間 1.03-1.43])、本剤投与期間が1年以上で膀胱癌の発生リスクが有意に増加した(ハザード比1.34[95%信頼区間 1.02-1.75])」とした。

◎必要に応じた追加の対策も検討 欧米の対応踏まえ

このエビデンスとなっているのが、フランス、米国での疫学研究のデータ。「わずかであるが、アクトス使用者において、投与期間に依存して膀胱癌の発生リスクが上昇する可能性がある」と判断し、添付文書の改訂に踏み切った。ただし、「疫学研究における限界も踏まえて、慎重にリスク評価をすべきである」とした。実際、膀胱癌のリスクをあげないとする疫学研究なども複数報告されている。

また、使用上の注意の改訂に伴い、医師から患者へのリスクに関する説明用資材を製造販売業者から提供するなどの対応を求めた。そのほか、米国で継続して実施されている前向き疫学調査の結果や欧米当局の評価を含め情報収集を行い、必要に応じ、追加の対策を検討するとしている。

同剤のリスクをめぐっては、フランス・ドイツの規制当局が新規処方をしないよう通達したほか、米国では、添付文書や患者さん向け説明文書の改訂を予定している。

なお、同剤は2009年度の年間推定使用患者数は約132万人。日本人の膀胱癌の年齢調整罹患率は、10万人当たり12人(男性)、白人では10万人当たり20人程度とされている。




2型糖尿病治療薬(アクトスなど)の【ピオグリタゾン】、膀胱癌患者除き継続‐厚労省が方針決定 11.6.24

2011年6月24日 薬事日報

 厚生労働省は24日、2型糖尿病治療薬「塩酸ピオグリタゾン」について、膀胱癌治療中の患者への投与を控えるよう、添付文書の改訂をメーカーに指示した。フランスと米国で行われた疫学研究で、膀胱癌の発生リスクが高まる傾向が認められたが、発癌の中心が高齢者ら長期服用者だったため、薬事・食品衛生審議会安全対策調査会が、糖尿病治療の効果を優先し、活動性膀胱癌患者以外には投与開始前に患者へ十分な説明を行った上で、定期的に尿検査で観察しながら投与を続けるべきと判断した。

 今回の取り扱いは当面の措置で、厚労省は医薬品医療機器総合機構や学会と協議して調査報告書をまとめる方針で、必要に応じて追加の対策を検討する。

 対象となるのは、武田薬品のアクトス、ソニアス配合錠、メタクト配合錠のほか、後発品を含むピオグリタゾン製剤の全て。

 ピオグリタゾンをめぐっては、今月9日にフランスが、武田薬品のアクトスの新規処方の差止めを発表し、ドイツもこれに続いた。米国は15日に膀胱癌患者へのアクトス使用の中止を決めた。

 これを受けて、23日の安全対策調査会で対応を検討した。その結果、フランス、米国とも、大規模データベースによる長期研究から、統計的にはリスクが高まる可能性が否定できなかった。ただ、「共通するのは投与期間が長くなるとリスクが増えるということ」「長期投与への警鐘を鳴らす方が先にあるべき」と、米国と同じ結論に至った。また、尿検査による観察が、糖尿病患者では「日常診療の範囲内で行える妥当な処置」と考えた。

 今後は、メーカーがリスクに関する情報提供資材を配布して、医療現場の混乱を避けながら、原則使用を続ける。投与中に血尿、頻尿、排尿痛などの症状が出たら直ちに受診するよう患者へ指導することも、添付文書に加える。

 なお、欧州医薬品庁は、欧州医薬品評価委員会(CHMP)の月次会議で、ピオグリタゾン製剤投与による膀胱癌の発症リスク増加の有無について、継続して検討していく方針を公表した。有効性や安全性データの評価を行い、7月のCHMP月次会議で、最終的な意見を採択する。




B型肝炎「国の責任」…和解協議合意書に明記  11.6.24

 乳幼児期の集団予防接種の注射器使い回しで感染したとして、患者や遺族らが全国10地裁で国に損害賠償を求めたB型肝炎訴訟の和解協議が24日、札幌地裁で開かれ、国、原告双方が基本合意書の内容について最終確認した。

 基本合意書には、国の謝罪内容をはじめ、感染被害拡大の原因を究明する第三者委員会と、B型肝炎患者らの恒久対策を検討する協議会を新設することが盛り込まれる。

 合意書の調印式は28日、厚生労働省で行われ、その後、菅首相が官邸で原告ら約100人を前に直接謝罪することでも合意。過去最大規模の医療訴訟は最終局面を迎える。

 合意書では、注射器の使い回しで被害が拡大したことや2006年の最高裁判決で国の責任が確定したにもかかわらず、その後、国が救済策を実施しなかった経緯を説明。そのうえで国と原告が先に合意した救済対象者の認定基準や、症状に応じて支払われる3600万~50万円の和解金額が盛り込まれる。

 謝罪の内容には、被害者に甚大な被害を生じさせたことや、被害の拡大を防止しなかったことについて、国としての責任を明記。

(2011年6月24日 読売新聞)




「悲劇繰り返さず」と首相 ハンセン病で厚労省に石碑 11.6.22

2011年6月22日 共同通信社

 国の隔離政策で差別や偏見にさらされながら亡くなったハンセン病患者や元患者を追悼する式典が22日、厚生労働省前で開かれ、らい予防法が廃止された1996年に厚生相だった菅直人首相が「二度とこのような悲劇を繰り返さないよう約束したい」と述べた。

 細川律夫厚生労働相や元患者らも出席。菅首相は法が廃止された当時を振り返り「患者や家族に筆舌に尽くしがたい苦しみを与えたことを陳謝し、深く反省した。その思いは今も全く薄れず、私の心に刻まれている」と強調した。

 式典では、患者への追悼や国の反省の言葉を刻んだ石碑も除幕された。碑には国策によって患者らが受けた苦痛や苦難について「深く反省し率直におわびする。無念の中で亡くなられた方々に哀悼の念をささげ、問題の解決に向けて全力を尽くす」と記されている。

 22日は2001年にハンセン病補償法が施行された日で、10周年に当たる。患者らの慰霊と名誉回復のため、厚労省が09年から毎年この日に式典を開催している。

 厚労省には薬害エイズを国が反省した「誓いの碑」も建立されている。




B型肝炎訴訟:首相、原告に謝罪へ 11.6.22

2011年6月22日 毎日新聞社

 国の集団予防接種を巡るB型肝炎訴訟で、菅直人首相が今月末にも首相官邸で原告と面会し、被害拡大を防げなかった国の責任を認めて直接謝罪する方針であることが分かった。24日に札幌地裁で行われる和解協議で、和解条件などを定めた基本合意書を原告と国が最終確認した上で、28日にも細川律夫厚生労働相と原告・弁護団が基本合意書に調印し、その後、菅首相が謝罪する方向で政府内で調整を進めている。

 今後5年間で1兆1000億円が必要と試算されている和解金の支払いについて、「特別な財源を措置する」という政府の対応方針についても同時に発表する方向で調整中。政府内では、臨時の所得税増税などの案が浮上している。

 全国10地裁で700人以上が提訴しているB型肝炎訴訟は、1月と4月に札幌地裁が、発症した患者1人当たりに国が最大3600万円を支払うなどとする和解案を提示し、原告と国の双方が受け入れを表明。原告が求めている医療体制の整備などの恒久対策や、国との協議機関設置などについて協議している。



共通番号制、医療情報を厳格に保護 大綱案が判明 11.6.22

2011/6/22 日経新聞

 政府が6月末にまとめる社会保障と税の共通番号の「大綱」案が明らかになった。個人に配布する番号を記載したICカードは、住民が申請した場合に市町村長が交付する仕組みとし、有効期限は5年とする。個人の病歴などの医療情報については流出した場合の影響が大きいため、特別法を制定して厳格に保護することを明記した。
 大綱は今秋にも国会に提出する番号法案(仮称)の骨格で、6月末までに政府・与党の社会保障改革検討本部で決定する。
 共通番号は国民や法人に番号を割り振る仕組み。納税や年金、医療に関する手続きが簡単に済むなど行政サービスの向上が期待される。番号は2014年6月に個人や法人に交付。15年1月以降、利用を開始する予定だ。大綱では番号を使う分野として年金、医療、介護、福祉、労働保険、税務の6つを挙げた。
 ただ共通番号を巡っては、個人情報の流出や不正利用への懸念も根強い。このため、独立性が高い第三者機関を設け、行政機関などを監督させる方針。大綱では第三者機関の委員長や委員は「独立して職権を行う」ことを明記した。



80歳超の高齢者ではPWVが1年後の認知機能低下と関連 11. 6. 21

2011. 6. 21 日経メディカル

 学会ダイジェスト:第21回欧州高血圧学会  2011年6月17日~20日 Milan, Italy

認知機能障害の予防は公衆衛生上の重大な課題であり、認知機能障害と動脈硬化度の関連性はこれまでも指摘されてきた。しかし、平均年齢71歳の高齢者を5年間追跡したRotterdam Studyでは、動脈硬化度の指標の1つである脈波伝播速度(PWV)と認知機能の間には相関は認められず、また80歳を超えた集団における検討は行われていなかった。そこで、80歳超の高齢者を対象にしたPARTAGE Studyが実施され、フランスUniversity Hospital of NancyのGhassan Watfa氏が研究グループを代表し、6月18日からミラノで開催された第21回欧州高血圧学会(ESH2011)で、PWVは認知機能低下と関連していたことを報告した。

 PARTAGE Studyの目的は、80歳を超える高齢者を2年以上追跡し、末梢血圧および中心血圧、動脈硬化度を用いて全死亡、主要心血管イベント、認知機能低下が予測できるかどうかを検討することである。今回は、PWVが1年後の認知機能低下に及ぼす影響について検討した結果が発表された。

 対象は介護施設で生活する80歳超の高齢者で、除外基準は以下の通り。認知機能を評価するMini Mental Status Examination(MMSE)スコアが30点中12点未満の者、日常生活における活動度(ADL)を評価するKatz Indexスコアが6点中2点未満の者、後見人がいる者、法的保護下にある者。

 フランスおよびイタリアから1113人が登録された。そのうち2回の認知機能テストを完了した873人を解析対象とした。

 解析対象者の年齢は88歳、女性比率は79%で、MMSEスコアは23.7、認知症の既往例は16%であった。心血管リスク因子の保有率は糖尿病15%、脂質異常症26%、現在および過去の喫煙習慣20%、高血圧既往73%であり、高血圧の治療中は95%を占めた。なお登録時の血圧は138/73mmHg(平均血圧94mmHg)、cfPWVは14.4m/秒であった。

 ベースラインのcfPWVで対象を3群に分け(3群の平均cfPWVは順に9.6 m/秒、13.5 m/秒、20.1 m/秒)、平均血圧や年齢、教育水準、ADLスコア、ベースラインのMMSEスコアで補正した上で、1年間のMMSEの変化率を比較した。その結果、cfPWVが高いほどMMSEの低下量は大きかった(P<0.03)。一方、ベースラインの血圧値でも同様に3群に分けて検討したが、MMSEの変化量と有意な関連性は認められなかった。

 本研究の限界として、認知機能の評価はMMSEだけで行ったこと、追跡期間が1年間と短かったことを挙げた。その一方で強みとして、介護施設入居者の大規模集団を対象としたこと、動脈硬化の非侵襲的マーカーとしてPWVを用いたことを挙げ、2年間の追跡は既に完了しており、5年後までの追跡も検討していることを明らかにした。

 Watfa氏は、「本研究の対象は高齢で脆弱な集団だが、この結果が背景の異なる他の集団にもあてはまるかどうかについては検証が必要である」と指摘。また、以上の結果を踏まえ、「PWVは認知機能低下と関連しており、超高齢者では認知機能低下のリスクを評価する有用な方法である」と、同氏は結論した。さらに、認知機能障害や認知症の発症に血管障害が関与していることが再確認されたことから、「超高齢者の認知機能障害の予防戦略を開発する上で有用な知見が得られた」と述べた。




統合失調症など精神疾患、元患者が復帰サポート…兵庫 11.6.17

2011年6月17日 読売新聞

近畿初、洲本で本格導入

 統合失調症などで入院している患者の社会復帰を、同じ経験を持つ元患者が支援する「ピアサポーター」(仲間による支援)制度を、兵庫県洲本健康福祉事務所と洲本市の新淡路病院・地域生活支援センターが連携し、近畿で初めて本格導入した。

 半年余りで5人が社会復帰。治療を終えた後も退院できない「社会的入院」の解消に加え、元患者の自立につながると期待されている。

 淡路島内には、3病院に統合失調症の患者約60人がおり、同事務所が昨年夏、サポーターとなる元患者を募集し、9人が応じた。

 9人のサポーターは昨秋以降、対人関係のうまくない患者の社会復帰を助けるため、作業所やグループホームなどの見学や買い物などの外出に付き添う。自らの復帰体験も語り、患者からは「同じ病気だった人の言葉は心強い」と好評だ。

 今後、サポーターが定期的に病院に出向いて患者らに退院を促し、退院後の移動には運転手を務めるなどの支援も計画。27日には今年度の養成講座を開く。

 サポーターには時給800円の報酬を支給。統合失調症の入院歴がある男性(45)は「人の生きる手助けをすることで、自分にも励みができた」と、生きがいにもつながっている。

 洲本健康福祉事務所は「入院より社会復帰を求める時代。元患者のサポートは、入院患者を減らすことにもなる」と期待する。

 国立精神・神経センター精神保健研究所(東京)によると、国内の精神病床の入院患者数は約31万6000人(2007年)。経済協力開発機構(OECD)の調査では、病床数で諸外国の3-20倍に上る。

 サポーター養成のノウハウはまだ普及しておらず、精神疾患の分野で導入する病院は、厚生労働省の調査では、2009年度で全国11か所にとどまっている。

 ❖ピアサポーター 身体障害者や難病患者の「友の会」、自殺者の「遺族会」などがある。精神疾患患者にかかわる元患者は、養成講座で精神保健福祉士ら専門家から研修を受けた上でサポーターになる。




臓器移植: 小児医療施設の虐待判断、常時対応は1施設 「平日昼のみ」が大半 11.6.16

2011年6月16日 毎日新聞社

 改正臓器移植法が10年7月に全面施行され、脳死臓器提供が制度上可能になった小児総合医療施設のうち、虐待の有無を判断する「虐待防止委員会」を24時間体制で整えている施設は1割に満たないことが、厚生労働省研究班(研究代表者、有賀徹・昭和大教授)の全国調査で分かった。ほとんどの施設は平日昼間のみの体制で、夜間や休日に虐待に絡む小児患者への緊急対応ができていない実態が浮かび上がった。

 調査は10年12月、小児専門の高度医療を提供する日本小児総合医療施設協議会員28施設を対象にアンケート形式で実施。13施設(回収率約46%)から回答を得た。その結果、12施設が委員会を設置していたが、「24時間365日対応」と回答したのは1施設だけで残りは平日の昼間のみだった。

 重症患者の転院先となる小児総合医療施設では、入院後に虐待の事実が判明する場合や、虐待を受けた入院患者の容体が急変し、親の同意を得ずに緊急手術を行う場合など委員会の緊急招集が求められるケースがある。

 調査を担当した聖隷三方原病院(浜松市)の医師、岡田真人院長補佐は「日常的に委員会が機能していなかったことで見過ごされていた虐待は多いと考えられる。臓器提供に限らず各病院で24時間対応の委員会の開催を前提にした医療体制を構築するのが当然」と強調する。

 今回の調査は、15歳未満の小児の脳死臓器提供を可能にした改正臓器移植法の全面施行を受け、新しい「臓器提供施設マニュアル」を作成するために実施。改正法の運用指針では、虐待を受けた疑いのある18歳未満からの臓器提供を禁止するとともに、虐待防止委員会の設置を求めている。新マニュアルはこの指針と調査を踏まえ、日常的に委員会を設置している施設のみの臓器提供の実施を認めている。



規制緩和反対で54万人署名 医薬品のネット販売めぐり 11.6.16

2011年6月16日 共同通信社

 インターネットで販売できる一般用医薬品(大衆薬)の種類を規制緩和で増やすかどうか政府が検討している問題で、日本薬剤師会など3団体は15日、対面販売でなければ健康被害を招くとして緩和に反対する54万278人分の署名を集めたと発表した。

 参加団体は薬剤師会のほか、全国薬害被害者団体連絡協議会、全国消費者団体連絡会で、署名の時期は2~5月。3団体は同日、「一般用医薬品でも重い副作用が起こることがあり、専門家の指導の下で使う必要がある」として緩和しないよう求める要望書を厚生労働省などに提出した。

 厚労省によると、ネット販売ができる一般用医薬品は、原則として副作用の危険が低い「第3類」のみ。政府の行政刷新会議は、安全性の確保を条件に規制緩和を検討すべきとしている。




武田の糖尿病薬の処方停止 仏規制当局 11.6.14

2011年6月14日 共同通信社

 武田薬品工業は13日、主力製品の糖尿病治療薬「アクトス」と「コンペタクト」について、フランスの医薬品の規制当局が新たな患者への処方を取りやめるように決めたと正式に発表した。

 当局の調査で、アクトスなどを服用した患者は、ぼうこうがんの発症率が服用していない患者に比べて高かったため。ただ、当局は、服用中の患者は医師に相談をせずに服用を中止してはならないと指示したという。

 武田薬品は日本国内でもアクトスを販売していて、国内での販売は継続する方針。薬に添付する文書にぼうこうがんの危険性が高まる恐れがあると記載する方向で、厚生労働省と協議しているという。




20%の世帯で家族がケア 介護者の連盟が調査  11.6.10

2011年6月10日 共同通信社

 5世帯のうち1世帯の割合で、介護が必要だったり、病気や障害を抱えたりする親や子どものケアを家族がしており、健康面などで負担を感じていることが9日、家族介護者を支援する全国ネットワークの「ケアラー連盟」の調査で分かった。

 ケアの負担について「かなり」「非常に大きい」とする人は計23%。心身の不調や、仕事を辞めるなどして経済的な不安を訴える声が目立った。

 調査は昨年8月から12月にかけ、北海道と東京、新潟、静岡、京都の5都道府県で実施。回答した1万663人のうち、家族らの介護や看病、世話に無償で当たっている人は20%の2075人で、女性が67%を占めた。

 ケアする相手の人数については、「1人」が最も多い73%だったが、「2人」が18%、「3人以上」が3%と、1人で複数の人をケアしているケースが20%超あった。

 ケアしている期間では、「5~10年未満」が22%で最も多く、次いで「1~3年未満」(20%)「3~5年未満」(15%)の順。10年以上と答えた人も、計23%いた。



腎臓売ってiPad2購入 中国の高校生、体調悪化 11.6.9

2011年6月9日 共同通信社

 【香港共同】米アップルの多機能端末「iPad(アイパッド)2」を買うため、中国安徽省の高校1年の男子生徒(17)が臓器ブローカーに自分の腎臓を売っていたことが分かった。広東省の深☆衛星テレビが8日までに報じた。生徒の体調は少しずつ悪化しているという。

 iPad2がどうしても欲しくなった生徒は4月下旬、腎臓が高く売れると知り、インターネット上で広告を出していたブローカーに連絡を取った。湖南省の病院に連れていかれ、腎臓を片方摘出された。

 3日間の入院の後、2万2千元(約27万円)を受け取り、iPad2や同社の携帯電話iPhone(アイフォーン)を購入。高価な物を持ち帰った経緯を母親に問い詰められて発覚した。警察に届けたが、ブローカーは連絡が取れなくなっていた。

 同病院の手術室には臓器摘出の設備はないという。病院は「手術室は外部に貸すことがあり、どんな手術があったか分からない」としている。中国では臓器移植を望む多くの患者がいるが、ドナー不足で闇ルートでの臓器売買が横行している。

注)☆は土ヘンに川




入院長期化に懸念の声 事件契機の医療観察法 11.6.8

2011年6月8日 共同通信社

 池田小の児童殺傷事件を機に2005年、殺人や放火などの重大事件を起こし、心神喪失などを理由に刑務所に収容されなかった人物に対し、強制的に医療を受けさせる心神喪失者医療観察法が施行された。最近の国の研究で入院期間の長期化が明らかになり、関係者は「隔離傾向が強まる恐れがある」と懸念している。

 厚生労働科学研究班の09年度の研究成果によると、入院中も含めた対象者776人の平均入院期間は推定740日と2年を超え、厚労省が運用方針で示した「1年半」を大きく上回った。約2割は千日を超えるとも予測され、長期入院者が平均日数を押し上げている形だ。

 医療観察法は入院の期限を定めておらず、1年半を目標として掲げているだけ。一方、法案審議の段階から日弁連が「必要以上に長期間入院させられる恐れがある」と反発するなど、犯罪行為の危険性がある人物を隔離する「保安処分」につながらないように厳格な運用が求められている。

 宅間守(たくま・まもる)元死刑囚は人格障害と診断され、判決も完全責任能力を認めて死刑を言い渡した。人格障害は「性格の偏り」とされ、責任能力を認めるケースが大半だ。当時、医療観察法があったとしても適用対象外だった。

 しかし、実際には病気と\x87\x80誤診\x87≠ウれ、医療観察法の入院を命令されるケースがあり、十分な治療効果が得られず入院長期化の一因になっていると指摘する声がある。

 医療観察法に詳しい伊賀興一(いが・おきかず)弁護士は「法は速やかな社会復帰を目指しているはずなのに、変質したと取られても仕方ない。システムの不備がないか点検する必要がある」と指摘している。




東電の2人250ミリシーベルト超え 事故対応の上限線量突破 同様環境に130人 11.6.6

2011年6月6日 共同通信社

 福島第1原発事故で作業した東京電力の男性社員2人が多量の内部被ばくをした問題で、同社は3日、2人の外部被ばくと内部被ばくを合わせた線量が、今回の事故で設定された上限の250ミリシーベルトを超えたと発表した。被ばく線量は30代社員が約284~654ミリシーベルト、40代社員が約289~659ミリシーベルト。

 診察した放射線医学総合研究所(千葉市)は「甲状腺の機能低下など人体への確定的影響は考えられず、治療や投薬の必要はない。今後は一般の人と同様に、がん検診を受けてもらう」としている。2人は現在、福島第2原発で働いている。

 東電の松本純一(まつもと・じゅんいち)原子力・立地本部長代理は「2人以外にも250ミリシーベルトを超えた可能性はある」と認め、事故対応の作業に伴う被ばくの深刻さが浮き彫りになった。同様の環境で作業した人は、1~4号機で計約130人いるという。

 内部被ばくの線量は、放射性物質を事故発生直後の3月11、12日に全量を体内に取り込んだ場合に最大となり、11~31日に平均的に取り込んだ場合に最小となる。来週中に放医研で再度、線量を測定するほか、2人の行動を調べて取り込んだ時期を絞り込み、線量を確定させる。

 2人は3、4号機の運転員で、3月11日から中央制御室や免震重要棟、屋外などで作業。13日に、甲状腺への放射性ヨウ素の取り込みを防ぐヨウ素剤を服用していた。東電はその後の服用やマスクの着用状況などを調べている。

 緊急時作業の被ばく線量の上限は100ミリシーベルトだが、厚生労働省は今回の事故対応に限り上限を250ミリシーベルトに引き上げた。




カルテなし提訴「残された時間ない」鹿児島県内患者ら救済求め 薬害C型肝炎訴訟 11.6.1

2011年6月1日 毎日新聞社

 ◇鹿児島地裁

 カルテがないことを理由に薬害肝炎救済法に基づく給付金が支給されない県内のC型肝炎患者らが、31日に鹿児島地裁に起こした集団訴訟。提訴後、原告団は「国と製薬会社の責任を社会に訴え、一律救済を求めて闘っていく」と決意を語った。【黒澤敬太郎】

 原告の1人、川野絹子さん(62)=鹿屋市=は原告団を代表して声明を読み上げ「救済法の期限が残り約1年半となった今も多くの患者が救済されずにいます。患者には残された時間がありません」と早期救済を求めた。

 川野さんは74年、長男の出産時に30時間以上かかる難産となり、大量に出血した。その際にフィブリノゲンを投薬された可能性が高いという。88年ごろから体調不良となり、通院するようになった。約10年前に肝硬変を患い、医師から「C型肝炎です」を告げられた。だが当時のカルテは廃棄されており、当時の医師もすでに死亡し、投薬を証明することができなかった。

 一時はカルテがなく投薬の証明が難しいことから救済をあきらめかけたが、他県で同じ境遇の患者が裁判で闘っていることを知り「自分も闘志がわいてきた」という。

 現在は肝硬変から肝がんとなり、入退院を繰り返している。6月上旬から抗がん剤投与のため、再び入院するという。「今は国を恨む気持ちはない。お金ではなくて元気がほしい」と切々と訴えた。

 弁護団長の増田博弁護士は「全国に最低でも1万人いる患者のほとんどはカルテが残っておらず、救済されていない。厳格な証明が必要となれば、薬害肝炎救済法は何のためにできたのか。患者を救うためにできた法律の意味がなくなる」と話した。




[社会保障] どの分野でも効率化は必要、社会保障も聖域ではない  財相 11.6.1

2011年6月1日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

野田財務大臣閣議後記者会見の概要(5/31)《財務省》

  野田財務大臣が5月31日に行った、閣議後記者会見の概要。この日は、税と社会保障の一体改革についてコメントしている。

 記者から社会保障の効率化について「小泉政権時代の社会保障の切り詰めにつながるようなイメージで国民の理解も得にくい、与党内の理解も得にくいのではないか」という問い対して、財相は、「どの分野も効率化は必要だということは皆分かっているのではないでしょうか。聖域化は出来ないというふうに思う」と答え、社会保障の効率化を進めるスタンスを明言している(p3参照)。

  また、震災復興と社会保障財源については、「特定の財源の話、復興の話はまだしていない」と述べ、消費税率引上げについてはコメントを避けている(p1-p3参照)。
(野田財務大臣閣議後記者会見の概要/5月31日)
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201106_1/1549_9_1.pdf




携帯電話、がん危険性も 限定的とWHO組織初指摘 長時間の本体接触避けて 11.6.1

2011年6月1日 共同通信社

 【ジュネーブ共同】携帯電話の電磁波とがん発症の関連性について、世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は31日、「聴神経腫瘍や(脳腫瘍の一種である)神経膠腫(こうしゅ)の危険性が限定的ながら認められる」との調査結果を発表した。WHOの組織が携帯電話に関して発がん性を指摘したのは初めて。

 国際がん研究機関は危険性の数値化はしておらず、「(最終的な結果を得るためには)今後、携帯電話の長時間使用について調査を続ける必要がある」としている。同機関の分類では、電磁波による発がんの危険性について得られている証拠の確実性は、鉛やコーヒーと同じ部類に入るという。

 当面の対策としては「(耳に触れずに)携帯電話のメールを使うなど直接電磁波に触れないような使用方法が重要だ」と指摘。なるべく携帯電話本体に触れる時間を短くするよう提案した。

 国際がん研究機関は、1日30分間、10年以上使用を続けている場合、神経膠腫の発症危険性が1・4倍になるとした過去の研究結果を紹介。

 発がん性の評価については(1)臨床的に十分な実証がある(2)臨床的には限定的な実証しかないが、動物実験では十分な実証がある(3)動物実験でも実証が十分とはいえない-といった段階分けをしており、今回は(3)に分類されるという。

 国際がん研究機関は昨年5月にも、日米欧など世界13カ国で脳腫瘍患者と健康な人、計約1万3千人を対象とした最大規模の調査結果を発表。この時点では「携帯電話の使用が脳腫瘍の発生の危険を増やすとは認められない」としていた。

 今回の調査は、過去の欧米での研究、動物実験などを14カ国、31人の研究グループが検証した結果をまとめた。近く医学専門誌に掲載される。

※電磁波と健康

 携帯電話が発する高周波電磁波の健康への影響については国内外で研究が進められている。発がんリスクが高まると指摘する研究者もいるが、明確な結論は出ていない。米国立衛生研究所(NIH)は2月、携帯電話を耳に当てて使用すると周辺の脳細胞のエネルギー消費が活発になるとの研究結果を発表する一方、健康に悪影響があるかは不明とした。電化製品や高圧送電線が出す超低周波電磁波の人体影響については世界保健機関(WHO)が2007年、「小児白血病との関連が否定できない」として各国に法整備を呼び掛けた。




契約50億人、被害を懸念 イヤホン利用でリスク減 11.6.1

2011年6月1日 共同通信社

 【ワシントン共同】携帯電話から出る電磁波が健康に悪影響を及ぼすかどうかの結論は出ていないのが実情で、悪影響があるとする説も因果関係を立証した研究はない。国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)ががんの危険性を指摘したのは、携帯の契約者が世界で50億人に上り、確定的な研究結果が判明してから警告するのでは被害が大きくなる恐れがあると判断したためだ。

 体から離して携帯を利用することで、人体が浴びる電磁波は非常に小さくなることから、同機関は、結論が出るまでの予防的措置として、イヤホンとマイクが一体となったヘッドセットを利用することを勧めている。

 さまざまな物質の発がん性を評価している国際がん研究機関の分類では、電磁波による発がんの危険性について得られている証拠の確実性は、鉛やクロロホルム、コーヒーと同じ部類に入るという。

 同機関のクリストファー・ワイルド博士は、因果関係をめぐる結論を出すために「携帯を毎日長時間利用する人の健康状態を長期間かけて調べていくことが重要だ」と訴えている。




タミフル、若い脳に入りやすい…サルで実験 11.5.25

2011年5月25日 読売新聞

 インフルエンザ治療薬タミフルは、幼いサルの脳に取り込まれやすいことを、理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市)と東京大のチームが実験で明らかにした。

 ネズミでは同じ傾向がみられたが、人に近いサルでも確認されたことで、子供への投与のあり方を巡り議論を呼ぶ可能性もある。米放射線医学誌6月号で発表する。

 体内での薬の動きを観察できる陽電子放射断層撮影(PET)装置を使い、タミフルを投与したアカゲザルの脳内濃度を調べた。

 人間なら10歳未満の生後9か月のサルは、5-6歳(人間の成人相当)のサルと比べ、投与してから20秒後に平均2・5倍濃度が高まった。人間なら10歳代の2歳のサルも2倍濃度が高くなった。脳に取り込まれるスピードを解析すると、9か月-2歳のサルは大人の1・3倍速いこともわかった。




「イレッサ」訴訟をめぐり 厚労次官、局長ら8人処分 声明文案「メディア対策」11.5.25

2011年5月25日 共同通信社

 肺がん治療薬「イレッサ」の訴訟をめぐり、厚生労働省が裁判所の和解勧告を批判する声明文案を作成し、日本医学会などに渡した問題で、厚労省は24日、間杉純(ますぎ・じゅん)医薬食品局長と医薬担当の平山佳伸(ひらやま・よしのぶ)審議官、室長ら2人の計4人を訓告、阿曽沼慎司(あそぬま・しんじ)事務次官と課長3人の計4人を厳重注意の処分としたと発表した。

 同日公表した調査報告書では、和解勧告に批判的な声明を出すよう学会に働き掛けたこと自体は「和解勧告の受諾に積極的なメディア対策で、通常の職務の範囲内。不当な影響力を及ぼしたとは認められない」としたが「文案提供は過剰なサービスで学会の意思決定に介入したことになる。公務員として行き過ぎた行為だった」とした。

 報告書を受け、イレッサ訴訟の弁護団は厚労省で記者会見し「裏に回って世論を誘導しようとした行為を『通常の職務の範囲内』と言う感覚が全く分からない。結論ありきの報告書で、外部の人を入れた再調査が必要だ」と批判した。

 厚労省によると、今年1月の東京、大阪両地裁の和解勧告を受け、間杉局長らが対応を協議。平山審議官や室長が「勧告は日本の医療の進展を阻むような内容だ」とする文案を作り、日本医学会など3学会に提供した。

 厳重注意の阿曽沼次官ら4人は監督責任を問われた。同省は3月に検証チームを設置し経緯を調べていた。




がん誤診で胃の大半摘出 東芝健保に賠償命令 11.5.20

2011年5月20日 共同通信社

 東芝の健康保険組合が運営する相模原市の東芝林間病院で胃がんと診断され、胃の約5分の4を摘出した後、がんではなかったことが分かったとして、同市の女性(54)が組合側に約2670万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、約1260万円の支払いを命じた。

 判決理由で今岡健(いまおか・けん)裁判長は、担当医は手術前の総合診断で、胃がんと確定できる所見があるか再検討すべき注意義務を怠り手術に踏み切ったとし、「適切に再検討すれば手術は回避されたと推認され、注意義務違反と手術との間に因果関係が認められる」と判断した。

 判決によると、女性は2006年7月、別の病院で胃粘膜の異常を指摘され東芝林間病院で受診、その後の検査で胃がんと診断された。9月に入院し手術を受けたが、摘出された胃からはがん細胞が見つからず、消化吸収障害が残った。




米医療費、13年後に枯渇 税収低迷や高齢化で 11.5.16

2011年5月16日 共同通信社

 【ワシントン共同】米政府は13日、医療保険と公的年金の基金に関する年次報告書を発表、景気回復の遅れによる税収の低迷や高齢化に伴う医療費の膨張で、現行の高齢者医療保険(メディケア)制度は、従来の試算より5年早い13年後の2024年に資金が枯渇するとの見通しを示した。

 公的年金についても1年早い36年に枯渇すると予測。オバマ政権と野党共和党は、医療費を含む歳出の大幅削減をめぐり政治的な駆け引きを続けており、協議の行方に影響を及ぼしそうだ。

 記者会見したガイトナー米財務長官は「改革が遅れれば一段と大きく困難な調整が必要になる」とし、医療保険と公的年金の抜本改革を急ぐべきだと強調した。

 報告書は、ベビーブーマー世代の大量退職や出生率の低下で社会の高齢化が進み、医療と年金のコスト増を招いていると指摘。「現在の資金計画は持続可能でない」と制度破綻を警告した。

 オバマ政権は昨年、米国民に保険加入を原則義務付ける医療保険改革法を成立させた。制度撤廃を要求する共和党の主張通り保険収入が伸び悩み、財政支出が拡大すれば、高齢者医療や年金の資金繰りは一段と困難になる可能性がある。




iPS細胞で拒絶反応 再生医療への応用に課題 米チーム、マウスで確認 11.5.16

2011年5月16日 共同通信社

 【ワシントン共同】マウスの体細胞から作った新型万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を元のマウスに移植すると、遺伝情報は同じはずなのに、免疫細胞が異物を攻撃する拒絶反応が起きるとの研究結果を米カリフォルニア大サンディエゴ校のチームが13日、英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。

 iPS細胞はさまざまな細胞に分化でき、患者の体細胞から作れば本人に移植しても拒絶反応は起きないと考えられていた。研究チームは「そうした考え方は再検討する必要がある」としており、体の失われた機能を回復させる再生医療への応用に向け、新たな課題になる可能性もある。

 研究チームは、マウスの線維芽細胞に2種類の方法で遺伝子を導入しiPS細胞を作製。遺伝情報が同一の別のマウスに、このiPS細胞を移植した。数週間後、マウスの体内でiPS細胞からできた組織で細胞が壊死(えし)するなど、免疫細胞による拒絶反応が起きていた。2種類の遺伝子導入法のいずれでも同様の結果だった。
 これらの組織では、いくつかの遺伝子が過剰に働いており、それが原因で拒絶反応が起きた可能性があるという。

 一方、このマウスの受精卵から作った胚性幹細胞(ES細胞)を移植した場合は、拒絶反応は起きなかった。
 研究チームは「今回の結果は、iPS細胞が医療に利用できないことを示すものではない。iPS細胞から分化してできる細胞のうち、どの細胞が拒絶反応を引き起こすのかを調べることが重要だ」としている。

※iPS細胞

 皮膚などの分化した体細胞に外部から遺伝子などを導入して初期化し、さまざまな種類の細胞になる能力を持った人工多能性幹細胞。京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授が2006年にマウスで、07年に人間での作製成功を発表した。神経や筋肉、血液などに分化させた例が報告され、再生医療、病気の原因解明、新薬開発などへの利用が期待されている。受精卵を壊して作る別の万能細胞「胚性幹細胞(ES細胞)」に比べ、iPS細胞は倫理的問題は少ないとされるが、がん化などの懸念があり安全性向上が課題となっている。




中高年女性へのカルシウム投与が心血管イベントリスク上昇に関係 (WHI CaD Studyの再分析などによる結果) 11.5.13

BMJ誌から 大西 淳子=医学ジャーナリスト

 骨粗鬆症の予防と治療に、ビタミンDとカルシウムまたはカルシウムのみを含むサプリメントが広く用いられている。だが、ニュージーランドAuckland大学のMark J Bollan氏らが行ったメタ分析で、中高年の女性のカルシウム使用が、骨折予防効果を上回る心血管イベントリスク上昇をもたらす可能性が示された。論文は、BMJ誌2011年4月30日号に掲載された。

 著者らは先に、高齢の健康な女性を対象とする5年間の無作為化試験Auckland Calcium研究を行い、カルシウムサプリに割り付けられた女性に心血管イベントリスクの上昇が見られると報告していた。その後、中高年女性対象のカルシウムサプリ(ビタミンD併用なし)に関する無作為化試験のメタ分析を行い、カルシウムサプリの使用が心筋梗塞リスクを有意に上昇させることを示した。だが、ビタミンDを併用した場合の心血管リスクへの影響は明らかではなかった。

そこで今回著者らは、Women's Health Initiative Calcium/Vitamin D Supplementation Study(WHI CaD Study)のデータの再分析と、それらデータを組み入れたメタ分析を行い、カルシウムまたはカルシウム+ビタミンDが女性の心血管リスクに及ぼす影響をより詳細に調べることにした。
(研究経過:中略 )
これは、1000人の女性に5年間カルシウムまたはカルシウム+ビタミンDを投与すると、骨折は約3件減らせるが、心筋梗塞または脳卒中は約6件増えることを意味する。

中高年女性のカルシウム使用はビタミンD 併用の有無にかかわらず、心血管リスク、特に心筋梗塞のリスクを小さいが有意に上昇させることが明らかになった。著者らは、「カルシウムサプリが骨粗鬆症の管理に果たす役割について再評価する必要がある」と述べている。

原題は「Calcium supplements with or without vitamin D and risk of cardiovascular events: reanalysis of the Women’s Health Initiative limited access dataset and meta-analysis」、全文は、BMJ誌のWebサイトで閲覧できる。




15万人を30年以上検査へ 原発事故で周辺住民 放射線研究機関と福島医大 11.5.12

2011年5月12日 共同通信社

 東京電力福島第1原発の事故を受け、放射線影響研究所(放影研、広島・長崎市)などでつくる「放射線影響研究機関協議会」が検討している周辺住民の健康検査について、協議会の関係者は11日、検査する住民を約15万人、検査期間は30年以上とする方針を明らかにした。

 協議会は福島県立医大(福島市)を新たなメンバーに加えており、13日に福島県立医大で詳細を話し合う会合を開く。

 検査は原発から30キロ圏内や、計画的避難区域に指定された福島県の飯舘村、川俣町など大気中の放射線量が高い地域の全住民が対象。大規模調査で精度を高め、健康に対する住民の不安を解消するとともに疫学的調査にも利用する。

 検査期間は、広島・長崎の原爆で放射線が人体に与えた影響を調査してきた放影研が目安として30年以上と提案。必要があれば随時延長する。

 4月下旬に福島県立医大の関係者が放影研の施設を視察し、協議会が福島県立医大の加盟を承認した。今後は福島県立医大と福島県が中心になって住民の健康管理を行い、協議会に加盟する放影研と環境科学技術研究所(青森県六ケ所村)、放射線医学総合研究所(千葉市)、京都大、広島大、長崎大の6機関がサポートする。

 放影研の大久保利晃(おおくぼ・としてる)理事長は「住民の不安を取り除くことが最優先。早期に態勢を整え、知識や経験を役立てたい」と話している。




[社会保障] 医療、介護改革で社会保障支出増の抑制策が優先課題 OECD 11.5.11

2011年5月11日 WIC REPORT(厚生政策情報センター)

OECD対日審査報告書2011年版(4/21)《OECD》

  OECD(経済協力開発機構)はこのほど、OECD対日審査報告書2011年版を公表した。OECDはヨーロッパ諸国、アメリカをはじめ先進34ヵ国によって国際経済について協議する機関である。OECD経済開発検討委員会は加盟国の経済・社会情勢を調査し、毎年報告書として出版している。今回はその日本版が公表された。日本の経済状況および政策については2011年3月7日に委員会によって審査、同4月15日に承認を得ている。3月11日に発生した東日本大震災を踏まえ、その影響を考慮した経済見通しなどを展開している。

 社会保障に関しては、高齢化および医療・介護の質を向上させるために、国の社会保障費は、今後10年間にわたり、対GDP比で2%程度増加すると見込まれること、社会保障基金の収支が2009年度には対GDP比で1.5%程度の赤字に達していることなどの背景から、「安定的財源の確保など財政運営戦略の基本ルールを守ることが重要」であり「医療、介護分野における改革などを通じた社会保障支出の増加抑制策が優先事項となる」と分析している(p9-p10参照)。

 その上で(1)介護サービスをより厳密に監視し、病院から適切な介護施設へのシフトを促す(2)病院が効率性を高める動機づけのため、診療報酬を疾病ごとに設定する診断群分類の改革により、支払方式の改善を図る(3)後発医薬品を報酬支払の基準とすることで利用を拡大する(4)専門医による不必要な診断を減らすために、ゲート・キーパー制を導入する-の4点を社会保障支出の増加抑制策として挙げている(p9-p10参照)。

*OECD対日審査報告書 2011年版 2011年4月
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201105_2/1534_1_1.pdf




毎年5月31日は世界禁煙デー ”日本は世界中で最も未開な国のひとつ”

世界保健機関(WHO)が設立40周年を迎える1988年4月7日が「第1回世界禁煙デー」と定められた。
2010年のCOP4では、「タバコ規制枠組み条約 第4回締約国会議報告」で、日本政府に対する緊急要請が行われた。


(日本政府に対する要請)

《FCA(枠組会議同盟)からの緊急要請》

『FCTC(たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約)を批准した各国は自国の人々がタバコ煙による被害を受けないよう努力しているが、日本はそうでない。分煙、空気清浄機、建物の換気によって、非喫煙者が副流煙にさらされないようにすることはできないということが科学的に認められている。
*(2006年アメリカ合衆国公衆衛生長官報告書の結論)
私たちは日本政府がこの事実を認識し、できるだけ早く受動喫煙防止法を制定するよう要請する。

(「緊急要請」の背景)
 日本は公共の場所における喫煙規制という点では世界中で最も未開な国のひとつである。
 日本は2004年に最初の40カ国のひとつとしてFCTCを批准したのに、世界の大部分の国々からはるかに遅れている。日本には人びとを受動喫煙から守るための強制力のある法律は存在しない。2003年5月1日から健康増進法第25条が施行されているが、それは分煙を勧告しているだけで、多数の従業員はいまだに屋内の職場、飲食店、居酒屋などにおいて受動喫煙に苦しんでおり、20歳未満の従業員でさえタバコの煙が充満した環境で働くことが認められている。
 日本政府、特に厚生労働省の労働部門は、今年の11月末日までに、分煙で足りるか、それとも職場の全面禁煙が不可避であるか決めようとしている。公聴会が開かれ、多くの人びとは職場での喫煙を禁止する必要性を述べたが、タバコ産業に操られたサービス業界や煙草耕作者団体の代表者たちは、全面禁煙となれば自分たちの商売は立ち行かなくなるとして、全面禁煙に強く反対した。
 以上の次第であるから、世界中の市民社会は、日本の人びとがタバコ煙の被害と戦うのを助けるため、手をさしのべるべきである。
 私たちは、職場や飲食店の喫煙禁止立法に関して何をすべきか日本政府が気付くよう、FCAがこの問題を世界中に知らせることをFCAに強く要請する。【訳:穂積忠夫】』


たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)に関し、
2008年に行われた第3回締約国会合(COP3)において、
COP3第13条ガイドライン13項は、以下の内容で合意された。

『タバコ産業は、依存性が科学的に証明され、病気と死を引き起こし、貧困の悪化など様々な社会悪をもたらす商品の製造と販売促進を行っている。したがって、締約国は、最大限の努力を以て、公衆の保健対策の策定と実施をタバコ産業の妨害から守らなければならない。』

次期COP5は、2012年に韓国で行われる。




水没の病院、ツバメ巣作り がれきの町に鳴き声 2011.5.6

 2011年5月6日 共同通信社  

 東日本大震災で水没した岩手県陸前高田市の県立高田病院で、
ツバメが巣作りを始めた。
復興に向け、がれき撤去が進む町 に、にぎやかな鳴き声が響く。
石木幹人(いしき・みきひと)院長(63)は「去年の巣が津波で流されても、
新たに巣を作る姿に自分も気合が入る。
とどまっ ていても仕方がない」と病院再建への意欲を新たにした。

 3月11日、津波が4階まで押し寄せ、入院患者も犠牲になった。
屋上に逃げた患者や医師計約160人は翌日、ヘリコプターで救出され
た。現在は近くの公民館に仮診療所を開設している。

 ツバメが営巣するのは被災した病院1階の軒。周辺は今もがれきや
自動車が折り重なる。「チーチー」という鳴き声を上げながら、くちばしで
少しずつ巣作りに使う泥や枯れ草を運んでいる。

 石木院長によると、病院周辺の地盤が沈下し現在地での再建は
不可能で、移設のための場所を探しているという。




「40歳未満も負担」提案へ 介護保険料、一体改革で 厚労省、急増の費用確保 「社会保障と税」11.5.6

2011年5月6日 共同通信社

 厚生労働省は4日までに、社会保障と税の一体改革で、介護保険サービスの費用増大に対応するため、保険料負担の対象年齢を現行の40歳以上から引き下げることを提案する検討に入った。

 保険料支払い対象を「40歳未満」に拡大し、介護保険財政を安定させて、サービスの維持を図る狙い。12日に予定される一体改革の「集中検討会議」(議長・菅直人首相)に提出する厚労省改革案に盛り込む方針だが、与党から負担増に対し反発も予想されるため、実現するかどうかは不透明だ。

 介護保険の費用は、高齢化に伴い、2025年度には10年度の3倍近い最大23兆円が必要になる見込み。

 保険料は、サービスを利用する65歳以上と、40~64歳に分けて徴収しており、厚労省の試算では、65歳以上の月額保険料が12年度には5千円前後と、現在の全国平均(4160円)を約千円上回る見通し。省内では、今後65歳以上の保険料のさらなる引き上げには慎重な意見が根強く、サービスの低下を招かないためには、現役世代の負担増の検討はやむを得ないとの考えが大勢となった。

 12年度の介護保険制度改正をめぐっても、厚労省がいったんは同様の年齢引き下げ案を示したが、議論されることなく立ち消えに。一体改革で消費税率引き上げによる財源に期待したが、東日本大震災の復興経費に配慮する必要が出たことから、引き下げ案が再浮上した。

※介護保険制度

 介護の社会化を目的に2000年度にスタート。40歳以上が保険料を払い、要介護認定を受けた原則65歳以上が介護サービスを利用できる。利用者負担は介護費用の原則1割で、介護費用から利用者負担を除いたものが給付費。この50%を国、都道府県、市町村が負担、残りの50%を保険料で賄う。3年ごとに制度改正を行うことになっており、政府は12年度改正で、65歳以上の保険料上昇を抑えるため、都道府県の基金を活用することを柱とした介護保険法等改正案を今国会に提出している。




前立腺がん:再発したがんの細胞増殖、乳がん治療薬が抑制--筑波大、東大 11.4.28

2011年4月28日 毎日新聞社

 再発した前立腺がんの細胞増殖を、女性ホルモン抑制剤の乳がん治療薬が効果的に抑え込むことを、筑波大と東京大の研究チームが突き止めた。新薬の開発につながる成果という。米専門誌サイエンス・シグナリング(電子版)に掲載された。

 前立腺がんは男性ホルモン(アンドロゲン)の影響で進行し、この濃度を下げる女性ホルモン(エストロゲン)剤の投与が有効とされる。だが、効果は数年しか続かず、再発した場合の有効な治療法が課題だった。

 研究チームは、再発したがん細胞をネズミに移植。臨床実験で有効だった事例があったことを理由に女性ホルモン抑制剤を投与したところ、腫瘍の直径が4週間で1センチから0・5センチに縮小した。その仕組みを調べたところ、前立腺がんを抑制するたんぱく質が、女性ホルモン抑制剤によってがん細胞の自滅を次々と加速していたためと判明した。

 筑波大の柳沢純教授(生物機能科学)は「生活の質を落とさず、寿命を全うできる手段となりうる」と期待する。




日医は定例記者会見で、「会長選挙制度に関する検討委員会」の答申、「会長選挙の在り方について」を公表。“役員選挙に、「問題点あり」と考えている”という考えを示した。 2011.4.28

会長選挙制度に関する検討委員会 答申
『会長選挙制度の在り方について』
平成23 年3 月
日 本 医 師 会/会長選挙制度に関する検討委員会
(「答申」:PDF 1.7MB)http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110428_2.pdf

日医は4月28日の定例記者会見で、都道府県医師会の4分の3は、日本医師会の会長や理事などの役員選挙に、「問題点あり」と考えている。
日医会長の直接選挙、「現時点では断念せざるを得ず」と公表した。
議論の叩き台となった調査結果は、「答申」の14頁(表記で)以降に示されている。




アルツハイマー原因を狙い撃ち…予防の可能性 11.4.28

2011年4月28日 読売新聞

 青森県の弘前大の松原悦朗准教授(神経内科)らの研究グループは26日、アルツハイマー病の原因とされる、たんぱく質だけを攻撃する抗体を開発し、発症予防の可能性があることを突きとめたと発表した。

 松原准教授によると、アルツハイマー病は、原因とされるたんぱく質が脳に沈着、凝集し、記憶障害を起こすと予想されている。

 研究グループでは、このたんぱく質だけに反応する抗体を作り出すことに成功し、実験で週1回ずつ計36週にわたり、記憶障害発症前のマウスに投与し、投与しないマウスと比較したところ、記憶学習能力が保たれていることが分かったという。この結果、アルツハイマー病の原因が、このたんぱく質にあることも裏付けられたとしている。

 松原准教授は、実験を踏まえ「マウスの段階だが、アルツハイマー病は予防可能な病気と考えていいのでないか」と指摘している。今回の研究成果は3月、米科学誌に掲載された。




水のみ運動 高齢者の水分不足防止に 富山市がパンフ作成、参加呼びかけ 2011.4.26

2011年4月26日 毎日新聞社

 ◇介護予防推進リーダーに配布

 脳こうそくや認知症のリスクを高める高齢者の水分不足を防ごうと、富山市は「みんなで取り組む水のみ運動」のパンフレットを作成した。運動の推進役となっている地域の介護予防推進リーダーらに配り、活用してもらう。参加者からは「体調が良くなった」などの声も出ており、市は広く運動への参加を呼びかけている。

 高齢になると、のどの渇きを感じにくくなったり、腎臓の機能低下で尿の量が増加する。そのため、体内の水分は一般成人で約60%なのに対し、70歳以上になると約50%に低下する。水分が不足すると、脳こうそくや認知症のリスクが高まり、特に認知症は脱水状態になると悪化するという。

 そこで、市は09年度から1日1500ミリリットルの水分摂取を目標に、市内に695ある老人クラブを対象に「地域で取り組む水のみ運動」を展開している。(後略)




偽の性的不能治療薬、飲んだ男性が一時意識障害 2011.4.26

2011年4月26日 読売新聞

 奈良県は26日、同県内の40歳代の男性が昨年6月、性的不能治療薬「シアリス」の模造薬を飲んで一時的に意識障害を起こし、救急搬送されたと発表した。

 男性は回復したが、模造薬には正規品と比べて10-2・5倍にあたる有効成分50ミリ・グラムを含むという表示があったという。厚生労働省によると、偽シアリスの健康被害の確認は初めてといい、注意を呼びかけている。

 県によると、男性は模造薬をインターネットで購入。服用の数時間後にけいれんなどを起こし、搬送先の県立医大病院(奈良県橿原市)で脳の静脈に血栓が確認されたという。

 シアリスは国内では日本イーライリリーが製造販売し、日本新薬が発売。日本新薬広報部は「偽物は血圧降下など予期せぬ健康被害が出る恐れがあり、注意してほしい」としている。




【厚労省未承認・適応外薬会議】学会・患者要望374件の評価完了‐国内導入は未承認57・適応外129 2011.4.19

2011.4.19 薬事日報
 厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は18日、積み残しとなっていた12件の適応外薬のうち、4件は医療上の必要性が高いと結論付け、8件は国内開発を見送ることで合意した。これにより、一昨年、学会や患者団体から集まった要望374件の評価作業を完了した。既に承認された未承認薬1件、適応外薬3件を除くと、検討会議を通じて未承認薬57件、適応外薬129件の国内導入が進むことになる。

 国内導入の必要性が高いと判断された合計186件の疾患領域別内訳は、▽代謝・その他20件(未承認8件、適応外12件)▽循環器31件(9件、 22件)▽精神・神経31件(10件、21件)▽抗菌・抗炎症28件(5件、23件)▽抗癌42件(11件、31件)▽生物5件(3件、2件)▽小児29 件(11件、18件)‐‐で、ドラッグ・ラグの象徴として指摘されることが多い抗癌剤が最も多かった。

 検討会議ではまた、厚労省が昨年12月までに企業へ開発要請した品目について、企業の対応状況の点検も行った。その結果、特段の事情がなく大きく遅れているものがないことを確認した。

 このほか、開発要請した適応外薬のうち、10件の効能追加等に関する公知申請の妥当性報告書をまとめた。対象となるのは、[1]ネフローゼ症候群に対するエンドキサン[2]クッシング症候群に対するメトピロンカプセル[3]セルセプトカプセルの腎移植における拒絶反応抑制の小児適応 [4]FIP1L1‐PDGFRα融合遺伝子陽性の慢性好酸球性白血病などに対するグリベック[5]無症候性で切除不能な転移性のカルチノイド腫瘍に対するサンドスタチン[6]ハーセプチンのHER2過剰発現の乳癌術前補助化学療法、[7]ハーセプチンのHER2過剰発現の転移性乳癌の新用法・用量[8] 乳癌に対するパラプラチン[9]ジフルカンの小児用法用量[10]ジフルカンによる真菌感染症予防。今後、薬事・食品衛生審議会医薬品部会の事前評価で認められれば、薬事承認前に保険適用されることになる。



増え続ける甲状腺がん 事故後誕生の子供脅かす 「消えない傷痕 チェルノブイリ25年」2011.4.19

2011年4月19日 共同通信社

 原子炉爆発という原子力発電の歴史で最悪の旧ソ連チェルノブイリ原発事故から26日で25年。福島第1原発事故の深刻度が国際評価尺度で同等の「レベル7」とされたことも加わり、再び世界の注目が集まる。当時まき散らされた高濃度の放射性物質による健康被害が続き、原発解体にはさらに100年以上の長い時が必要とされている。

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 狭くて薄暗い病院のベッドに、15歳の女子中学生アナスタシアさんが静かに座っていた。あどけなさの残る笑顔の下、あごから首にかけて、白い肌に10センチ以上残るJ字型の赤い傷痕が痛々しい。

 「甲状腺がんの手術痕だ。彼女はチェルノブイリ事故の汚染地域に住んでいた」。ウクライナの首都キエフにあるこの病院を併設する国立内分泌代謝研究所のテレシェンコ医師は、小声でこう説明した。

 ここではほぼ毎日、数人の甲状腺がんを手術する。「心臓が痛み、呼吸が苦しくなる」。3カ月前に発症した同じ病室の中年女性は、病の苦しさをこう説明した。

 事故は1986年4月26日、旧ソ連ウクライナ共和国で発生。飛散した放射性物質セシウム137は半減期が約30年と長く、今も影響が懸念されている。

 放射性ヨウ素も拡散し、子供を中心に甲状腺がんが多発した。このがんは、小さくても転移しやすい性質を持つことなどが同研究所の調査で判明。アナスタシアさんは事故の10年後に生まれたが、同様に「放射線が影響したがんの特徴がある」(同医師)という。

 同研究所のトロンコ所長が事故時に汚染地域にいた18歳以下の甲状腺がんの発症例を示すデータを見せてくれた。86年には年間19人だったが2009年には同592人。発症者は20年以上、毎年増え続けた。

 「潜伏期間があるから年々増えるのは不思議ではないが05年ごろに減少に転ずると考えていた」と同所長。同研究所で手術したのは6049人。国連報告書も6千人以上が罹患(りかん)したとしている。

 事故後の甲状腺がんは、多くの場合はヨウ素剤の服用で効果的に防ぐことができたとされる。しかしソ連政府は数日間、事故を隠したため、子供たちにヨウ素剤を飲ませることができず、被害が拡大した。

 「私たちは事故対応を誤った。だから福島第1原発の事故が気になる。日本ではすぐにヨウ素剤は飲ませたのか」。長崎大などから被ばく医療を学びながら患者と向き合ってきた所長は、記者に何度もこう質問した。(キエフ共同)

※チェルノブイリの健康被害

 チェルノブイリ原発事故では大量の放射性物質が飛散、周辺地域で甲状腺がんの増加など重大な健康被害が発生した。事故の影響による死者数は、国際原子力機関(IAEA)などは約4千人、世界保健機関(WHO)は最大9千人と推計。約20万人とする環境団体もある。WHO下部組織は、がんによる死者数は旧ソ連の現場周辺国と欧州の計40カ国で、1986年の事故から2065年までに約1万6千人に達する恐れがあるとしている。




チェルノブイリ原発事故の調査専門家の分析 2011.4.18

2011年4月18日 共同通信社

汚染地域全域で線量調査を 
過小評価は極めて危険 
ロシア科学アカデミー アレクセイ・ヤブロコフ 
識者評論「原発震災—海外核専門家の目」

 東京電力福島第1原発事故による土壌汚染の健康への影響について、日本の文部科学省の公式データに基づいて分析したク リス・バスビー教授(欧州放射線リスク委員会)は、今後50年間に、原発を中心とする半径200キロ圏内で、がん患者が40万人増加する可能性があるとしている。

 影響を最小限に食い止めるため、どのような対策を講じるかによって、この患者数は減らすことも可能だが、増えることもあり得る。
事態を過小評価するのは住民、国にとって極めて危険だ。

 チェルノブイリの経験によれば、大事故の後、すぐには元の生活には戻れないことを理解する必要がある。また、できるだけ早く、事故後の新たな現実を受け入れなければならない。

 主要な対策は次のようなものになるだろう。

 第一は、立ち入り制限区域を拡大することだ。
原発から少なくとも半径約50キロとすべきだ。

 第二は、食品の汚染拡大を防ぎ、健康を守るために個人が行う効果的な対策を詳しく指示することだ。(汚染地域の)全員を対象に、さまざまな放射性核種の合計被ばく線量を調べる測定を定期的に行う。少なくとも週1回は測定する。

 また、放射線防護用具と、放射性核種の排出を促す除染のための薬剤を配布する。

 第三に、土壌汚染地域で、安全に農業を営むための勧告を作成する。
牛乳の再処理、食肉の除染を進め、農業の形態をバイオ燃料生産といった技術産業に転換させる。そうした「抗放射能」農業は通常型の農業に比べ、コストが30〜40%増となる。補助金の支給が必要となる。

 第四に、被ばくした人々の健康への短期的、長期的な影響に対処するため、現行の医療施設の能力を早急に向上させる必要がある。おそらく新たな医療施設をつくることも必要だ。遺伝情報の解析に基づいて、遺伝医療の面から相談に応じることも対策に含めるべきだ。

 第五に、チェルノブイリの教訓によれば、汚染地域の生活再建を支援するのに最も効果的な道は、省庁を横断する強力で特別な組織(省または委員会)を設置し、最も困難な最初の何年間か、汚染地域の諸問題に取り組むことだ。

 ロシア、ベラルーシ、ウクライナの放射線医学の専門家、農業専門家、放射線生物学者、放射線生態学者たちには、放射能被害と闘う十分な経験があり、日本に協力する準備ができていると私は確信する。

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 ( ALEXEY YABLOKOV 33年モスクワ生まれ、モスクワ大で学ぶ。生物学博士。チェルノブイリ原発事故の被害調査の権威。エリツィン政権でロシア安全保障会議の環境安全委員会の委員長を務め、旧ソ連による日本海への原子炉投棄問題を調査した。ロシア科学アカデミー評議員。)




カルテ改ざんで理事長解任 病院、虚偽報告も訂正 2011.4.18

2011年4月18日 共同通信社

 入院患者が身体拘束され死亡した事件のあった貝塚中央病院を経営する医療法人「田村会」が、カルテを改ざんし、精神保健指定医の指示によって拘束したと虚偽の記述をするよう職員に指示したとして、指定医の田村善貞(たむら・よしさだ)理事長を解任したことが15日、分かった。

 解任は1日付。同病院は、大阪府に虚偽の事故報告書を提出していたが15日までに訂正した。

 精神保健福祉法は、身体拘束には指定医の診察に基づく指示が必要と規定。厚生労働省は今後、指定医の取り消しも含めて処分を判断する。

 事件の公判では、田村理事長がカルテの改ざんや、府に虚偽の報告書を提出したことを認め、府が事実確認をしていた。




福島第一原発、作業員の健康状態を30年調査へ 2011.4.16

2011年4月16日 読売新聞

 政府は16日、東京電力福島第一原子力発電所の事故対応で現地入りした作業員の健康状態を長期的にチェックするためのデータベースを構築する方針を固めた。

 被曝(ひばく)やその影響の有無などを30年以上にわたって追跡調査する。2011年度第2次補正予算案に関連予算を計上する方針だ。

 作業員の被曝量限度は福島第一原発の事故後、年間100ミリ・シーベルトから緊急的に250ミリ・シーベルトに引き上げられた。被曝量が増えれば、疫学的にがんなどになる確率が高くなるとされ、政府は中・長期的な健康管理が必要と判断した。

 データベースへの加入は強制ではなく、作業員の同意を前提とする予定。定期的に白血球や赤血球の数、放射線白内障の傾向、皮膚の状態などを調べ、経年変化が分かるようにする。




受刑者への投薬ミス続発…山形刑務所、公表せず 2011.4.16

2011年4月16日 読売新聞

 山形刑務所(山形市)で2008年1月-10年12月、職員が受刑者に対して間違った薬を投与するなどの投薬ミスが計9件発生し、担当職員が注意処分を受けていたことが15日、同刑務所への取材などで分かった。

 法務省は、各地で受刑者への誤投薬が相次いだ04年、全国の矯正施設に再発防止策を通知しているが、同様のミスが依然として繰り返されている現状が浮き彫りになった。

 同刑務所の説明などによると、誤投薬による職員への処分は、08年に5件、09年に3件、10年に1件。

 就寝時用の薬を服用させるところを、誤って朝昼夕用の薬を渡したり、1日4回までの決められた薬を過誤投与したことに気付いたにもかかわらず、速やかに報告しなかったりしたケースがあった。

 また、本来は投薬を受けるべき受刑者が薬袋に掲載されている本人であることを、称呼番号や氏名等で確認しなければいけないにもかかわらず、これを怠ったため、別の薬を渡した事例もあった。

 いずれも誤飲した受刑者の健康状態に影響はなかったというが、間違った薬の種類や詳細な日時等については「個人が特定される恐れがある」(同刑務所)などとして明らかにしていない。

 同刑務所の斎藤幸治・総務部長は読売新聞の取材に対し、「健康被害がなく、職員への注意処分であったため、公表はしなかった。今後は、同じようなミスがないように再発防止策を徹底していきたい」と話した。

 法務省矯正局によると、同省は04年7月、全国の矯正施設に対し、投薬時の本人確認の徹底や、投薬条件によって薬袋を色分けするなどの防止策を通知している。

 刑務所の処遇事情に詳しい高岡法科大大学院の田中常弘客員教授(刑事政策)は「小さな問題ではなく、指揮監督する矯正管区を含む組織全体の問題だ。簡単なミスを繰り返していることは規範意識の欠如といえる」と指摘している。




超多剤耐性結核 佐賀で集団感染 2011.4.16

2011年4月16日 毎日新聞社

 佐賀県は15日、県央部の民間医療機関で超多剤耐性結核菌(XDR)の集団感染があったと発表した。06年9月以降、50代男性から20~40代の男女計9人に感染が広がった。厚生労働省によると、結核治療薬のほとんどが効かないXDRの集団感染は全国で初めて。

 県によると50代男性は06年9月、結核治療を受けていた県立病院(佐賀市)を退院。県央の民間医療機関に通院し治療を続けたが症状悪化で07年6月に再入院しXDRに感染していると診断された。

 県がこの医療機関の職員や患者など延べ460人を検診し9人の感染が分かった。院内感染が8人、家族間感染が1人で、50代男性を含め5人が発症したが全員快方に向かっている。



石巻の体育館 300遺体に絶句 派遣医が見た惨状 11.4.13

2011年4月13日 読売新聞

震災5日後、現地入り

 東日本大震災から1か月。被災地に派遣された県医師会医療チームの一人が、重い口を開いた。地震発生の5日後、先陣を切って現地入りした三郷市の外科医・森野一英さん(61)。「二度と思い出したくない惨状だった」。いまも眠れない夜が続いていると打ち明けた。

 宮城県石巻市の市総合体育館。だだっ広く、底冷えのする館内に足を踏み入れた途端、言葉を失った。300体もの遺体が隙間なく横たわっていた。ズボンが脱げ、靴をはいていない人。小さな遺体も数多くあった。3月15日、被災者治療のため、車に医薬品を満載し、三郷市の医師2人と救急救命士ら計6人で向かったが、現地で依頼されたのは、人手不足で進んでいない遺体の検視だった。

 森野さんら3人は戸惑いながら、翌日から任務に取りかかった。体育館の一角に卓球台などで仕切りをつくり、警察官と一緒に3班に分かれて作業した。

 服に水を含んだ重い遺体を警察官が6人がかりで移動させた。顔や髪についた泥をタオルで拭いた。バケツの水はすぐに黒くなったが、断水のため、3-4人に1回しか交換できなかった。森野さんらは何度も何度も丁寧に拭き続けた。

 服を脱がせ、外傷を目視で確認し、体に触れて骨折の有無を調べた。身元不明の場合には、心臓に注射器を差し込み、DNA鑑定用の血液を採取した。初日こそピンク色をしていた遺体は、次第に色を失い、開けっ放しの窓から入り込む空気で冷たくなっていった。幼児の検視はつらかった。森野さんにとって、大きな傷がある子がいなかったのが唯一の救いだった。

 死因「津波による溺死」、死亡時刻「11日夕」……、死体検案書は一枚一枚、ペンで書いた。少しでも書き損じると一から書き直した。「その人の人生を終わらせるための書類。我々にできることは、丁寧に書くことしかなかった」と森野さんは言う。18日までの3日間に、警察に渡した検案書は200枚以上に達した。

■1か月、今も眠れぬ夜

 体育館では、我が子の顔に手を添えて「私が悪かった」と泣き叫ぶ母親、妻と2人の子どもの遺体の前で、じっと立ち尽くす男性がいた。案内役の市職員は、自らも被災者でありながら、30分、1時間と立ったまま遺族に寄り添っていた。「見ていられない光景だった。見ないようにしていたが、体育館のあちこちでむせび泣きが聞こえた」

 かつて救急病院の医師を経験し、人の死と向き合ってきたが、被災地から戻ると一人で眠れなくなった。チームを組んだ三郷市の内科医・青木成夫さん(55)が毎晩のように森野さんの診療所に来て、酒をあおって一緒に眠った。夜中にうなされて目を覚ます。やはり眠れないのか、隣で青木さんが起きていることがあった。いまでも石巻での活動について、互いに話題にすることはない。

 県医師会からこれまで、のべ14グループ47人が被災地に派遣された。




自衛隊員に精神的ダメージ 被災地で診療の医師報告 2011.4.8

2011.4.8 共同通信社

 東日本大震災の被災地に即応予備自衛官として出動していた高知市の精神科医小南博資(こみなみ・ひろし)さん(44)が7日、同市内で活動報告を行い、遺体の捜索に当たる自衛隊員も精神的なダメージを受けていることを明らかにした。

 小南さんは第47普通科連隊の一員として3月27日に現地入りし、宮城県女川町を拠点に4月1日まで被災者の診療に当たった。

 毎日の活動を終えた深夜には自衛隊員の相談を聞くことも。「明日も捜索に当たるが、正直つらい」「遺体の様子が夢に出てくる」という相談を受けたという。

 小南さんは「肉体は鍛えていても、毎日遺体を目にして、相当なショックを受けている。注意深くメンタルケアしていかなければ」と指摘した。




劇症1型糖尿病 山梨大がメカニズム解明 ウイルス感染で発症 2011.4.8

2011年4月8日 毎日新聞社

 山梨大は、急激に血糖値が上昇し数日で死に至ることもある「劇症1型糖尿病」の発症メカニズムを、同大医学部第3内科の小林哲郎教授(糖尿病学)のグループが初めて解明したと発表した。新たな治療法の開発が進むと期待される。

 劇症1型糖尿病は、生活習慣の乱れが原因ではなく、すい臓のβ(ベータ)細胞が破壊されることで起こる糖尿病。血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンを分泌するのがβ細胞だ。

 糖尿病の全国の患者数は約900万人とされる。劇症1型糖尿病は、患者数がこのうちの1%未満と推定される特殊なタイプ。細胞が急激に破壊され、数日~1週間で死に至るケースもある。

 小林教授のグループは、β細胞が「エンテロ」というウイルスに感染することで発症すると初めて突き止めた。感染すると、ウイルスの侵入を防ごうと分泌される物質が、免疫細胞の一種を過剰に活性化させ、この免疫反応により、β細胞自身が破壊されることも分かった。小林教授は「過剰な免疫反応を防ぐ薬剤の開発など、新たな治療法の研究が進むと期待できる」と話している。

 研究結果は、3月1日発行の米糖尿病学会誌に掲載された。5月に札幌市で開かれる日本糖尿病学会の総会でも発表される。




多剤耐性菌死者、年8万人 WHO、欧米だけで 2011.4.7

2011年4月7日 共同通信社

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は世界保健デーの7日、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌の感染による死者が、欧米諸国だけで少なくとも年間8万8千人に上るとの統計を発表した。統計が得られない途上国の死者はこれをはるかに上回るとみられ、WHOは多剤耐性の病原体への対策強化を目指す。

 抗生物質の開発に多額の費用が掛かることから、世界的な製薬会社でも開発に力を入れていない問題点も指摘。WHOは官民挙げての対策の必要性を訴えている。

 日本では昨年、欧米で2000年ごろから広がり始めたとされるアシネトバクターの院内感染が次々と発覚。欧米でも、医療費の安いインドやパキスタンで美容整形手術などを受けていた患者が、NDM1という酵素をつくる遺伝子を持つ新種の腸内細菌に感染する例が相次いだ。

 マラリアや結核、HIVでも抗生物質に耐性を持つ病原体が確認されている。感染拡大の一因は抗生物質の乱用とされ、WHOは加盟国に管理の徹底を呼び掛けている。




[診療報酬] 基本料のコスト分析、現状では極めて困難  コスト調査分科会 2011.4.7

2011年4月7日 提供:WIC REPORT(厚生政策情報センター)

診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会(第18回 4/7)《厚労省》

  厚生労働省が4月7日に開催した、診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会で配付された資料。この日は、基本診療料に係るコスト調査・分析の実行可能性について議論を行った。

 この日は、ワーキンググループから報告書が提出された(p4-p7参照)。報告書の内容を一言で述べると、「基本診療料について、有効かつ客観的なコスト調査・分析は、現状では極めて難しい」というもの。コスト調査の前提として対象となる入院基本料に含まれるサービス内容の具体的定義付けが必要だが、誰にでも納得できる明確な定義が困難なためだ。ほかにも、さまざまな課題があることが分析されている。

 また、この報告書を受け厚労省は、コスト調査・分析を実施するにあたっての前提として、「原価データをベースにした経営管理が十分に浸透していないわが国で、コスト調査を行う意義はどこにあるのか」「コスト調査・分析結果をどう活用するのか」という2点を再整理すべきとしている(p8-p9参照)。

  分科会では、「ワーキンググループ報告書の前文に、厚労省が提示した『再整理するべき事項』のエッセンスを盛り込んで、中医協総会に報告する」こととしている。

・議事次第
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201104_2/1514_10_1.pdf




看護師国家試験 インドネシア出身・エフィさん、合格 九州初、EPAで来日/福岡 2011.4.1

2011.4.1 毎日新聞社

 ◇三池病院で働きながら勉強

 今年度の看護師国家試験に、インドネシア出身で大牟田市の三池病院で働く看護助手、エフィ・インダルワティさん(31)が合格した。日本との経済連携協定(EPA)に基づいて、来日中のインドネシア人とフィリピン人が受験しているが、エフィさんは九州では初の合格となった。

 ◇東日本大震災、派遣要員にも登録

 EPAによって、自国で看護師資格を持つ約450人が08年から来日。今年は398人が受験し、合格者は16人(合格率4%)だった。日本人と同じ試験のため、漢字を読んで問題の意味を理解するのが難しいという。

 08年に来日したエフィさんは半年間、日本語研修を受けて三池病院に来たが、日本語の理解力は小学低学年レベルだったという。2年間、看護助手として働きながら勉強し、言葉の壁を乗り越えた。

 4月から精神科専門の三池病院で看護師となる。自国で内科の看護師だったエフィさんは「日本の医療を知りたくて来た。合格はうれしいが、合格できなかった仲間のことが気がかり」と話す。来日から4年以内に合格しなければ滞在資格を失うため、断念して帰国する人が多いという。

 三池病院の河野洋子看護部長は「エフィさんの頑張りが周囲のスタッフにいい影響を与えている」と喜ぶ。

 エフィさんは東日本大震災の直後、現地に行きたいと希望。インドネシア大使館から要請があり、現在は派遣要員に登録し、実際の派遣要請を待っている。




医師の決断、再手術に成功 胃切除中に被災、応急処置 2011.3.31

2011.3.31 共同通信社

 津波で孤立した宮城県の石巻市立病院で、手術中に被災しながら患部の応急処置で切り抜け、その後再手術を成功させた医師がいる。「最後まで責任を持つ」という思いが、患者の命を救った。

 11日に津波が病院を襲ったとき、外科部長の内山哲之(うちやま・てつゆき)さん(44)は男性患者の胃の摘出手術で切除を終えようとしていたところだった。自家発電装置は水没して故障。照明が消えたが、人工呼吸器はバックアップの電源でかろうじて動いた。手術の続行は危険と判断し、懐中電灯の光を頼りに、応急処置で腹部をふさいだ。

 電気と水が止まり、入院患者と家族、職員ら450人が孤立した。ラジオに耳を傾けても、被害情報に病院の名前が出てこない。「自分たちがこんな状況であることを誰も知らないのか」。絶望的な気持ちになった。

 非常食のある1階は浸水。泥水の中からレトルトご飯を探し出したが、分けられるのは1人2口ほど。近くで火災が起きて煙が立ちこめ、「死ぬかも」と思った。

 被災直後に一度だけ無線が通じ、市に病院の孤立を伝えたつもりだったが、市役所も浸水し、十分伝わっていなかった。13日には薬が底をつきかけ「直接行って助けを求めるしかない」と決意。事務次長の鷲見祐一(わしみ・ゆういち)さん(56)と腰まで水につかりながら約30分かけて市役所にたどり着いた。

 市役所から石巻赤十字病院に連絡し、13日昼ごろ災害派遣医療チーム(DMAT)のヘリで男性患者を同病院に移送。「自分の判断で手術を中断したから、最後まで見たい」と内山さん自ら再手術して成功した。「手術が無事終わったと聞いたときは、みんなで拍手した」と鷲見さん。他の入院患者も14日までに全員救助された。

 市立病院は閉鎖中。内山さんは現在、避難所で診察をする医師たちと石巻赤十字病院とのパイプ役として走り回っている。「持久戦になる。これからが大変だが、やるしかない」と決意を語った。




精神疾患の社会負担11兆…過剰な投薬も影響? 2011.3.31

2011.3.31 読売新聞

 精神疾患のために生じる医療費や労働力損失などの社会的コストが、年間11兆円に上ることが、順天堂大学などの調査で分かった。

 過剰な投薬など不適切な治療で病気が長引く患者も多く、コストを押し上げているとみられる。東日本巨大地震の影響でうつ病やストレス性疾患を患う人の増加が懸念されており、患者への早期で適切なケアはもちろん、精神医療のあり方も見直しが求められそうだ。

 調査は、同大医学部の横山和仁教授(衛生学)らが、厚生労働省の補助事業として実施。2008年度の統計資料などから〈1〉医療費の総額〈2〉うつ病で仕事が手に着かないなどの生産性低下による損失額〈3〉介護する家族の労働コスト--などを推計して合計。年間の社会的コストを最大で11兆3756億円と算出した。病気別の医療費で一番多かったのが幻覚や妄想が起きる統合失調症で1兆980億円。約80万人の患者がいるとされ、長期入院の人が多い。うつ病などの気分障害が、3101億円で続いた。




胸の痛みや息苦しさ症状:ストレス引き金、たこつぼ型心筋症に注意 中高年女性で多発 2011.3.30

2011.3.30 毎日新聞社

東日本大震災:ストレス引き金、たこつぼ型心筋症に注意 中高年女性で多発

 ◇医師「相談を」

 東日本大震災の被災地で、ストレスが引き金となる心臓病「たこつぼ型心筋症」の発生が懸念されている。

 放置すると心不全にもつながる病気で、04年の新潟県中越地震後には20~30人が急に発症したとされる。胸の痛みや圧迫感、息苦しさがあり、血流不足によるだるさも伴う。特に中高年女性がかかりやすいという。

 今回の震災でも既に数例の情報が日本循環器学会に寄せられており、専門医は「胸の痛みや息苦しさを感じたら、すぐに医師に相談して」と呼びかけている。

 たこつぼ型心筋症は、心臓から血液を送り出す際、左心室の下部が収縮せず上部だけが過剰に動き、正常に送り出せなくなる病気。左心室の下部だけがたこつぼのような形に膨らむことから病名がついた。

 詳しい原因は不明だが、災害以外でも身内の不幸や仕事上の問題などで不安や緊張を抱えた人が発症しており、ストレスとの関連が指摘されている。90年、世界で初めて日本で症例が報告された。

 発症した場合は入院治療が必要。症状が進んで心不全や不整脈などが出ている場合は利尿薬や抗不整脈薬などの対症療法を受ける。1カ月ほどで退院できる。

 国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)の横山広行・心臓血管内科特任部長(心臓救急)によると、国内の死亡例はないが、放置して心不全を何度も起こすと死亡する可能性もある。横山さんは「避難所生活の長期化でストレスがたまり、これから患者が増える恐れもある。特にお年寄りは周りに気を使いがちだが、異常を感じたら我慢しないでほしい」と注意を促す。

 診断が難しいため、国循や日本心臓病学会が現地の医師らの相談に応じている。




福島第1原発事故 : 甲状腺がんの発生リスクの説明に、米学者 日本政府に苦言も 2011.3.30

甲状腺がん、深刻被害なし 米学者、日本政府に苦言も
(2011.3.30 提供:共同通信社)

 【ニューヨーク共同】29日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、福島第1原発事故の影響について、年月を経て甲状腺がんの発生があり得るが、事故との関係を統計的に証明するには少なすぎる数にとどまるとの専門家の意見を伝えた。深刻な健康被害が出るとはいえないとしている。一方、日本政府の説明への苦言も紹介した。

 この専門家はコロンビア大で放射線の人体への影響を研究、CTスキャン規制強化などを求めているデービッド・ブレナー博士(57)。がんになる恐れがあるのは放射性ヨウ素に汚染された牛乳、水、農産物を摂取した子供だという。

 政府の情報公開については「良い仕事をしていると思うが常にではない」と指摘。情報遅れのほか、牛乳や野菜から放射性ヨウ素が発見され、当初安全だと説明したときには驚いたといい、「これらを食べるリスクを冒す必要はない」とした。

 この日の同紙は別の記事で、福島の事故をきっかけにした米国の原発の安全性論議も伝えた。

 石炭火力発電所の公害による死者は、原発事故の死者より多いとの意見を「米中枢同時テロの世界貿易センタービル崩壊に注目する必要はなく、道路横断中に死ぬ人の方が多いというようなもの」と指摘。リスクを正しく計測する方法はなく、個人の感じ方の問題でもあるとの研究者の意見を紹介した。




インドネシア人の看護師候補、被災地に残留 避難勧告拒み負傷者手当て 2011.3.23

 【ジャカルタ共同通信】「病院に残り、日本の人々を助けることを決めた」-。インドネシア政府は22日、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県で、インドネシア人の看護師候補者1人が東京への避難勧告を拒否し、国立病院にとどまって負傷者の手当てを続けていることを明らかにした。

 同国政府によると、この看護師候補者はインドネシア・スマラン出身のリタ・ルトナニンティアスさん(35)で、2009年に来日。宮城県内で働くインドネシア人看護師候補者と介護福祉士候補者は計9人いるが、リタさん以外は在日インドネシア大使館の勧告に従い、東京へ避難したという。

 政府幹部は「リタさんは『人道的な仕事なので病院に残り、日本の人々を助けることを決めた』と言う。彼女の決断はインドネシアの誇りだ。両国の絆をさらに深めてくれる」と称賛した。

 日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、08年からインドネシア人看護師・介護福祉士候補者の日本への派遣事業が行われている。




<大震災時の薬物療法の注意点> 中止可能な薬剤、中止が必要な薬剤、中止すると危険な薬剤を掲載

  …—緊急まとめ情報…—
出典:『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版 No142 
http://npojip.org/sokuho/110320.html
(NPO法人医薬ビジランスセンター 浜 六郎)

<大震災時の薬物療法の注意点>(以下は抜粋)
■全般的に
継続を要する薬剤はあるとしても、急を要しない薬剤、中止可能な薬剤を知っておく必要があるでしょう。また、この時期には中止しないと危険な薬剤があります。薬剤が流されて、何日か服用できず離脱症状を起こす可能性のある薬剤(睡眠剤、安定剤、抗うつ剤、ステロイド剤)、食糧不足のために薬剤を服用していなくても血中濃度が上昇しうる危険な薬剤もあります(抗精神病剤など)。さらには、急場にどうしても必要があって一時的に使用したとしても、安定剤や睡眠剤など依存に陥る可能性のある薬剤は、不要になればできる限り早く離脱を考える必要があります。一時中断後、再開に際して、特に注意を要する薬剤もあります(抗うつ剤、リファンピシン、甲状腺ホルモンなど)。これらの薬剤を区別しておくことが非常に重要と考えます。

●コレステロール低下剤−中断してもかまわない、むしろ中止すべき
●降圧剤−合併症がなければ中断しても大きな影響はないはず
●解熱剤、かぜぐすり−飲まない方がよい
●タミフルなど(抗インフルエンザウイルス剤)−必要ない
●抗不安剤、睡眠剤−大量使用者が急激な中断は危険
●抗けいれん剤や抗パーキンソン剤の中断も危険、 早く再開を
●抗不安剤、睡眠剤−依存症になりやすいので安易に開始しないで
●SSRI系抗うつ剤(特にパキシル)−中断は危険、再開時も要注意
●神経遮断剤(抗精神病剤)−栄養不良で命にかかわる中毒症状の危険性あり 致死性不整脈・悪性症候群・カタトニアなど
●ステロイド剤−中断は危険! 離脱症状は吸入ステロイド剤でも起きる
●インスリン−中断は危険 すぐに届けて インスリン・SU剤以外の糖尿病用薬剤は中断しても大丈夫
●甲状腺ホルモン剤−必須、ただし中断後再開時は少量から
●骨粗しょう症(骨粗鬆症)用薬剤、必須とは言えない
●認知症用薬剤、肝臓病用剤、ビタミン剤、必須とは言えない
●花粉症・アレルギー性鼻炎の薬剤、必須ではない
●抗潰瘍剤、抗リウマチ剤、便秘用剤、症状により継続が必要

〔他の必須の薬剤〕
インスリンは先述したとおり極めて重要です。インスリンが中断されると、糖尿病が急速に悪化する人が確実にでます。絶対に優先的な確保が必要な薬剤です。

そのほか、必須の薬剤としては、抗結核剤など慢性感染症用の抗菌・抗生物質、気管支喘息で使用中の薬剤、癌緩和ケア用のオピオイド剤、心不全で使用中の薬剤、抗不整脈剤の中止は危険です。最優先で届けられなければなりません。

急性感染症用で使用中の抗生物質は、部位や程度によりますが、本格的な感染症には、当然必須です。また、補液製剤はいかなる状況でも必須です。被災地では特に必要とされる状況が多いと言えます。
『表』参照 http://npojip.org/sokuho/110320.html




<東北地方太平洋沖地震に関して“医療に特化した救援要請”情報(3月20日12時現在。一部情報抜粋)。>

◆食事、ガソリン、入院患者受入先 他: 福島県いわき市(3/19)

 現状の改善をするために、食糧やガソリンなどの物資供給と入院患者10人+老人保健施設約100人の受け入れ先を求めています。どうぞお助けください。

https://www.m3.com/eqboard/detail.jsp?eqboardId=397&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

◆精神科経験のある医師、看護師、薬剤師、その他の調理補助員など
被災した他院からも25名の入院患者さんを受け入れています。
さらに県からの追加受け入れ要請が来ています。スペース面では対応できますが、人的確保がないと答えられません。支援をお願いします。
https://www.m3.com/eqboard/detail.jsp?eqboardId=409&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

 また、岩手県沿岸部を3月19日に視察した、岩手医科大学学長の小川彰先生に現状と人材募集の状況をお聞きしました。

◆岩手医科大学:3カ月救援活動可能な医師(岩手県盛岡市)(3/20)
https://www.m3.com/eqboard/detail.jsp?eqboardId=429&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

◆「現地は想像を絶していた、いまだ薬、ガソリン不足」(3/20)
http://www.m3.com/iryoIshin/article/134106/?Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

【支援要請 全15件】
支援要請、支援します一覧:https://www.m3.com/eqboard/eqboard.jsp?Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221
※一部を抜粋してお届けします。
※なお、支援協力依頼等は、サイト上に記載の連絡先に直接ご連絡ください。

◆東北大学病院:支援物資等を受付けています(宮城県仙台市)(3/16掲載情報転載)

 東北大学病院では支援物資等を受付けております。医師のほか、保存食から水、紙おむつなどの支援をお願いします。

https://www.m3.com/eqboard/detail.jsp?eqboardId=415&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

◆至急物資支援をお願いします。(福島県いわき市)(3/19)

 地震、洪水被害で孤立。さらに原発事故で物資も不足しています。原発からは37Kmの距離があり安全域ですが、いわきは危険との風評被害のため援助物資が入って来ません。

https://www.m3.com/eqboard/detail.jsp?eqboardId=400&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

◆ガソリン;職員の足の確保(宮城県仙台市) (3/19)

 現在は、院内で寝泊まりしている職員で可動していますが、疲労が蓄積してきています。

https://www.m3.com/eqboard/detail.jsp?eqboardId=395&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

【病医院別情報 24時間以内の新規書き込み131件】
病医院別情報一覧:https://www.m3.com/eqboard/hospitalBoardTop.jsp?Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

透析可能となりました。(福島県福島市)(3/20)
https://www.m3.com/eqboard/hospitalBoardDetail.jsp?hospitalId=336554&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221#id_354

人工呼吸器装着患者の受け入れ可能(岩手県盛岡市)(3/20)
https://www.m3.com/eqboard/hospitalBoardDetail.jsp?hospitalId=336340&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221#id_355

看護士の疲労(宮城県仙台市)(3/20)
https://www.m3.com/eqboard/hospitalBoardDetail.jsp?hospitalId=340569&Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221#id_353

【震災関連サイトリンク
災害関連疾患をはじめ、臨床関係の関連サイトを逐次追加しています。
http://www.m3.com/iryoIshin/article/133728/?Mg=a580c2a5700bba3f604f622a1d85bca7&Eml=65465546094583b7a5a3f1b2b51e46a9&F=h&portalId=mailmag&mm=MS110320_221

●ご意見・ご質問等は以下のお問合せフォームからご連絡ください。
[m3.comへのお問い合わせ] http://www.m3.com/inquiry/form.jsp




不安増幅でヨウ素剤に注目 安易な服用で副作用も 2011.3.18

(2011年3月18日 共同通信社記事)

 福島第1原発の事故で放出された放射性物質が各地で観測される中、被ばく対策に有用な「安定ヨウ素剤」が注目されている。増幅する不安を映すように、インターネットの通販サイトには「問い合わせが殺到し、在庫は全く無い状態」とのお断りも見られる。

 だが、ヨウ素剤は本来、甲状腺腫などの治療に使われる処方薬。使い方を誤ればアレルギーなどの副作用を招く恐れがある。防げるのは放射性ヨウ素による甲状腺被ばくだけで、放射線の害をすべて防げる"万能薬"でもない。安易な服用を避け、専門家の指示に従うことが大切だ。

  原子力事故で放出される放射性ヨウ素は、呼吸などで体内に取り込まれると10〜30%が甲状腺に集まって蓄積し、内部被ばくによる甲状腺がん発症の危険を 高める。
しかし、非放射性のヨウ素剤を予防的に服用しておくと、甲状腺の組織と結び付いて、後から体内に入ってきた放射性ヨウ素が甲状腺に取り付くのをブ ロックしてくれる。

 安定ヨウ素剤「ヨウ化カリウム丸」を製造販売する日医工(富山市)によると、効果は放射性ヨウ素の取り込み前24時間 以内の服用が最も高いが、取り込み直後でも一定の効果が期待できる。
だが、24時間経過以降は放射性ヨウ素が先に甲状腺に蓄積しているため、ほとんど効果 が無い。

 服用しても避難は不可欠。「適切なタイミングで1回飲めば、1日効果が続く。その間に素早く避難することが大切」(同社)という。

 服用対象は40歳未満。40歳以上は被ばくしても甲状腺がん発症率が増えないため対象外だ。
ヨウ素過敏症の人や、エックス線検査時にヨウ素を含む造影剤でアレルギーを起こしたことがある人も服用を避ける。

 一方、新生児や乳幼児は大人より放射線の影響を受けやすく、特に服用が重要とされる。
また、妊婦の服用は胎児の被ばくを防ぐ効果がある。ただし新生児や、服用した妊婦から生まれた子どもは甲状腺機能低下症を発症することがあり、投与後の検査が必要という。



「ヨウ素剤の代わりにうがい薬」根拠ない情報 2011.3.14

( 提供:読売新聞)

 大量の放射性ヨウ素を体内に取り込んだ場合の健康被害を防ぐ内服薬「安定ヨウ素剤」の代わりに、うがい薬などの市販品を飲むのは効果がないばかりか、健康を害するおそれもあるとして、放射線医学総合研究所(千葉市)は14日、注意を促す見解を出した。

 同研究所によると、「安定ヨウ素剤の代わりに、ヨウ素を含むうがい薬やのどスプレー、ワカメなど海藻類の摂取が有効」などという情報がインターネット等で流れているが、こうした市販品の効果は不明だったり、不十分だったりし、根拠のない情報という。

 特に、うがい薬などの市販品は口から飲むことを想定した内服薬でなく、飲むと、体に有害な作用を及ぼす物質も含むため、「安定ヨウ素剤の代わりに飲むのは絶対にやめて」と呼びかけた。

 なお、安定ヨウ素剤は副作用もあるため、専門家が必要と判断した場合に限り、避難所などで、医師の指示に従い服用する。



★緊急情報『ヨウ素剤の予防服用』:その服用のタイミングと有効性について

ヨウ素剤の予防服用についての情報は以下にくわしくあります。
http://www.remnet.jp/lecture/b03_03/2-3.html
(緊急被爆医療研修のホームページ)

 =抜粋を書きます。
◯40歳以下が服用対象。
40歳以下では、甲状腺機能が活発で甲状腺に放射性ヨウ素が蓄積す
るのを防ぐため。

○一日一回服用24時間効果あり。
服用のタイミングとブロック率は、
被爆前(24時間前:93% 72時間前:32% 92時間前:5%)
被爆後(2時間後:80% 8時間後:40% 24時間後:7%)
http://www.remnet.jp/lecture/b03_03/2-3.html

※ヨウ素剤の副作用については、添付文書を参照してください。
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/830039_3221001X1152_1_02.pdf




★★講座★★『INCA の“ 患者テスト”【入門編】受けてみませんか?受講者募集!』2011年3月16日(水)開催

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分からないから、いつでも我慢。
分からないから、大きなものを失う。
分からないから、失ったものも分からない。
そんなことから卒業する機会です。
泣かない患者を目指して“ 患者テスト”で
力をつけませんか?

ためしてガッテン!!
お任せ患者から医療に参加する患者への一歩の機会です。
テストに挑戦し、正確な情報を得て力を付けることでことで
少しずつ自信がつきます。
元気になります。
設問と回答への説明があります。また、優秀回答者に
は次回【初級編】への参加費が免除されます。

講師
■講師/小沢木理
□日時: 3/16(水)2011 年 14:00~15:30
□場所: 小淵沢生涯学習センター 1F 小会議室 TEL 0551-36-3125
□参加費: 200 円(資料代含む)
□申込〆切: 3 月10 日




イレッサ訴訟 厚労省が「和解勧告批判の文案」作成し、医学会に働きかけ 2011.2.24

肺がん治療薬「イレッサ」の副作用をめぐる訴訟で、東京・大阪両地裁が出した和解勧告について、厚生労働省が「和解勧告について、日本医学会として懸念の声明を発します」とする声明文案を、同学会に手渡していたことが24日、分かった。国が裁判所の和解勧告を拒否する際、国に有利な世論形成をするために文案を提供していたとして原告側は反発、「厚労省として説明責任を果たすべきだ」としている。イレッサ訴訟は25日、大阪地裁で初の判決が言い渡される。

 問題の文案が渡された後の1月24日、同学会は高久史麿会長名で「和解勧告について、私は強い懸念をいだいている」との見解を発表。文案と同じ表現が使われた部分もあった。

 文案では、「日本の医療の進展を阻むような内容が示されており、裁判所の判断に懸念を禁じ得ません」などと裁判所を批判。「医薬品の開発期間がむやみに延長し、必要としているがん患者さんへのアクセスを阻害することになりかねません」などと、国がこれまで会見などで主張してきた内容が書かれていた。

 肺がんが男性の死亡率の1位であることや、画期的な治療法が期待されていることなどを説明した内容など、国の文案がそのまま使われている部分もあった。

文案を手渡した経緯について、厚労省は「日本医学会として見解を出そうとしているという情報があったので手渡した。役所の体質として多忙な人に、手をわずらわせないように原案のようなものを作って持っていくことはある」と説明。

 一方、日本医学会の高久会長は「厚労省の職員が来て、声明を発表してほしいといわれ文書を手渡されたのは事実。ただし考えが違う部分もあったので、見解は独自に作成した」としている。

 裁判所の和解勧告をめぐり、日本医学会が見解を公表した1月24日、国立がん研究センターの嘉山孝正理事長が記者会見し、「医療における不可避の副作用を認めなくなれば、すべての医療は困難」などと訴えたほか、日本肺癌(がん)学会や日本臨床腫瘍学会が一斉に見解を公表。厚労省は同月28日に和解勧告を拒否した際の記者会見で配布した資料で、日本医学会や国立がんセンターの嘉山理事長の見解を「関係者の状況」として紹介していた。

 原告団の水口真寿美弁護士は「日本医学会以外にも文案を提供していた可能性がある。自分たちの主張にあう世論形成のため、厚労省が医療界に働きかけたと思われても仕方がない」と批判した。(サンケイ2011.2.24)

 



ワクチン誤接種 乳幼児4人に /大竹の広島西医療センター2011.2.19

ワクチン誤接種:乳幼児4人に--大竹の広島西医療センター /広島

 大竹市は18日、国立病院機構広島西医療センター(同市)で先月、本来は2歳以上に接種する肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP」を、6カ月~1歳5カ月の乳幼児4人に誤って接種していたと発表した。4人に健康被害はないという。

 同市は今年1月から小児用肺炎球菌ワクチンに対する公費助成を開始し、医療機関に予防接種を委託。今月14日、市がセンターからの請求書を整理した際に誤接種を見つけた。同市は1月12日、同センターに注意喚起をしたが、18~25日に誤接種をしたという。2歳未満の乳幼児には別のワクチン「プレベナー」があり、4人には接種し直す予定。同センターの田中丈夫院長は「チェック体制に不備があった。再発防止に努める」と話している。(2011年2月19日 毎日新聞社)




40年以上効かない薬にお金を注ぐ! たん切り薬ダーゼン…効果証明できず自主回収 2011年2月21日 

2011年2月21日 共同通信社ほか記事より

武田薬品工業は21日、同社が40年以上にわたり販売している消炎酵素薬「セラペプターゼ」(商品名ダーゼン)について、薬の有効性を証明できないため自主回収すると発表した。
 近く承認の取り消しを求める方針という。

 たんの切れや、足などの腫れの改善が期待できるとしていたが、同社が有効性をあらためて確かめるため2009年までに実施した試験では、投与をしてもしなくても症状改善に差が出なかった。

 同社は1月、この結果を厚生労働省の医薬品再評価部会に報告。その後、再試験の実施も困難と結論付けた。
 同じ症状に対する薬は他社も販売しているため、医療現場への影響は小さいとみられるという。ダーゼンは1968年に販売を開始。ダーゼンは病院2000か所、診療所2万1000か所、調剤薬局4万6800か所に出荷しており、09年度の国内売上額は67億円。




(山梨)救急たらい回し防止協議会が意見書 2011年2月16日

2011年2月16日 読売新聞 記事より

搬送先リスト明示

 救急患者の受け入れを複数の医療機関が拒否する「たらい回し」を防ぐため、県内の医療機関や消防機関の関係者で構成する県メディカルコントロール協議会(会長=中沢良英・県医師会理事)は15日、患者の症状に応じて搬送先の医療機関をあらかじめ定めるなど、搬送や受け入れ方法に関する意見書を横内知事に提出した。県は今後、意見書を基に実施基準を策定し、新年度から運用する。

 意見書では、緊急度の高い患者を、救急隊員が〈1〉心肺停止〈2〉脳卒中疑い〈3〉重症心疾患疑い〈4〉外傷〈5〉消化管出血--の5分野に分け、あらかじめ医師が定めた観察基準のワークフローに基づき診断し、それぞれの症状に対応する医療機関に優先的に搬送するよう要請した。搬送先の医療機関のリストも作成した。観察基準が設けられるのは初めて。

 また、症状に対応する病院での受け入れが困難だった場合、県立中央病院や山梨大医学部付属病院が必ず受け入れるよう求めた。

 同協議会は2009年11月、改正消防法で各都道府県に搬送や受け入れなどに関する基準を策定するよう義務づけられたことを受けて発足した。

 県消防防災課によると、09年に県内で救急搬送された患者は3万753人で、通報から医療機関に収容されるまでに30分以上1時間未満かかった患者は1万7059人、1時間以上2時間未満かかった患者は1632人、2時間以上かかった患者は99人だった。




【特報】日弁連は、「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」を2011年1月21日付けで取りまとめ、同年2月2日に厚生労働大臣、文部科学大臣、環境大臣に提出した。

■本意見書の趣旨

指定されたファイルは存在しません。

抜粋)
『むし歯予防のために、保育所、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校等で実施されるフッ素洗口・塗布には、安全性、有効性、必要性・相当性、使用薬剤・安全管理、追跡調査、環境汚染に関して、さまざまな問題点が認められる。

このような問題点を踏まえると、集団フッ素洗口・塗布の必要性・合理性には重大な疑問があるにもかかわらず、行政等の組織的な推進施策の下、学校等で集団的に実施されている。これによって、個々人の自由な意思決定が阻害され、安全性・有効性、必要性等に関する否定的見解も情報提供されず、プライバシーも保護されないなど、自己決定権、知る権利及びプライバシー権が侵害されており、日本における集団によるフッ素洗口・塗布に関する施策遂行には違法の疑いがある。

よって、当連合会は、医薬品・化学物質に関する予防原則及び基本的人権の尊重の観点を踏まえ、厚生労働省、文部科学省、各地方自治体及び各学校等の長に対し、学校等で集団的に実施されているフッ素洗口・塗布を中止するよう求める。』

■本意見書の結語
第11 結語 (本文の33頁)
当連合会は,1981年(昭和56年)の意見書において,事実上の強制,薬剤管理,情報提供,追跡調査等の問題を指摘して改善措置を求めたが,何ら改善措置が図られないまま,ガイドライン等を契機に,政府及び自治体によって,集団フッ素洗口・塗布の普及推進が図られており,自己決定権,知る権利及びプライバシー権の侵害の状況及び政策遂行上の違法の疑いを放置することは,もはやできない。
よって,当連合会としては,上述の諸問題を踏まえ,医薬品・化学物質に関する予防原則,公衆衛生政策における基本的人権の尊重の観点に鑑み,集団フッ素洗口・塗布を中止することが相当と思料し,冒頭記載の意見を述べる次第である。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/110121.html (←全文はこちらから)



★★講座★★『肺がん治療薬 “イレッサ”は 夢の新薬ではなかった!?』2011年2月27日(日)開催

患者なっとくの会INCA主催/<泣かない患者学/第31回>
□学習会の趣旨
02年の承認申請から半年でスピード承認されたイレッサ(一般名:ゲフィチニブ)は、販売直後から副作用死が相次ぎ、これまでに800人を超える患者が死亡しています。
 本来ならこれらの副作用死は防げたはず。
患者に届いていなかった重篤な副作用情報「緊急安全性情報」って?
私たちが知りたい情報はどうしてなかなか届かない?
国や製薬企業の責任と情報提供のありかたが問われていますが、同時に患者の医療への参加のありかたが問われています。
 一部では、イレッサを通しての副作用死の真相とその問題点を解説。
 二部では、簡単な患者テストと医療や薬剤における患者対応の質疑。
ぜひこの機会に患者力を身につけてください。

■開催:2/27(日)2011年  13:30~15:30
■会場:国際交流センター 小会議室
□講師:小沢木理/薬害オンブズパースンOB
□参加費: 500円(資料代含む)
□主催:患者なっとくの会INCA (インカ)
□申込先:050−1280−6728



« 子宮頸がん予防ワクチン 競って公費助成。HPV接種に拍車はあまりに無謀・無責任行為 » 2011.1

1月19日、横浜市は全額市が負担を決めた子宮頸がんの予防ワクチンを接種をするよう、高1女子に個別通知を出すことを明らかにした。行政の評価を気にして、或は使命感を持って助成する自治体も少なくない。「公費助成や全額自治体負担が当然」という風潮が官民の中にある。
ところがこのワクチン、まだ何も確実なことが分かっていない。全ての人に抗体ができるわけではないし、将来にわたって健康に影響が出ないとは言い切れない不確かなもの。そんなこと、行政は当然充分承知しているはずだが、それともそんな事実を知らないでワクチン接種を推進しているのだろうか。
安易に任意接種の域を超え各自治体が競ってワクチン接種を後押しするのは非常に問題だ。厚労省の発行物を丁寧に読むだけでも、決してワクチン接種を標榜していないことが分かる。「検診を!」という方法を一番推奨している。
市民も冷静にならないといけない。



« タミフル投与患者、8%に耐性ウイルス 治療に影響、懸念 » 2011年1月20日記事

〘タミフル:投与患者、8%に耐性ウイルス 治療に影響、懸念--東大など調査〙
( 2011年1月20日 毎日新聞から転載 )

 インフルエンザ治療薬「タミフル」を投与した患者のうち約8%で耐性ウイルスが現れていることが、東京大医 科学研究所などの調査で明らかになった。タミフルが他の治療薬と比べ、臨床現場での治療により耐性ウイルスを出しやすいことが分かったのは初めて。19 日、感染症の米専門誌電子版に発表した。

 河岡義裕・同研究所教授(ウイルス学)らの研究チームは05~09年の過去4シーズ ン、けいゆう病院(横浜市)でタミフルと治療薬「リレンザ」を投与した患者各72人計144人を調べた。その結果、タミフルで治療した患者6人から耐性ウ イルスが確認されたが、リレンザで治療した患者からは現れなかった。

 患者はいずれもタミフルの投与で回復したが、体内でインフルエンザウイルスが増殖する過程で一部が耐性を獲得した可能性があるという。こうした耐性ウイルスは増殖力が比較的弱いとされ、これまで治療が原因による感染拡大は 起きていない。だが、感染力や増殖力が強まれば、タミフルが治療に使えなくなるなど、今後の治療に影響する懸念がある。

 同病院の菅谷憲夫小児科部長は「国内では経口薬のタミフルのほか、吸入薬のリレンザ、イナビル、点滴薬のラピアクタの計4種類のインフルエンザ治療薬がある。バランスよく使っていくことが大切だ」と話している。




肺がん治療薬「イレッサ」被害者訴訟   «国と企業の責任に踏み込んだ和解勧告» 2011年1月7日

 『夢の新薬』と騒がれた肺がん治療薬イレッサ。その副作用被害者(患者1人と6人の遺族)らが、国と輸入販売元のアストラゼネカ社を訴えた事件で、東京地裁と大阪地裁は双方に和解を促した。
 地裁は、和解勧告で「承認時の添付文書では“注意喚起が不十分”」と、国の責任を指摘。
 原告側は04年に提訴後、昨年11月、両地裁に和解勧告をするよう求める上申書を提出し、“国とア社の謝罪と賠償” “抗がん剤副作用死を対象とした被害者救済制度の創設”を和解内容に盛込むよう求めていた。
 原告側は、〖緊急安全情報〗が出されたあとに投与されたということで賠償の対象から外される2人を含めた原告全員の救済を目指す考え。
 原告・被告双方は28日迄に和解勧告への態度を両地裁に伝える。

 【イレッサ:肺がん治療薬、一般名はゲフィチニブ。02年7月、申請から半年でスピード輸入承認。副作用が軽い「分子標的治療薬」として期待されたが市販開始直後から重篤な間質性肺炎などによる副作用死が相次ぐ。同年10月、厚労省はア社に全国の医療機関に〖緊急安全性情報〗を出して注意を呼びかけるよう指示。これまでに800人を超える患者が死亡している。】



★★講座★★『“子宮頸がんと予防ワクチン”有効性・安全性・有用性など市民に届いていない情報の全容を届けます。』 2011年1月 29日開催

患者なっとくの会INCA主催/<泣かない患者学/第30回>
□学習会の趣旨
 子宮頸がんが大きな話題となっています。自治体によっては公費助成があり、子宮頸がん予防ワクチン接種が推奨されています。
 ところが一般には予防の選択肢について、予防ワクチンそのものについて、様々な疑問や不安を抱いたまま接種を済ませてしまいがちです。
 子宮頸がんの予防は大変重要ですが、それを予防するHPVワクチンの知識が、市民ばかりか行政にも伝わっているようにはとても思えません。
 より正確な情報を得て、納得して自己決定することをお勧めします。

■開催:1/29(土)2011年  13:30~15:30
■会場:国際交流センター 小会議室
□講師:小沢木理/薬害オンブズパースンOB
□参加費: 500円(資料代含む)
□主催:患者なっとくの会INCA (インカ)
□申込先:050−1280−6728



『あなたの癌は、がんもどき』近藤誠著 2010年12月 6日 発売!

 医学界に大論争を巻き起こした『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)から15年、孤高の医師、近藤誠が沈黙を破る。最新臨床データに基づく「がんもどき理論」の最終見解。
 (内容)http://www.gotoshoin.com/cat33/post-136.html

 (近藤 誠・その他の本)http://classic.music.coocan.jp/_book/medicine/kondou.htm

↓以下は転載。
 [担当編集から一言]
これからの時代、「がん」という病気とどのように付き合っていくか。
不安を煽られ感情的に決めるのではなく、著者の近藤医師のように「論理とデータ」をもとに自分でも考えていかなければならない。
その指針となる一冊です。(編集D)

近藤ドクターとは20年以上のおつきあいになるが、
医学界の権威主義とボス支配に背を向け、独り一般への情報公開に力を注いできた。
PCに向かって日々海外論文を読む勉強熱心な姿は、今も昔も変わらない。
敵も多いがファンも多い、闘う医師の「最終見解」です。(編集M)

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